LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

PFLAGからウェルカム・レターが届きました!

2012年10月30日 | Weblog

☆今日はみなさんにうれしいお知らせがあります。
アメリカのPFLAG(アメリカにある親や友人の会)よりウェルカム・レターが届きました。これは、アメリカのウィスコンシン州マディソンPFLAGのメンバーである吉永世子さんが繋いでくださり、実現したものです。日本語訳も送ってくださいました。
HPの「応援メッセージ」にも掲載しました。PFLAGのレターヘッドが付いた正式な英文のウェルカム・レターがPDFでご覧になれます。

PFLAGは40年前に設立されていますが、「当時は発起人の誰しも、アメリカ社会でここまでやれるとは想像すらできませんでした・・・」と書かれています。私たち「つなぐ会」もこのように言える日が来るように、粘り強く頑張りたいと思います。

どこの国にも同じ思いの親がいることは本当に心強いことです。“最後の人権問題”とも言われるこのLGBTの問題が、国や地域・時代を超えて人間の存在そのものに関わる大切な問題であることを感じます。

世界にはLGBTであるというだけで生命の危機に脅かされる国もあります。日本だけでなく世界中が手をつなぎ、力を合わせて声を上げていくことが必要ですね。

アメリカからの応援のメッセージ!どうぞお読みください。

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LGBTの家族と友人をつなぐ会」の皆さまへ

「PFLAG家族」にようこそおいで下さいました!日本には、神戸本部をはじめ3か所に「つなぐ会」が設立されたと伺い、大変うれしく思います。おかげで、日本国内の居住者はもちろん、米国やその他の国に住み、PFLAGに似た支援グループを探しているLGBTの家族や友人が、強力な支えを得られることでしょう。

国によって抱える問題は様々で、必要とされる支援も各々違うと思います。日本では、LGBTの大半がカムアウトしないことを選び、その結果、自分の性指向を隠して、望まない不幸な結婚生活を続けていると聞きました。社会を変えて行くには長い時間がかかります。でもいつか必ず、LGBTの人々が躊躇うことなくカムアウトして、好きな人と結婚し、一緒に住める日が来るでしょう。その日が遠くないことを願ってやみません。

PFLAGは40年前に発足しましたが、当時は発起人の誰しも、アメリカ社会でここまでやれるとは想像すらできませんでした。今日では、同性婚を法律的に認める州が増えており、この「婚姻の平等性」を全ての州で実現することが目標のひとつです。多くの教育機関が私たちの要請に応じて、LGBTの生徒に対する苛め撲滅に尽力しています。

PFLAGはまた、各地の市民や共同体を教育して、性指向に関わりなく全ての人間を尊重するよう働きかけ、LGBTに対する偏見をなくすために法律を変えて来ました。これまでの成功に力を得て、私たちはより一層、差別社会に対処するための「支え」、間違った情報を正すための「教育」、差別をなくし、異性愛者と同等の市民権を獲得するための「政策提言・権利擁護活動」に力を注ぎ、私たちが学んだことを、日本を含む世界の国々に伝える努力を続けて来たのです。

私たちのこれまでの活動の進展状況は、PFLAGのサイトおよびFacebookやTwitterをご覧下さればわかります。日本の「つなぐ会」もできる限り応援しますから、私たちで役に立てることがあればどうぞ連絡して下さい。

最後に心から「つなぐ会」の成功を祈ります。米国で、日本で、世界の各地で、手をつなぎ腕を組んで、LGBTが市民権を得る勝利の日まで共に歩んで参りましょう。あらためて、世界の「PFLAG家族」にようこそいらっしゃいました!        

