4月2日(日)の第25回ミーティングは、ゲストスピーカーに弁護士で九州国際大学法学部教授の大島俊之先生をお招きして行いました。参加者は24名。はじめてのご参加は行政書士をしておられるというレズビアンの方と、男性として就職したばかりというMTFの方、セクシャルマイノリティについて研究しておられるという東京の大学院生の方、そして友人がトランスジェンダーなので・・という方、そしてお子さんが「ひょっとしてレズビアンかもしれないので・・カミングアウトを待っています」と明るくおっしゃるお母さまの4名でした。こんなお母さまが増えるといいですね。
大島先生は性同一性障害の方たちに戸籍情報の変更を認めることを提唱する論文を初めて公式に発表し「性同一性障害者特例法」成立の礎を築いた方で、現在も研究を続けておられます。海外の状況と比較しながら、これまでの経緯と残された問題などについてもお話してくださいました。また専門ではありませんとおっしゃりながらも、同性愛をめぐる法的な問題についても歴史を踏まえながらわかりやすくお話してくださり、各国のソドミー法(同性者間の性行為を禁止する法制度)が違憲とされ姿を消すに至った背景など、知らなかったことをたくさん学ぶことができました。
これらの中で印象に残ったお話を三つご紹介します。
一つ目は、性同一性障害の差別による解雇を訴える裁判(平成14年)で、日本には違法という判断を下した例があり、これは世界的に見ても進んだ判例であるということ。アメリカのボーイング社の同様の裁判では当事者は解雇されているということでした。日本は法的なことはすべてが遅れているでは・・と思っていましたので、驚きでした。でも日本の司法官は国際感覚がない、国際法を学ばないから・・ともこぼしておられました。(どうしてでしょうか・・?)
もう一つは性同一性障害の認識が日本で広まったことに比べて、同性愛など他のセクシャルマイノリティの問題への取り組みが非常に遅れていることについて、自分たちにも責任があったのではないかと思うとおっしゃったことです。「GID=gender identity disorder」に「性同一性障害」という日本語訳をつけたことで受け入れられやすくなったことは戦略としては成功といえるかもしれないが、同じマイノリティの中でもごく少数の性同一性障害のみにしか光が当たらなかったことは反省しなければならない・・と。性の多様性から話そうとしても、短時間の取材の中でマスコミは性同一性障害しか取り上げようとしなかったことも原因としてある・・というお話でした。
そして三つ目は同性婚の法案を作成してほしいという要望に対して、海外に法案の例はたくさんあるので、それよりもまず世論にアピールすることのほうが大切でしょう!とおっしゃったことです。なるほど・・と思いました。性同一性障害の法的な問題については多くの声が届けられていたことも原因としてあると。同性愛についてはまだまだ声が上がっていない・・世の中の話題にも上がらないようでは難しいということなのですね。以前上川あやさんがあるシンポジウムで「行政は目に見えないものにお金は出さないものです。目に見える存在になりましょう」とおっしゃっていたことを思い出しました。「世論にアピール!」みんなでしなければいけませんね。
後半は先生への質問も含め、みなさんと意見を交換しました。先生は当事者の会は何度も参加したけれど、親が参加している会は初めて・・ということで、ジョークを交えながら楽しく話してくださいました。先生に応援する親や友人の会があることを知っていただけてよかったと思いました。
毎回のことではありますが、つなぐ会には当事者の方ばかりでなく、また親ばかりでもなく、セクシャリティや立場も様々な人たちが集まっています。研究しているという学生さんが常に参加してくださることも、とてもうれしいことです。参加者のみなさんも「自分の問題だけでなくそれぞれが抱える違った問題を一緒に考えることができるところがいいですね」と言ってくださいます。時々ブログに「どんな会ですか?」という質問が来ます。
他にはないのでイメージしにくいかもしれませんが、社会の縮図のような、そんな会ですね。
最後にこれは東京在住のある会員さんのご報告なのですが、彼は友人として応援してくださっている方で、なんと名刺の裏に「NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会」と書いてくださり、いつかどこかで何らかの反応があればと、一日一枚を目標に配ってくださっているそうです。こんな会員さんのお話を伺うと、じっとしていられなくなります。4月から新年度が始まりましたが、今年度もいろいろなところに出かけていきます。会のパンフレットもリニューアルいたしました。すっごく明るくていいですよ!!(笑)ご希望の方にはお送りしますのでご連絡下さい。講演会もする予定です。みなさんからの応援、よろしくお願いいたします!!具体的に言うと・・会員になってください!!(笑)お待ちしています。
