LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

5月名古屋ミーティング(いなべ市)報告

2024年05月25日 | Weblog

2024.5.13シビックコア棟会議室

 

トランスジェンダー当事者の親4名

同性愛当事者の親1名

トランスジェンダー当事者2名

同性愛当事者1名

Xジェンダー当事者1名

 

今回のミーティングでは初めての参加者の方もおられたため、現在の状況や悩んでいること等ざっくばらんに交流していきました。

 

〈カミングアウトについて〉

・子どもからカミングアウトを受けた時は、夢であってほしいというくらい悩んだ。でも今では、手術も終え、あきらめというより覚悟しているという感じ。名前を変えたが、前の名前で呼んでしまって言い直したりしている、でも少しさみしいなと思ってしまうこともある。

 

・私は、子どもからカミングアウトを受けた時は、幼少期からの子どもを見ていて、それほどびっくりすることはなかった。将来的には体を本来の性別に戻したいと言っている。親としてはガイドラインに沿った形で治療を進めてほしいので、それだけはお願いして一緒に進めている。カミングアウトを受けた後にしたのは映画を観ること。でもどちらも当事者が亡くなってしまう話でこわくなってしまった。もっと知りたいと思ってSNSで調べたりしたけどもっと分からなくなってしまった。自殺率が高いというのも読んでこわくなった。人を好きになってそのパートナーに出会えるのかなど、先のことを心配してしまう。うすうす、この子恋愛対象はどっちなんだろうと思うこともあったけど、もっと早く気づくべきだった。

→お母さんが胸を張っていら、お子さんは悲劇の方にはいかない。先のこと不安になるのはものすごくあるけど、子どもは心配されるのが一番嫌。子どもが結婚するか子ども持てないかはその子が決める。その夢よりも自分が幸せになることが大事。子どもの幸せを自分の幸せと勘違いしてないですかって言われたこともある。

 

・私の子どもは赤いランドセル嫌がって1週間でやめた。小学校はスカート履かずに野球帽を被ってお兄ちゃんのお古の服を着ていた。お兄ちゃんの友だちと遊んでいた。カミングアウトを受けた時に、「好きになるのは同性」と聞いて、「話してくれてありがとう」と言って。手術したいのではとまず思った。よくよく聞いてみると、性自認というのはあいまいとのこと。

 

・私の父母は70代。10年前ぐらいにカミングアウトして、いろいろあった上で受け入れてくれたので。診断書をぽとっと置いておいて、オペのお金も貯めながら、カミングアウトしてここで縁を切られても仕方がないと思って置手紙で伝えた。ひと悶着あったけど受け入れてくれた。

 

・10年ぐらい活動しているけど、「私はあととりを産んだはずなのに。ここの会で反対してください。」と言う親もいた。当時だいぶきつかったのでは?

→すんなりとはいかなかったけど、伝える前からちらつかせていたし、昔から姉の服を着ていたりしていたので、「やっぱりな」というのがあったみたいです。

 

・職場へのカミングアウトなどはどうでしたか。

→数カ月前に転職した。転職する時には伏せてた。ある程度自分ができるということを見せてから、「実は…」と言って見せて。「名札だけ仮名でさせてください。」と伝えたら、福祉系という会社というのもあって、割と間口が広いので大丈夫だった。

 

・お子さんからカミングアウトされてどうだったかが知りたい。

→けっこう嫌な顔してたので。さっきの最終的には生きててくれたらそれでいいという感じだったので。

 

・大学3年の春休みに「急に帰ってくる」と言って帰ってきて、「母さんあのね…」が何度も繰り返されて。「お風呂行く?」と聞いたら「行く」と言ったので、温泉の寝風呂に入りながらカミングアウトを受けた。言うまで待とうと思っていた。「なんかこの子あるだろうな」というのは思っていて、「あ、そういうことだったのね」と思った。その時に「〇〇は〇〇だよ。ありがとう」と返せた。でも消化酵素がなくて、刷り込みもあったし、結婚どうすればいいんだろう、どうなるんだろうとか、私が他の家族や親戚に伝えないといけないのかなとかいろいろ思った。そうしたら、子どもの方からこの会を紹介してくれて。でも行けたのはその2,3か月後とか。友だちにも夫にも言えなかった。でも友だちに言えた時に、 「逃げても倍返しのようにその問題はあなたの前に立ちふさがるよ。向き合いなさい。」と言われた。その後は本をたくさん読んで100人いれば100通りの性があることや性はグラデーションであることを知った。家族にもし受け入れられなかったら最後。だから死ぬか生きるかのカミングアウトだったんだと思う。

 