敬具

David Horowitz
PFLAG理事長

Jody M. Huckaby
専務理事

(訳:吉永世子さん)



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第52回神戸ミーティングのご報告

2012年10月28日 | ミーティング
10月14日(日)第52回神戸ミーティング(あすてっぷKOBE登録グループ企画・発信DAY講演会)は、岡山大学教授の中塚幹也先生をゲストにお迎えして、「性同一性障害について学ぶ”医療の現状と支援の課題”」というテーマでお話いただきました。参加者は30名、初参加の方は9名でした。

まずセックス=生物学的性とジェンダー=社会的性の違いをお話いただき、前者は医者が診断できるのに対し、後者は診断ができにくいと。そんな中で当事者が性自己認識(性自認)=ジェンダー・アイデンティティに違和を感じ始めるのは小学校入学以前がなんと56,6%、自分の言葉で自分を語ることも難しい時期からなのですね。そして中学生までが89,6%とのことでした。つまり、当事者の子どもたちにとって学校生活の過ごし方が大きな問題となっており、中でも特に日本特有の問題としてあげられるのが「制服」ということでした。想像できますね・・・なんとかしなければなりません。

他にもさまざまなデータから見えることをお話しいただきましたが、不登校になる人は29%で、そのピークは中学校が37,3%、また自殺念慮を持つ人は68.7%で、そのピークは中学生が37%と大学生及び社会人が33,3%と二つあり、やはり一つは思春期と、もう一つは思春期をなんとか過ごしても仕事や恋愛・結婚の時期を迎えたときに再び大きな悩みの時期が来るということでした。

また年代別に見ると、2007年の性同一性障害特例法の制定を機に自殺未遂や不登校は一旦減るのですが、自殺念慮は再び上昇しているとのこと。2007年末のリーマンショックやサブプライムローンによる不況が、当事者の労働に影響を及ぼしているのかもしれないということでした。

先生は自殺予防総合対策センターの大綱の改定時に、ジェンダーやセクシュアル・マイノリティの視点でも自殺を考え、対応するように要望を出してくださったとのこと。その結果、改定後は「性的マイノリティ等」という言葉が入ったそうです。

他にも、特例法制定に至るまで、またその後の動きについてもいろいろとお話いただきました。今回は「性同一性障害」に焦点を絞っての講演会でしたが、自殺念慮の高さや、悩みの時期など、やはりLGBTに共通することも多くあり、日本が同性婚を認めていないことが特例法に大きな影響を与えていることも理解できました。また何よりも学校の対策が大切であること、そして企業への教育も欠かせないことも共通の課題として再認識できました。

後半は時間が延長するほどさまざまな質問が出ましたが、FTMとMTFの抱える課題の違いや、またみんなが手術を望むわけではなく、FTXやMTXという人たちも特例法の狭間に存在することなど、一人一人が生きやすい社会を創るためには、「性」に対する考え方を根本から変えていかなければならないことがよくわかりました。「性」について学ぶ場は、学校や企業だけでなく、市民にも提供されていく必要がありますね。保守的な考えに囚われている政治家にも!!

つなぐ会も、そんな場を少しでも多く提供できるように頑張らなくては!と今後の決意(笑)を新たにした次第でした!!


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我が子に導かれて

2012年10月24日 | Weblog

10/6 久留米女性週間記念事業「くるめフォーラム2012」において「性的マイノリティのあなたとともに」のテーマでのパネルディスカッションに出席させて頂きました。
主催は今年の5月に発足した 同性愛や心と体の性が一致しないトランスジェンダーなどセクシャルマイノリティの子どもを支援するグループ 「FRENS(フレンズ)」です。
トランスジェンダーである我が子をそばでみていた母親である私に出席して欲しい!と声をかけて頂きました。
こんな私でも何か役にたてるのならとお受けしました。
その他に当事者の生徒を支援されていた元定時制高校教員の方とチャイルドライン代表者が参加され それぞれの違う立場からの当事者との関わりを参加してくださった50人余りの方々の前で発表させていだだきました。
中には涙ながらに話を聞かれ 早速つなぐ会に関心を持ってくださった方もいらっしゃいました。
昨年4月に我が子から「ホルモン注射を打ちたい。自分は男性だ!」とカミングアウトされ何をどうしたらいいのかわからなかった私が このつなぐ会の存在を知り 福岡在住のお一人の会員の方に会わせて頂き 私の固定観念が、ガタガタと崩れました。
今ではその会員の方と一緒につなぐ会in福岡の活動をつくっています。。
ほんの1年足らずでわたしたち親子は大きく成長できたような気がします。
「ありがとうございます。」そしてこの和を大きく広げていければと強く願っています。
以上
〓 上田 明美〓