大島先生は性同一性障害の方たちに戸籍情報の変更を認めることを提唱する論文を初めて公式に発表し「性同一性障害者特例法」成立の礎を築いた方で、現在も研究を続けておられます。海外の状況と比較しながら、これまでの経緯と残された問題などについてもお話してくださいました。また専門ではありませんとおっしゃりながらも、同性愛をめぐる法的な問題についても歴史を踏まえながらわかりやすくお話してくださり、各国のソドミー法(同性者間の性行為を禁止する法制度)が違憲とされ姿を消すに至った背景など、知らなかったことをたくさん学ぶことができました。
これらの中で印象に残ったお話を三つご紹介します。
一つ目は、性同一性障害の差別による解雇を訴える裁判(平成14年)で、日本には違法という判断を下した例があり、これは世界的に見ても進んだ判例であるということ。アメリカのボーイング社の同様の裁判では当事者は解雇されているということでした。日本は法的なことはすべてが遅れているでは・・と思っていましたので、驚きでした。でも日本の司法官は国際感覚がない、国際法を学ばないから・・ともこぼしておられました。(どうしてでしょうか・・?)
もう一つは性同一性障害の認識が日本で広まったことに比べて、同性愛など他のセクシャルマイノリティの問題への取り組みが非常に遅れていることについて、自分たちにも責任があったのではないかと思うとおっしゃったことです。「GID=gender identity disorder」に「性同一性障害」という日本語訳をつけたことで受け入れられやすくなったことは戦略としては成功といえるかもしれないが、同じマイノリティの中でもごく少数の性同一性障害のみにしか光が当たらなかったことは反省しなければならない・・と。性の多様性から話そうとしても、短時間の取材の中でマスコミは性同一性障害しか取り上げようとしなかったことも原因としてある・・というお話でした。
そして三つ目は同性婚の法案を作成してほしいという要望に対して、海外に法案の例はたくさんあるので、それよりもまず世論にアピールすることのほうが大切でしょう!とおっしゃったことです。なるほど・・と思いました。性同一性障害の法的な問題については多くの声が届けられていたことも原因としてあると。同性愛についてはまだまだ声が上がっていない・・世の中の話題にも上がらないようでは難しいということなのですね。以前上川あやさんがあるシンポジウムで「行政は目に見えないものにお金は出さないものです。目に見える存在になりましょう」とおっしゃっていたことを思い出しました。「世論にアピール!」みんなでしなければいけませんね。
後半は先生への質問も含め、みなさんと意見を交換しました。先生は当事者の会は何度も参加したけれど、親が参加している会は初めて・・ということで、ジョークを交えながら楽しく話してくださいました。先生に応援する親や友人の会があることを知っていただけてよかったと思いました。
毎回のことではありますが、つなぐ会には当事者の方ばかりでなく、また親ばかりでもなく、セクシャリティや立場も様々な人たちが集まっています。研究しているという学生さんが常に参加してくださることも、とてもうれしいことです。参加者のみなさんも「自分の問題だけでなくそれぞれが抱える違った問題を一緒に考えることができるところがいいですね」と言ってくださいます。時々ブログに「どんな会ですか?」という質問が来ます。
他にはないのでイメージしにくいかもしれませんが、社会の縮図のような、そんな会ですね。
最後にこれは東京在住のある会員さんのご報告なのですが、彼は友人として応援してくださっている方で、なんと名刺の裏に「NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会」と書いてくださり、いつかどこかで何らかの反応があればと、一日一枚を目標に配ってくださっているそうです。こんな会員さんのお話を伺うと、じっとしていられなくなります。4月から新年度が始まりましたが、今年度もいろいろなところに出かけていきます。会のパンフレットもリニューアルいたしました。すっごく明るくていいですよ!!(笑)ご希望の方にはお送りしますのでご連絡下さい。講演会もする予定です。みなさんからの応援、よろしくお願いいたします!!具体的に言うと・・会員になってください!!(笑)お待ちしています。