ショパンの晩年の頃の作品を特集したアルバム。
即ち、作品60の「舟歌」に始まり、作品61の「幻想ポロネーズ」、作品62の「二つのノクターン」等、最晩年の作品68までの13曲。
これらに共通しているのは、ショパン特有の華麗さよりも人生に達観した静かなあきらめにも似た心境の表現である。
それは、ロシアに占領された故国ポーランドへの想いや病弱な身体への苦渋であったに相違ない。
弾き手のアシュケナージも、そうした心情を十分理解した上で静かに心を込めて演奏しており、聴く者の共感を呼ぶ。
収録曲 ショパン
・3つのワルツ 作品64
・3つのマズルカ 作品63
・幻想ポロネーズ 作品61
・3つの遺作のマズルカ 作品67/68
・2つのノクターン 作品62
・舟歌 作品60
演奏
ウラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)
録音 1976年 All Saints Church・London