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米国総領事公邸での「人権問題について考える会」に参加

2012年10月20日 | Weblog
☆9月23日(日)、西宮にある大阪・神戸米国総領事公邸で行われた「人権問題について考える会」に理事3人が参加させていただきました。

100人前後の参加者だったでしょうか、アクティビストの方々を始め、政治家、教員などさまざまな立場の方が来られていたようです。立食パーティーに先立って、宝塚大学の日高康晴さんが調査から見える日本のLGBTのおかれている現状についてお話してくださいました。その後、主催者のパトリック・J・リネハン総領事とパートナーのエマーソン・カネグスケさんから「It Gets Better Project」に送られたメッセージが紹介されました。

このプロジェクトは・・・
『It Gets Better(イット・ゲッツ・ベター)はアメリカの作家・メディア評論家のDan Savageが2010年9月に立ち上げたオンラインビデオチャンネル。ゲイであることを理由にイジメを受けたり、ゲイではないかと同級生に疑われた末に自殺をする十代の青少年が相次いだことを受けて作られた』(ウィキペディアより)
詳しくはhttp://ja.wikipedia.org/wiki/It_Gets_Better_Project で!!

これまでYou Tubeで見られたメッセージは英語だったのですが、お二人は日本語でもメッセージを寄せてくださいました。とてもうれしかったです!
日本の若いLGBT当事者のみなさんへの大きな励ましのメッセージです!下記のサイトで、どうぞご覧ください!!

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「必ずよくなるから: パトリック・リネハン(駐大阪・神戸アメリカ総領事)
パトリック・リネハン総領事と夫のエマーソン・カネグスケ氏から、学校でいじめられている・いじめられていると感じているすべてのみなさんにメッセージがあります。 必ず、よくなります。」
http://youtu.be/lphfq-XcBKE?hd=1

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☆今日は同時に次のサイトもご紹介します。
米国大使館のサイトを開いて「LGBT」と入れると読むことができる、オバマ大統領とクリントン国務長官のLGBTに関するスピーチです。新聞でも一部読むことができましたが、是非とも全文をお読みください。アメリカ、国連、そして世界の動きがわかります。励まされます!!

ここではその中から新しいものを二つ、PC環境のない方のために下記に転載してご紹介いたします。長いですが、お時間のあるときにお読みください。大使館のサイトでは他にも読むことができます。


