アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

「誓い~私達のおばあに寄せて」

2017年06月24日 | ドラミング

昨日は、沖縄戦没者慰霊の日。
摩文仁の平和祈念公園で開かれた「沖縄全戦没者追悼式」では、上原愛音さん(宮古高3年生)が自作の詩を朗読し、会場からは盛んな共感の拍手を受けたという。(以下、その詩を沖縄タイムスから転載させていただきます)


「誓い~私達のおばあに寄せて」

 今日も朝が来た。

 母の呼び声と、目玉焼きのいい香り。
 いつも通りの
 平和な朝が来た。

 七十二年前
 恐ろしいあの影が忍びよるその瞬間まで
 おばあもこうして
 朝を迎えたのだろうか。

 おじいもこうして
 食卓についたのだろうか。

 爆音とともに
 この大空が淀んだあの日。

 おばあは
 昨日まで隠れんぼをしていたウージの中を
 友と歩いた砂利道を
 裸足のまま走った。

 三線の音色を乗せていた島風に
 鉄の臭いが混じったあの日。

 おじいはその風に
 仲間の叫びを聞いた。

 昨日まで温かかったはずの冷たい手を握り
 生きたいと泣く
 赤子の声を抑えつけたあの日。

 そんなあの日の記憶が
 熱い血潮の中に今も確かにある。

 決して薄れさせてはいけない記憶が
 私の中に
 私達の中に
 確かに刻まれている。

 少女だったおばあの
 瞳いっぱいにたまった涙を
 まだ幼かったおじいの
 両手いっぱいに握りしめたあの悔しさを
 私達は確かに知っている。

 広がりゆく豊穣の土に芽吹きが戻り
 母なる海がまた
 エメラルドグリーンに輝いて
 古くから愛された
 唄や踊りが息を吹き返した今日。

 でも
 勇ましいパーランク―と
 心臓の拍動の中に
 脈々と流れ続ける
 確かな事実。

 今日も一日が過ぎゆく。

 あの日と同じ刻(とき)が過ぎゆく
 フェンスを飛びこえて
 締め殺されゆく大海を泳いで
 癒えることのない
 この島の痛み
 忘れてはならない
 民の祈り
 今日響きわたる
 神聖なサイレンの音に
 「どうか穏やかな日々を」
 先人達の願いが重なって聞こえる。

 おばあ、大丈夫だよ。

 今日、私達も祈っている。

 尊い命のバトンを受けて
 今
 祈っている。

 おじい、大丈夫だよ。

 この島にはまた
 笑顔が咲き誇っている。

 私達は
 貴方達の想いを
 指先にまで流れるあの日の記憶を
 いつまでも
 紡ぎ続けることができる。

 誓おう。

 私達はこの澄んだ空を
 二度と黒く染めたりしない。

 誓おう。

 私達はこの美しい大地を
 二度と切り裂きはしない。

 ここに誓おう。

 私は、私達は、
 この国は
 この世界は
 きっと愛しい人を守り抜くことができる。

 この地から私達は
 平和の使者になることができる。

 六月二十三日。

 銀の甘蔗(かんしょ)が清らかに揺れる今日。

 おばあ達が見守る空の下
 私達は誓う。

 私達は今日を生かされている。

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映画「天国のスープ」

2017年06月24日 | ギャラリー

小生のPC映画館。

今回は、国仲涼子さんと時任三郎氏が共演して、2008年に公開された「天国のスープ」を観た。
原作は、ノンフィクション作家松田美智子さんの同名小説。

物語~特許事務所で働くOLの結子は、交通事故で亡くなった姉が残した一枚の絵を手掛かりに、「幻のスープ」を探してレストランを訪ねて歩いていた。そのスープは、オレンジ色をしたキャロットスープなのだが、豆乳と牛乳を隠し味にした独特のものだった・・・。

“幻のスープ”を捜し求める女性と心に傷を負った料理人、そして彼女らを取り巻く人々を描いた心温まるドラマ。

特に、「幻のスープ」をつくった料理人の亮介が、「スープ作りには時間が掛かるからいい。 食べる人の事を長く想っていられるから」 と語るシーンが心に残った。写真は、ネットから拝借しました。

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