2017/12/17に開催したつなぐ会ミーティングの感想を会員の方から頂きました。
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28名の参加者がありましたが、内5才のトランス当事者1名、小学生のトランス当事者2名の参加がありました。
また、小学生の当事者のいる親御さんのみの参加もありました。
回を重ねるごとに当事者の若年化が目に見えるようになってきました。
更にXジェンダーの方々も。
10年来、参加者は、レズビアン、ゲイ、トランスジェンダーにほぼ集約されていましたが、近年の様変わりに、時代の変容、まさしく多様性を感じます。
今回のゲストは、漫画家で、作家、ブログの人気も高い歌川たいじさん。
著作である「母さんが、どんなに僕を嫌いでも」(出版社:エンターブレイン、発売:2013/2)は、号泣物のコミックエッセイ(小説もあります)です。
すさまじい虐待の中で育ち心身に深い傷を負った少年が、悪友や、あったかいばあちゃんや、頼りになる仲間という周りの人たちの、温かい言葉や、何気ない会話から気づきを与えられ、絶望的な心がすくい上げられていきます。
虐待の描写に胸が痛くなって途中読み進めなくなるほどですが、他人との出会いによって、少年の心が動き出し、親との軋轢を乗り越えて大人になっていく姿に心が震えます。
歌川さんの講演では、この本を紹介しながら、逆境力についていろいろとお話していただきました。
やはり人との出会い、繋がりそして自分を大切にすることということでしょうか。
ただ、その中心にいる自分が閉じこもっていては何も始まらない。
それでは他人に出会わない。
ひとりで悶々としていれば、自分の狭い頭の中で貧しい妄想がふくれ拙い判断をし、失敗を重ねていくという悪い循環に陥るもの。
けれども反対に、たとえ自分自身はちっぽけな存在でも、誰かと繋がることで心が和らいだり、世界が違って見えてくる。
その繋がりが広がることで、自分が独りぼっちではないことを知り、ちっぽけな心に勇気が湧き、世界に踏み出せるようになる。
少しずつ踏み出すうちに自分自身も少しずつ強くなり、更に仲間も増え、段々良い循環になっていく。
そうやって逆境を乗り越えていけるのかと思いました。
つなぐ会のミーティングも、そんな場所でありたいと思います。
当事者同士、当事者とアライ、親同士が出会い、各人が窮状を訴えれば共に悩み、嬉しいことの報告には共に喜ぶ。
その繰り返しの中で、うつむきっぱなしの当事者が皆の前でしゃべれるようになり、カミングアウトを受け泣きじゃくっていた親が子どもを受け入れられるようになっていきました。回数を重ねるごとに、うろたえていた姿から前を向く姿に変わっていきます。
東京でのつなぐ会ミーティングがスタートして10年。
久しぶりに来てくれた方から嬉しい報告を聞く機会も増えてきました。
来年は、更にどんな出会いが待っているでしょうか。
多くの方々と繋がっていきたいと思います。
M
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