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2012年LGBTプライド月間に関する大統領宣言

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

ホワイトハウス報道官室
2012年6月1日
 何世代にもわたり、ごく普通の米国民が、一部の人々のためではなく、全ての人々にとっての自由、公平、法の下での完全な平等を目指し、誇り高く、厳しい道のりを歩んできた。そうした米国の遺産を築いたのは、変化を求めて団結し、闘い、主張した人々、憎しみよりも強い愛や、侮辱よりも大きな力を持つ希望を用いた人々、誰ひとりとして二流市民扱いされたり、基本的人権を奪われることなく、全ての人々が自らの判断で自由に生き、愛することができる国家の建設を目指し、自分や家族のために闘った人々である。
 この真のアメリカン・ストーリーに、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー(LGBT)の社会が、誇りある1章を書き加えた。LGBTであることを明らかにし、堂々と自らを主張した勇気ある人々をはじめ、平等の下に集結した労働組合や宗教組織の指導者たち、また不当な法律に反対しワシントンでのデモ行進に参加した活動家や支持者など、LGBTの米国民とその協力者たちは、かつては想像さえできなかったことを成し遂げた。今月、私たちは、彼らが残した不朽の遺産に思いをはせ、これまでの進歩を可能にした運動をたたえ、全ての米国民に対し自由がもたらす最大限の恩恵を確保することをあらためて約束する。
 私が大統領に就任して以来、オバマ政権はLGBTの人々や社会にとっての機会の拡大、平等の促進、公平な環境の整備に取り組んできた。また憎悪犯罪の禁止を同性愛者などにも拡大する「マシュー・シェパード、ジェームズ・バード・ジュニア・ヘイトクライム防止法」の下で、全ての人々に公平を確保するために闘い、性的指向や自己の性別認識に基づく住宅入居差別をなくす対策を講じてきた。LGBTの患者とその愛する人たちのために病院での面会権を拡大し、医療費負担適正化法の下、保険会社がLGBTであるということだけを理由に補償を拒否できないようにした。LGBTの権利は人権であることを理解するからこそ、私たちは世界中のLGBTの人々の権利の推進と保護のために国際社会との協力を続ける。「Don’t Ask, Don’t Tell」(米軍当局は兵士に同性愛者であるかを尋ねてはならず、同性愛者の兵士は同性愛であることを公言しない限り解雇されない)政策が撤回されたからこそ、LGBTの米国民は堂々と、正直に、そして誰を愛するかを理由に職を失う恐れなく、国のために尽くすことができる。そして他者を遇する時には自分がそうしてほしいと望むように処遇しなければならないからこそ、私は個人的に、結婚について同性カップルを平等に扱うことが正当であると信じている。
 性的指向や自己の性別認識にかかわらず、米国民一人一人が平等な扱いを受けられるようになるまでには、さらに多くの課題が残されている。オバマ政権は将来に向け、LGBTの米国民の権利を向上させる取り組みを継続する。今月は、これまでの道のりを振り返り、今後の行く末を展望して、これまでの前進がごく普通の米国民の言葉や行動の上に築かれてきたことを思い起こそう。先人たちや、今日その仕事を受け継いでいる人々に敬意を表し、全ての人が平等であり、全ての人に幸福を追求し、何も隠すことなく自由に生きる無限の機会が与えられる国を追求するという、終わりのない仕事への取り組みを新たにしよう。
 私、米国大統領バラク・オバマは、米国の憲法および法律によって私に与えられた権限により、2012年6月を「レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー・プライド月間」と宣言する。米国民に対し、偏見をなくし、米国民の偉大なる多様性をたたえることを求める。
 その証しとして、2012年6月1日、ここに署名する。
バラク・オバマ


LGBTプライド月間を記念するクリントン国務長官の演説(抜粋)

