青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

鉄道レストラン ~ビクトリアステーション

2025-03-04 | 昭和の喫茶店

80年代中盤に差し掛かると、ファミリーレストランが大流行。中でもステーキを売り物にする高級店化の競争が、盛んになりました。「フォルクス」が出て、ステーキが手頃な値段で食べることが出来るようになった時代です。ファミレスもこの当時は綺麗で、決して今のような安価なレストランのイメージではありませんでした。

そんな時に先進的な「ビクトリアステーション」が出現しました。汽車に乗って~それも古き良き時代のアメリカの汽車。そして旅に出かける気分で食事を楽しむ。そんな雰囲気を味わえる鉄道レストランが芦屋・モンテメールに日本第2号店としてオープンしました。

ビクトリアステーションは、プライムリブ(ローストビーフ)を中心としたメニューでアメリカで展開していたチェーン店を、ダイエーが日本国内において店舗展開。欧米の古い客車をデザインにした店内や、サラダバーのシステムを早くから取り入れました。実際に海外の鉄道で使用されていた貨車や車掌車を改装し、客席の一部にしていた店舗もありました。1999年に完全撤退しており、現在の株式会社ビッグボーイジャパンが経営する、ステーキレストラン「ヴィクトリアステーション」とは全く違うお店です。

アメリカから直輸入したプライムリブは、熟成された後、更にオーブンで3時間掛けてローストされていました。主力メニューはプライムリブ、ステーキ、シーフード。

芦屋店はお客さんの7割が外国人。結構なボリュームのある食事でしたが、あっさりした味付けで、ソースもいろいろ選べました。チーズケーキは女性に大人気でした。プライムリブは2,900円から。カリフォルニアシャーベットが300円、レアチーズケーキが400円でした。

国道171号線、神戸に向かって武庫川にかかる甲武橋の手前にあった「伊丹店」には、真っ赤なコンテナを改造した客席も設けられ、大勢の人で賑わいました。他にも京阪神では梅田店、三番街店、ヒルトンプラザ店、都島店、新神戸店、六甲アイランド店と多くのチェーン店が展開、僕は関東では早稲田店、渋谷店、赤坂店、馬車道店、三鷹店を知っています。実にダイエー的といいますか、これだけの繁栄を誇りながら、しかもとても美味しかったのに、あっという間に消えてしまったビクトリアステーション。水商売は怖いと、当時思ったものです。

昭和の京阪神の懐かしいお店、これからも続々とご紹介して行きたいと思います。更新に間隔が開くようになってしまいましたが、今後もよろしくお願いします。