・私の子どもは、中3の時、明日履歴書を出さないといけないという状況で「お母さんごめんなさい」と泣いて。「性別に〇ができやん」と言った。男の気持ちがあると。でも、その時「謝らなあかんことじゃない」と言えた。高校は男子生徒として受け入れてくれる学校を探した、県外の大学病院にも毎月通った。胸の手術をしてからは、戸籍変更まではのぞまないということで、戸籍は変えずに生きている。

 

・私の子どもは13歳の時。部屋で仕事をしていると、急に入ってきて。ずっと黙って座って横に座っていて、言いたいことあるのは分かるけど、何もしゃべらないから、「いじめがあった?」とか、あれか?これか?といろいろ聞いて、最後の最後に出たのは、「あんた女の子になりたいの?」だった。そう聞くと「うん」と言った。当たったけどその時はうれしくなくて、それか…と思った。その後は、「マツコさんみたいなタイプ?はるな愛さんタイプ?」と聞いた。そしたら、「はるな愛さん」と言った。でも正直この子のちょっとした思い込みと思いたかった。そこからインターネットで調べたりYoutubeをたくさん見た。1度そういうのを見るとそれに付随して出てくるから、見たくないサイトとかも見てしまった。

→私が病気をした時にすごい落ち込んだ。いろいろ調べたけど、「調べてもだめ」と病院の先生に言われた。1人ひとり違うし、調べてもどれが正しいかもあてはまるかもわからないから見ない方がいいと。だから、性別のことも、薬の名前とかは調べたりはするけど、学校のカウンセリングの先生がここを紹介してもらって、ここで実際に話聞いたり、来てもらっているお医者さんの話を聞いたり、かかっている病院の先生に聞いたり、直接聞くのが大事だと思う。

 

・私は、カミングアウトを受けた時は「自分しっかりしてる。なんて強いの?私すてき」と思った。泣きじゃくっている子どもに「泣かないでいいんだよ」とも言えた。それまでも、この子はゲイなのか、女の子なのか、カテゴリが分からずもやもやしていたところ、そのカミングアウトではっきりした。

 

・今子どもは手術の話で局部の話ばかりする。普通だったら親が聞かないようなことをが一番の重要なところに来ている。そういう会話はどうしてますか。術式のこととか子どもに聞かないですか。

→ちは自分のお金でやってるので口出しする権利もなかったし、本人が勝手に決めたけど、4つぐらい術式があるとかそういう話もはすごくした。全部あからさまにしていた。

→10年前ぐらいは性の話を混同してやらしい話と思っていた風潮がある。私も子どもからカミングアウトを受けてLGBT=やらしいと思っていた自分がやらしいと思うようになった。セックスがからむ商売などと混同していたけど、全く別の問題だと自分の中で区別できた。

→医療用語だったら全然聞けるし話せると思う。

→子どもの手術なのに、これでいいかな、これすてきとか、自分がするかのように調べてる。

→GID学会では、手術が見れるしダイレーションの説明も聞ける。医者から、親に向けての説明も医療者に向けての説明もある。

→外的の手術しなくても戸籍変更ができるらしいとか、でも子宮があるのが嫌やからそれは取りたいとか、自分は戸籍だけもらっても嫌とか、卵子凍結することもできるらしいよとか、自分の遺伝子は残したくないから全部取るとか、そんな会話、意見交換が大事だと思う。

 

・子どもを心配してしまう気持ちは大きいけど、大事なことだけに絞って「これは大事なことだから」と言って1回だけ話をする。その後は「困ったらいつでもサポートできるから」と言ってあとは放っておく、そしたら「お母さん心配してないよ」というのが見せられるから本人も安心する。でも、裏では、仕事のミスはするし交通事故はするしで2年泣き続けてた。朝昼晩晩晩と泣いて、布団で泣いてトイレで泣いてお風呂で泣いた。

→カミングアウトを受けて、食べれているから自分強いと思ってた。でも10kg太って更年期障害もひどくて。実はきてるんだなっていうのを感じて。

 

次回6月3日(月)


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4月葛飾LGBTQ+💛家族の会の報告

2024年05月09日 | Weblog

4月度、2回目の交流会は4月27日(土)に葛飾区にて

今回は、当事者の子を持つ家族の交流会というかたちクローズで開催。                                 参加者は当事者のお子さんを持つ親6名。                                              お子さんの年齢も小学生~成人と様々でした。

今日はご家族の方の会でしたので、セクシャリティに関する色々なテーマ(LGBTの子どもに寄り添うための本、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)・マイクロアグレッション(無自覚な差別的言動)を顕している映画などもご紹介しました。    

 

以下、交流会での話題です。

 