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

2011年6月27日
 どうもありがとうございます。(中略)
 この賞(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー=LGBT=の平等な扱いを推進する活動へのクリントン長官の貢献に対し贈られた賞)は活動を継続する励みになります。全ての人々が当然受けるべき敬意、尊厳、平等な扱いが実現された世界までの道のりは、まだ遠いからです。それと同じように、私たちが前進を続ける原動力となるのではないかと考える過去1年の出来事についていくつかお話ししたいと思います。なぜならそれは、米国を代表する立場にある外交官やその他の職員の忍耐力と創造力についての話だからです。
 皆さんの多くがご存知のように、ホンジュラスでは2009年と2010年にゲイの人々への暴力が大幅に増加しました。30人以上のLGBTが殺されましたが、こうした犯罪の捜査には全く進展がないように思われました。そこで米国大使館のチームが乗り出し、ホンジュラス政府に対し殺人事件の解決、犯人に対する裁判、同国民を危害から守る取り組みの強化を公に求めました。間もなくホンジュラス政府は、ヘイトクライム(人種や性的指向への偏見に基づく犯罪)の捜査と防止に向けたタスクフォースの設置を発表しました。この取り組みを支援するために米国大使館が手配した米国の検察官および捜査官の協力を得て、事態は進展しています。とりわけ、この問題で指導力を発揮し、貢献してくれたバレンズエラ次官補に感謝します。
 スロバキアでは昨年、同国で初めて開催されたLGBTプライドパレードが暴力的な結果に終わりました。そのため今年は、米国大使館員が時間外勤務をしてパレードの成功に貢献しました。20を超える在スロバキア公館の代表者から、パレードを支持する公式声明への署名を集めました。またLGBTの権利について、互いの意見を尊重する建設的な討論会を開催しました。パレード当日は、米国大使がブラチスラバ市長の隣で行進し、連帯感を示しました。
 それから、ローマの米国大使館チームが取り組んできた仕事があります。2週間前、ユーロプライド(ヨーロッパで毎年開催されるLGBTのためのイベント)のコンサート出演のためにレディ・ガガをイタリアに招くに当たり、大使館チームが大きな役割を果たしました。皆さんの多くがご存知のようにレディ・ガガはイタリア系米国人で、LGBTの権利を強く支持しています。ユーロプライドのコンサートの主催者はレディ・ガガの出演を切望していました。ソーン駐イタリア米国大使がレディ・ガガに送った書簡が功を奏し、彼女の出演が決まりました。平等と正義を支持する力強いメッセージが発信されたこのイベントには、100万人を超える聴衆が参加しました。
 米国の外交官はまた、政府の国民への対応の仕方についての合意を強化するため、地域機関や国際機関で大変素晴らしい働きをしてきました。私たちは一貫したメッセージを発信し続け、優先事項の1つとしてきました。それは、性的指向や性の自己意識にかかわらず、全ての人々の権利と尊厳は守られなければならないというメッセージです。
 3月にオバマ大統領とブラジルのルセフ大統領は、米州人権委員会におけるLGBTの権利担当の特別報告官の創設を共に支持すると発表しました。これは国務省西半球局と米州機構米国政府代表部のおかげです。
 同じく3月、米国はジュネーブの国連人権理事会において、性的指向や性の自己意識を要因とする暴力と刑事処罰の廃止に関する声明を支持する署名を他国から得るという重要な取り組みで主導的役割を果たしました。最終的に声明には85カ国が署名し、それまでに最も多くの署名を得たLGBTの権利に関する国連の声明に署名した国の数を18カ国上回りました。
 人権理事会のその次の会期では、ジュネーブ駐在の米国の外交官、および国務省の国際機関局、民主主義・人権・労働局、ヨーロッパ・ユーラシア局、西半球局などの局を代表するチームが強く推進した結果、(この演説の)ちょうど2週間前、世界中のLGBTの人権を認める初の国連決議が可決されました。特に意義深かったのは、その決議が南アフリカと米国との共同提案だった点です。この決議により、LGBTの人々は人権保護の適用外であるという憎むべき考え方に異議を唱える米国の取り組みは大きく前進し、米国およびその外交政策と価値観に関する限り、ゲイの人々の権利は人権であり、人権はゲイの人々の権利であるということをはっきり示しました。
 
