目下、LPレコードの始末に四苦八苦している訳だが、これが書籍だったらなお大変だろうなと思った。
先にご紹介した沢木耕太郎氏の「旅のつばくろ」に、その書籍の処分についての挿話が出て来る。
ある時、彼は信濃の堀辰雄記念文学館を訪れるのだが、その記念館の真ん前に古本屋があり、怪訝に思い入ってみると民家を改造し靴を脱いで上がるような造りになっている本屋さんだった由。
気になって、古本の仕入れはどうするのかと店の人に尋ねると、「実は、古本が大量に放出されていて選別に困る」のだと言う。
つまり、高齢化した団塊の世代(特に男性)が大量の古本を処分しているのが原因らしい。
考えてみると、LPレコードの処分も同じような環境になっているように思える。
加えて、もしこれが書籍(古本)だったら、その重量や処分先等、何倍も大変になるのではないかと思った。
幸い、小生はもっぱら図書館のお世話になっているので、古本の持ち合わせはそれほど多くないので助かる。
沢木氏の場合は、一度、ブラジルの日系人宛1万冊ほどを寄付し、他方、預け先の倉庫会社の倒産で数千冊が行方不明となり、大量処分が現実化したと言う。