今回(3月23日)の神戸ミーティングでは、9名の方々にご参加いただきました。
初参加の方は2名で、お2人ともトランスジェンダー当事者のお子様を持つお母さまが
いらっしゃいました。
お2人共通の悩みとして、当事者ご本人も含めて年齢的にも思春期にある事、また、
小学校→中学校→高校と進学するにつれて、学校の環境が激変する事にどう対応したら
よいかとの事でした。
また、登校時の服装についても、お話があり、トランス女性の生徒さんの場合は、
最近ではスラックスを選べる様になり、シス女性(出生時の性別と自分の認識して
いる性別が一致している女性)の生徒さんもスラックスを選ぶ人も多くいる事、
男子でもスカートが選べる様になり、少しずつではありますが、実際に選ぶ生徒
さんも居るとの報告もありました。
また、制服は男子のままでも良いが、キャミソール等の女性用の下着の着用だけでも
精神的に安定する当事者も居るとの報告もありましたので、より柔軟な対応により、
もっと安心して学校生活が送れる環境づくりを継続的に進めて行く事の重要性を再認識
しました。
また、今回は東海拠点の理事も参加され、三重県いなべ市で推進しているLGBTQの
施策についても紹介がありました。
学校現場においても、当事者の生徒さんが居る事が、新たな「出会い学習」のチャンス
となり、セクシュアリティの問題は決して他人事ではなく自分事として考え、決して
誰も間違えてはいないと言う事をベースに「素自(そじ)」と言う活動をされています。
これは「SOGI(Sexual Orientation and Gender Identity):性的指向と性自認」を漢字で
表現したもので「素の自分」「ありのままの自分」、恋愛対象が異性でも同性でも
自身の心が男性でも女性であっても良いし、そんな男女別の枠組みに属さなくても
良い。LGBTQだけでなく、障がいの有無や社会的な属性に関係なく、ありのままの
自分で、みんなで一緒に共に歩んでいこうと言うものです。
(詳細はトップページのお知らせを参照ください。)
他にも「カミングアウト4か条」についても紹介がありました。
当事者から家族にカミングアウトされた時に必要な4つの留意事項を以下の通り
挙げています。
1.「一人で怖かったね。」と共感的に答える。
2.「誰も悪くない」と否定しない姿勢を取る。
3.「困っている事は何?2人で考えよう。」と抱え込ませない。
4.「2人だけの秘密にする?」と無断で第3者への相談(アウティング)は避ける。
今回も大人の当事者の方も参加されており、決してこれは親子間だけではなく、
大人の家族や職場などの人間関係においても応用可能だと思います。
ミーティング後半では、先日アンケート調査に協力したNHK広島放送局からの
ローカルニュース特集番組がDVDで送られてきていましたので参加者で鑑賞しました。
広島県でのトランス女性の中学生を中心に家族の方や地域の当事者サークルの紹介、
地元の大学教授等の専門家による解説が25分間で解りやすく紹介されており、大都市圏
だけでなく、主要な県庁所在地や地方都市圏でも着々と環境整備が整えられている事を
再認識しました。
当日は広島G7サミットが最終日を迎え、今後、LGBT理解増進法がどの様に審議されて
いくのか?気になる所も多いですが、これを契機に全国レベルでのより良い環境整備が
実施される事を期待したいと思います。