 前進を促すのは、国連人権理事会の決議のような重大な成果だけではありません。世界各国の米国大使館や米国国際開発庁の在外事務所による、LGBTの権利に影響する問題への関与を深めるための日々の活動、特にLGBTが暴力、差別、刑事処罰を受ける危険にさらされているような場所での活動も前進を促します。例えば、現在アフリカ訪問中のジョニー・カーソン次官補(アフリカ担当)はアフリカの指導者たちに定期的に懸案事項を提起しており、駐バルバドス米国大使はLGBTの権利を支持するコラムを寄稿しました。国務省のエリック・シュワルツ次官補(人口・難民・移民担当)はLGBT難民と亡命者の保護と支援の強化に向けた人道活動家の訓練を主導していますし、ノルウェーとの初の「地球規模の問題に関する対話」では、マリア・オテロ次官がLGBTの人権に関する議論を主導しました。
 ウガンダ、マラウイ、ロシア、トルコ、中国など世界中の数多くの国々で(LGBTの権利の)提唱者と接触する活動を続けている米国の外交官や開発専門家を全て称賛したいと思います。私たちの仲間は人権活動家、保健当局、青少年問題活動家、性風俗産業の従業員など、LGBTの権利と生命の保護に関わり、取り組むさまざまな人々と会っています。これこそが草の根外交のあるべき姿です。
 このような前進は全て称賛に値しますが、今後どれほど多くの仕事が待ち受けているかも忘れてはいけません。現実に目を向けてください。LGBTの人々は今も多くの国々で、公然の、あるいは人の目に付かない形での脅し、嫌がらせ、性的暴力を含む暴力に耐え続けています。自分らしくあろうとすると迫害されるため、家や国を逃れて亡命する状況が続いています。パレードなどのLGBTプライドの活動を通じ一般の人々の支持を得ようすれば、依然として攻撃の標的になります。これまでずっと長く考えてきたこと、すなわち人々を説得して、個人的な経験を、特に家族内で隠さず話してもらえるようになれば、それが対話を変化させる発端になるということが現実になりつつあります。
 ここにいる全員がニューヨーク州議会での議論を注意深く見守っていたと思いますが、土壇場で意見を変えた票のうち1票はバッファロー地区選出の共和党上院議員が投じたものでした。自分の選挙区の有権者のあるグループが別のグループの有権者とは異なるとみなすことは、もはや公正ではないと納得したからでした。上院議員たちは立ち上がり、めいやおい、孫など自分が愛する人たちについて語りました。そして愛する者たちが物のように扱われたり、差別されてほしくないと考えました。上院議員たちは自分の個人的なつながりや関係から始まり、他人のめいやおいや孫について、そしてその家族がどう感じるかを考えるようになりました。
 私たちは今後もLGBTの権利と幸福のために闘い続ける必要があります。長期にわたる運動のさなかには、先を見るのが難しいこともあります。しかし私は常に、私たちは平等と正義を守る立場にあるので前進できると信じてきました。多くの場所で人々の生活は向上していますし、私たちの取り組みによりこれからも向上し続けるでしょう。ここにいる皆さんにお願いします。この運動の最前線に立ち、大いなる勇気と立ち上がる力を持って自分自身と大切に思う人たちを守ろうとしている人々を支援する方法を探してください。これは史上最も切迫した重要な人権の闘いの1つです。簡単ではありませんが、大変やり甲斐があります。
 プライド月間は感謝し、喜び、そしてもちろん自分自身、家族や友人、同僚、そして自分が属する社会を誇らしく思う時です。国務省には誇りにするものが多数あります。米国国際開発庁や平和部隊など、ここに代表者が出席している他の全ての外交関連機関も同様です。なぜならこうした機関には非常に多くの才能豊かな人たちが働いていますし、誠実さと勇気と高い技能を持って国に尽くしている多くのLGBTの人たちがいるからです。遠からず米軍でも同じことが言えるようになるでしょう。
 過去1~2年の間の驚くべき成果を考えてみてください。それはLGBTの権利のために闘ってきた人々や犠牲を払ってきた人々の成果であり、大部分はわが国の成果です。なぜならそうした成果を上げるために中心的な役割を果たしたのが、この国と私たちの価値観だからです。
 ここにいる全ての皆さんに感謝します。米国は皆さんを誇りに思っており、私は国務長官として、毎日皆さんと共に働き、務めを果たすことを誇らしく思います。しかし私たちが共に誇りを持てるこの瞬間にも、恐怖におびえ、恥ずかしい思いをし、非常に困難な状況で暮らしている人が世界中に多数いることを決して忘れないでください。そのような人たちが、ここにいる全ての皆さんや多くの米国人が享受しているのと同じ機会に恵まれるようになるまで、つまり自分らしく生きることを認められ、ふさわしい敬意を払われるようになるまで、私たちは活動を続けなければなりません。



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