今日は実際のネット上にある「通販・詐欺サイト」を見ながら、詐欺サイトの見破り方の1例を示して行きましょう。
ECサイトには「特定商取引法に関する表記(表示)」を掲載することが義務付けられていますので、まずは買い物をしようとするホームページ内の「会社概要」等から「特定商取引法に関する表記(表示)」を見ましょう。
所在地は詐欺サイトの場合は、まずマンション等の建物住所であり、グーグルマップで調べても会社の看板が上がっている建物等はありません。
電話番号に掛けても詐欺サイトであれば、全くの他人の番号であるか、「現在使われていません」のアナウンスが流れます。
そして肝心の販売業者と販売責任者名ですが、架空の会社名と実際にはいない人名が使われています。ほとんどの場合、販売業者は株式会社ですので、「国税庁法人番号公表サイト」で買い物をしようとしている会社名等を入れて検索して下さい。詐欺会社であれば「該当データは存在しません」と表示されます。以上の事から、今回取り上げる通販詐欺会社は下の表をご覧頂くとお分かりのように、完全真っ黒な会社です。
架空の株式会社名を使った「特定商取引法に関する表示」をしている時点で法律違反であり、お金を払っても商品が送られて来ませんので、完全な詐欺行為を行っていると分かります。
「国税庁法人番号公表サイト」で、会社が確認出来て、振込先の口座名とその会社名が一致し、メールや電話等で連絡が取れるなら、その会社は大丈夫でしょう。しかし、会社名と口座名が一致しないなら詐欺の可能性があります。
実際に商品を注文する際には、ユーザーアカウントの作成を求められたりしますが、ここで登録をすることによって、個人情報を与えてしまうことになります。このページでも詐欺の証拠を見つけることが出来ます。会社名は「株式会社ボージン」なのに、真ん中下の赤枠を見て下さい。詐欺サイトの雛型を使い回していますので、「ナシャレ」という会社名になっています。過去に詐欺で使っていた会社名もしくは、このサイトの雛型の元となった会社名を、株式会社ボージンと訂正し忘れています。
ユーザーアカウントを作ってしまった場合、万が一ここで用いたパスワードを他でも使っていたなら、そちらは変更した方が良いでしょう。また、メールアドレスも変更した方が良いと思います。なぜなら、詐欺に1度でも引っ掛かった人は再度狙われる可能性が高く、詐欺に誘導するようなメールを継続的に送り付けられる可能性が高いからです。
こういうページから問い合わせ等を行う訳ですが、お金を払うまではマメに返事をして来ます。しかも以前のような下手な日本語ではありませんので、品物が欲しいと騙されてしまいます。
下のページは、詐欺サイトでよく見かける雛型を使っているであろうページ・デザインです。このページと同じものを見たら、詐欺サイトであるかも知れないと疑ってみて下さい。赤枠内、ここも先ほどと同じく「ナシャレ」となっています。
注文をしようとしても、カード決済が出来ない事が分かりますが、銀行振り込みや郵便振替の案内メールが送られて来ます。下は実際にこのサイトで「詐欺に使われた」口座です。
銀行名: 【ゆうちょ銀行】
支店名: 一二八支店
取引種類: 普通
支店番号 : 【128】
囗座番号:【4124559】
記号番号:【11210-41245591】
口座名義:【フアム テイ ホア】
振込口座が個人名である場合、詐欺の可能性はかなり高い。更にそれが日本人名でない場合は、ほとんど詐欺ですので振込をしてはいけません!どんなに欲しい品物でも、諦めて下さい。絶対に品物を送って来ることはありません!
振込口座の名義と会社名が一致するのは普通です。
次回は最終回、詐欺にやられたと分かった場合どうすれば良いかについて、警察から聞いた話を中心に、通販詐欺についての「まとめ」を書きますので、ぜひご一読下さい。本日取り上げた会社名、住所、電話番号、銀行口座、サイトの写真は全て現在もネット上にある本当の詐欺のものです。お気を付け下さい。ただし、口座は既に警察によって「凍結」されているハズです。