期待以上に魅力ある法廷系サスペンスですよ。

「リンカーン弁護士」73点★★★★




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愛車リンカーンの後部座席を事務所代わりにしている
弁護士ミック(マシュー・マコノヒー)。

麻薬の売人や娼婦を主な顧客にする彼は
司法取引を得意とし、ときにはグレーな手も使う。


そんな彼のもとに、ある依頼が舞い込む。
ビバリーヒルズの資産家の御曹司(ライアン・フィリップ)が、
女性への暴行容疑で立件されたのだ。

「金目当ての女に嵌められた」という御曹司と

「殺されかけた」という女性の言い分は

果たして、真実は?
そして事件は思わぬ方向へ転がり出し――?!

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リンカーンに乗るチャラめの弁護士が

金持ちボンを弁護することになる。
無実だと訴えるボンには、彼を雇った理由があった――という話。
タネを明かしちゃつまんないので
ここまでにしておきますが

まず話がしっかり練られているのがいい。


そして
主人公のグレーなキャラが立っている。


彼は世渡り上手で、正義感に溢れるタイプじゃないんだけど、
でも彼なりのポリシーがあって
「お?意外に完全な黒ではない?」と思わせる。

そんな彼が見せる「正義」が、
展開の読めない物語を加速させるんですねえ。

と、ここまではおそらく
ベストセラーだという原作でも味わえるんだと思うのですが、
ここに映画ならではの醍醐味である
演者の“キャラ”が、うまく加味されてるんですよ。

すなわち、
マシュー・マコノヒーの
いかにも「うまく世間泳いでいそう」


無実の御曹司を演じる
ライアン・フィリップの瞳。
これらが
映画ならではの描写力と、罠を仕掛けてくるわけです。

見ている我々は、さまざまな意味で
危うい二重の芝居を見ることになり、これが面白いんです。


選曲も粋でカッコよかったですね。



★7/14(土)から丸の内ピカデリーほかで公開。
「リンカーン弁護士」公式サイト