☆晴子さんからのエッセイです。
3か月の試用期間を終え、常勤になられたとのこと。いろいろなことを乗り越えて、経験を積んでおられるのですね。男性職員からの励まし、また「女性は仲良しだといい半面、不仲だと面倒・・」というところなど、どこの職場でもありがちなことではありますが、FTM女性として生きておられる晴子さんのお話にはなぜか新鮮な響きを感じます。
またMTF女性としてこれからも生き続けたいという思いから、「女性と貧困」というテーマについても、講演会へ参加されるなどして向き合っておられます。キャリアを積むことがままならないという現在の労働環境・・・問題はたくさんありますね。
それでもどこまでも真剣に頑張っておられる晴子さんです。
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☆晴子から伝えたいこと(パート17)
この8月から私は、二つ目のグループホーム(認知症高齢者共同生活介護)の職場にて、常勤として勤務開始してから3ヶ月間の試用期間中に、正直言って辞めたくなったこともありました。
第一の理由は、女性職員同士での上下関係がきついことに戸惑いがあったためです。女性同士は仲良しだと何よりだと思える半面、不仲だと面倒で仕方ないと痛感しました。
第二の理由は、私の仕事上の失敗が原因で経営トップの方から冷たくされたことがあったためです。でも私の心境がそんな状態の時に、私は現場管理者(男性)の方から仕事上の失敗について注意を受けながらも、その一方で介護業務に初心者の私のことを懸命に働いているとの励ましを受けることがありました。その彼は雇用者(経営者)の立場ではなく、あくまでも現場管理者の立場として、入社前に私が1日介護現場体験した後にMtF女性の私を採用決定して下さった方でしたので、私は冷静になって職場を辞めることを思い留めることができました。そして私は勤続しようと思えるようになり、試用期間をどうにか乗り越えられました。少しほっとした面もありますが、介護職において1人前はおろか半人前にすらなっていない私には、これからもまだまだ訓練期間が続くと思って取り組んで行きたいですね。
ところで、試用期間を過ぎて11月に入り、MtF女性の私は「女性の貧困」に関わる問題の一つといえる「女性労働の実態」についての講演会に参加してきました。
これに参加したくなったのは、私はMtF女性として何らかの都合が悪くなった理由で一般的な男性として生きることに逃げたくないとの想いがあるからこそ、また有りのままのMtF女性として生き続けていたいからこそ、私には真正面から目を向ける必要あると感じたためです。以下のような内容でした。
1990年代頃までは、大別して男性は基幹職・総合職,女性は単純労働・一般職・補助職という男女労働者の相互補強関係が成り立っていたため、“男は仕事・女は家庭”といえる裏返しでもありました。しかし1998年以降、この相互補強モデルの崩壊が始まり、女性からみて男性の収入には頼れなくなり、女性の経済的自立の不可欠化が生じてきました。それにも関わらず、旧モデル下の女性労働の枠組みは温存されたままなので、女性労働者の貧困問題が顕在化してきたのです。
以上の話について私が思えたことは、昔に比べて正規雇用(正社員)が減る一方で、非正規雇用(パート・派遣・アルバイト)が増えてきていることとリンクしているのではないのかということでした。これを更に突き詰めると、熟練労働が減る一方で単調労働が増えたこととも裏返しではないのかと私は理解しました。キャリアを積むことがままならなくなってきている労働の風潮ではないのかと、私には思わずにはいられませんでした。
そのような風潮の中にあっても、いわゆる女性の職業といえる介護職は自ずと長年のキャリアを積む必要性があり、私も介護職に就けたことをよかったと思うことができました。
3か月の試用期間を終え、常勤になられたとのこと。いろいろなことを乗り越えて、経験を積んでおられるのですね。男性職員からの励まし、また「女性は仲良しだといい半面、不仲だと面倒・・」というところなど、どこの職場でもありがちなことではありますが、FTM女性として生きておられる晴子さんのお話にはなぜか新鮮な響きを感じます。
またMTF女性としてこれからも生き続けたいという思いから、「女性と貧困」というテーマについても、講演会へ参加されるなどして向き合っておられます。キャリアを積むことがままならないという現在の労働環境・・・問題はたくさんありますね。
それでもどこまでも真剣に頑張っておられる晴子さんです。
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☆晴子から伝えたいこと(パート17)
この8月から私は、二つ目のグループホーム(認知症高齢者共同生活介護)の職場にて、常勤として勤務開始してから3ヶ月間の試用期間中に、正直言って辞めたくなったこともありました。
第一の理由は、女性職員同士での上下関係がきついことに戸惑いがあったためです。女性同士は仲良しだと何よりだと思える半面、不仲だと面倒で仕方ないと痛感しました。
第二の理由は、私の仕事上の失敗が原因で経営トップの方から冷たくされたことがあったためです。でも私の心境がそんな状態の時に、私は現場管理者(男性)の方から仕事上の失敗について注意を受けながらも、その一方で介護業務に初心者の私のことを懸命に働いているとの励ましを受けることがありました。その彼は雇用者(経営者)の立場ではなく、あくまでも現場管理者の立場として、入社前に私が1日介護現場体験した後にMtF女性の私を採用決定して下さった方でしたので、私は冷静になって職場を辞めることを思い留めることができました。そして私は勤続しようと思えるようになり、試用期間をどうにか乗り越えられました。少しほっとした面もありますが、介護職において1人前はおろか半人前にすらなっていない私には、これからもまだまだ訓練期間が続くと思って取り組んで行きたいですね。
ところで、試用期間を過ぎて11月に入り、MtF女性の私は「女性の貧困」に関わる問題の一つといえる「女性労働の実態」についての講演会に参加してきました。
これに参加したくなったのは、私はMtF女性として何らかの都合が悪くなった理由で一般的な男性として生きることに逃げたくないとの想いがあるからこそ、また有りのままのMtF女性として生き続けていたいからこそ、私には真正面から目を向ける必要あると感じたためです。以下のような内容でした。
1990年代頃までは、大別して男性は基幹職・総合職,女性は単純労働・一般職・補助職という男女労働者の相互補強関係が成り立っていたため、“男は仕事・女は家庭”といえる裏返しでもありました。しかし1998年以降、この相互補強モデルの崩壊が始まり、女性からみて男性の収入には頼れなくなり、女性の経済的自立の不可欠化が生じてきました。それにも関わらず、旧モデル下の女性労働の枠組みは温存されたままなので、女性労働者の貧困問題が顕在化してきたのです。
以上の話について私が思えたことは、昔に比べて正規雇用(正社員)が減る一方で、非正規雇用(パート・派遣・アルバイト)が増えてきていることとリンクしているのではないのかということでした。これを更に突き詰めると、熟練労働が減る一方で単調労働が増えたこととも裏返しではないのかと私は理解しました。キャリアを積むことがままならなくなってきている労働の風潮ではないのかと、私には思わずにはいられませんでした。
そのような風潮の中にあっても、いわゆる女性の職業といえる介護職は自ずと長年のキャリアを積む必要性があり、私も介護職に就けたことをよかったと思うことができました。