【トランスジェンダーの性の揺らぎについて】

 カミングアウト時に伝えられた性が、数年後に変わった、揺らいだ、と言う例もある。

 性は揺らぐこともあるのだ、ということを知っておいたほうが良い。

 性別違和を感じるタイミングについても、未就学~定年後など、人それぞれ。

 恋愛などの人間関係によって自分のジェンダーアイデンティティが揺れることもある。

 

【Xジェンダーやノンバイナリーについて】

 Xジェンダーやノンバイナリーは、男女どちらにも属さない。

 当事者の中でも、男女どちらに寄っているか、どのような振る舞い・服装を選ぶかなど、感覚がかなり違う。

 トランスジェンダーの中でも理解されにくいこともある。

 だからこそ、その子の感覚を親くらい分かってあげたいと思う。

 

【ホルモン治療やSRS(性別適合手術)について】

 本人の希望でホルモン治療やSRSまでスピーディに進んだ例もあれば、

「体に余計な負担をかけてしまうのではないか心配。」

「本人が希望しているからといって10代で手術まで進んでいいのだろうか。」

「選択した道が間違っているかもしれない。親として、本当に治療を進めて良いのか。

 心から子どもに勧められない。」

 と、親だからこそ心配をする意見も出ました。

まずは、安易に診断を出して治療を進めてしまう病院より、しっかり子どもの話を聞いてくれるお医者さんを探すことも大切。先生によっては18歳までは治療は待ちましょうという人もいる。

 ただ、その子一人ひとり望んでいることで対応は変わってくる。

 トランスジェンダーでも自分の体にそこまで違和感なく過ごせる子もいれば、思春期以降の体の変化で自分の体に対して強烈に違和感を持ち、自殺念慮を持つ子もいる。

 そのような命の危険がある場合は、リスクも理解した上で治療のスピード感についても考えていかなければならない。

 また、なるべく多くの当事者の人と会う、知ることが必要。

 本人の意思が一番だけれども、親こそ情報を取ってよく話し合っていくべきと思う。

 

【学校への伝え方について】

 ニュースでもLGBTQ+について目にすることが増え、世の中の理解が深まっているのかと思うが、学校生活では本人が辛い思いをすることも沢山ある。また、学校でそのような問題に具体的に取り組んでいることは少ない。

 先生たちにどのように我が子の困りごとや学校への要望を伝えれば良いか?

 言い方に気を付けて伝えたいけれど、しっかり理解してほしいところもあるし、

 モンスターペアレントとも思われたくない…。

 

「私の場合は、まず、"子供がこういう風に言っています"と伝えるようにした。

  子どもを主語にして言って、子供がこれで困っているんです。と伝えた。

  「名前のタグがピンクなのが辛い」

  「移動教室の時になんで男女で分かれなくてはいけないんだ」と言っているなど、

  一つ一つ伝えていくようにした。

  先生が、子どもたちのためにLGBTQ+に関する授業をします、と言ってくださったこともあった   けれど、"誰かのために理解する、ではなく、まずは先生たちに一般的な知識を入れて欲しい" と伝   えた。都度、先生との歩幅を合わせて少しずつ伝えるようにした。」

 

【子どものカミングアウトについてどう思ったか】

 親の会に初めて参加された親御さんからは、親からの気持ちについても質問がありました。

 「今回初めてこのような会に参加し、自分が想像していたより子供のカミングアウトについてポジティブに捉えている親御さんばかりで驚いた。皆さんはどういう気持ちで子どものカミングアウトを受け止めたのか?

 すぐに肯定的に受け入れられたのか?」

「その時々で、本人が良ければそれでいいと思って過ごしてきた。」

 「そもそも、小さいころから子どもを男女として考えていない。」

 「未就学児の時に違和を訴えたので、驚いたが、違和感なく受け入れられた。

  ただ、二次成長以降のお子さんからカミングアウトを受けた親は衝撃を受けてしまう人もいるのではないかと私自身は思った。」

 「"君が君なら、男でも女でもその他でも何でもいいんだよ"と声をかけた。」

 

 

最後に、こんなシェアもありました。

電車に乗っているときにこんな広告を見た。

「分からないから、世界は楽しい。

 新しい世界を前にした時、あなたはワクワクしていますか?」

とあった。

私自身は子どもからカミングアウトを受けたのは子どもが成人してからで、子育てもひと段落ついたと思っていた頃だったので衝撃を受けた。

今のようにLGBTQ+についての情報もない頃で、何それ!?と戸惑った。

でも、心のどこかで自分の知らない新しい世界を知ったようなワクワク感もあった。

子どものおかげで、私は新しい世界を知ることができた。

本当に、新しいことを学ぶきっかけをくれた子どもに感謝している。

                        (軽井沢高原協会のメッセージ広告でした)🍀

    


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