直木賞作家朝井まかてさんの最新作は、「雲上雲下」という民話ファンタジー。
「日本農業新聞」2016年4月～2017年4月連載「福耳草」の改題・加筆版、438頁の読み切り民話短編集。
物語（粒や）～子供の出来ない貧農夫婦が、近くの水神様に子供が欲しいとお祈りすると、やがて農婦は田螺の子供を産んだ。日頃その子は、水を張ったお椀の中に棲むが、一たび、農繁期になると農耕馬を督励して田畑を耕し、庄屋の下へ年貢を納めに行ったりする。やがて、庄屋の一人娘が嫁いでくるのだが・・・。
何とも、奇想天外な物語なのだが、内容が濃く、大人でも十分楽しめるファンタジーに仕上がっている。
眠れない夜に読む、ほんわかとした大人のための日本昔話をどうぞ。ご一読をお勧めします。（お勧め度：★★★）
