昨日午後、札幌地裁は当該訴訟に関し、「同原発1~3号炉のすべてに対し運転を差し止める」との判決を下しました。
以下は、判決の骨子です。
①提訴から10年以上経過したが、北海道電力が泊原発の安全性に関し主張立証を終える時期の見通しが立たないため、審理を継続することは妥当でないと判断し判決をする。
②北海道電力は、泊原発の防潮堤地盤に液状化の恐れがないことを立証していない。津波に対する安全性を欠くことから、その運転によって周辺住民の生命・身体を侵害する恐れがある。
③その危険性が及ぶと認められる範囲は、泊原発から半径30kmの範囲内である。従って、半径30kmに居住する原告ら(44名)の運転差し止め請求を認める。
④使用済み核燃料の危険性は認められるものの、撤去先を限定することなく撤去を求める請求は認められない。
⑤廃炉が必要であるとまでは認められない。
つまり、当面の「運転差し止め」は認めたものの、原告団が主張した長大な海底活断層や敷地内活断層による事故の可能性にはまったく触れず、従って、廃炉それ自体を認めるには至りませんでした。
小生ら原告からすれば、何か裏切られた思いですが、当面、当該原発の再稼働はなくなった訳で、その点は評価せざるを得ないと考えます。
今後、札幌高裁での審理が続けられることになりますが、廃炉に向け不退転の構えで頑張りたいと思っています。
蛇足:泊原発の廃炉をめざす会の公式見解がこちらにございます。