LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

I'll shine with you (ともだち)

2006年12月21日 | Weblog
今日はとても素適な歌をご紹介します。これは神戸のNPO法人 性感染症予防啓発ボランティアBASE KOBE のサイトで紹介されている歌で、作詞・作曲は島根県益田市立高津中学校のAID’S バンドの皆さんとのこと。中学生なんですね。BASE KOBE代表の繁内幸冶さんは「修学旅行時エイズ出前授業」という企画を実施されていて、この中学校の子どもたちは京都に修学旅行に来た折に宿で繁内さんのお話を聞いて感動し、この歌を作ったそうです。(BASE KOBEのサイトhttp://www.basekobe.net/ にいけば子どもたちの歌声も聴くことができます。)繁内さんの企画も素晴らしいですが、それに応えた子どもたちの心に感動しました。ここではその歌詞と、そのあとに繁内さんのお話も掲載させていただきました。問題だらけの今の学校教育に一筋の光を見たような気がします。是非お読み下さい。


  I’ll shine with you (ともだち)


ぼくらは 何も知らないままに
いつも 誰かを 傷つけている
分かり合いたいと思う気持ちがあれば

We are friendly We are friendly
 
誰かが 一人で 全てを抱えこまないように
ぼくらが 手を さしのべよう

命のカケラを誰もが 一つずつ 持っているから
明日のために できることを いっしょに考えよう


君が 悲しみの中に いるなら
その声を 今すぐ ぼくに聞かせて
君の暗闇を 照らす 光になりたい

I’ll shine for you I’ll shine with you

君が ひとりで 涙をこぼさないように
ぼくが いつも そばにいよう

ぼくらの手の中に未来が 一つずつ確かにあるから
ひとりじゃないと 信じて いっしょに歩いていこう

命のカケラを誰もが 一つずつ 持っているから
明日のために できることを いっしょに考えよう

作詩 、作曲   島根県益田市立高津中学校 AID’Sバンドの皆さん




           島根県益田市立高津中学の取り組み
                                     
同校は、平成16年度から、私どものオリジナルプログラムである「修学旅行時エイズ出前授業」で2年連続でお話をさせて頂きました。平成18年度は、お声掛けを頂けなかったので、残念に思っていましたところ、担当の先生から、「今年は、本校にお越し下さい」という嬉しい便りを頂きました。

どうしてかなとお伺いしましたら、私が京都のお宿でお話をさせて頂いた生徒さんたちが、「もっと多くの人に聞いて欲しいから、繁内さんを呼んで欲しい」と、校長に申し出たとのことで、学校も経費を何とか工面しようと考えられた結果、島根県性教育推進協議会がスポンサーになって下さって実現したとのことでした。今回は、生徒さんが呼んでくれたことを本当に嬉しく思いました。

私の講演の後、拙い私の司会で、益田市教育委員会次長、益田保健所長、同校教諭、PTA母親委員会委員長、生徒代表を交えて、パネルディスカッションをしました。それぞれが、立場を超えて、エイズに対してどう向かい合うかを確認できた素晴らしい地域を巻き込んでの取り組みになりました。

このHPでお聴き頂いている「I’ll shine with you(ともだち)」は、生徒さんたちが、HIV陽性者の皆さんを励ますために一生懸命作った曲です。そして、同校で一緒に学んでいる聴覚障がいを持った生徒の竹内祐樹さんが、手話の振り付けをしてくれて、聾唖者の仲間も一緒に会場で歌った心優しい歌です。

エイズの炙り出す多くの不条理を、私とともに学んだ生徒さんたちは、「ともに生きる社会」を夢見て、自分にできることを実行してくれています。

今、全国の教育現場では、「いじめ」による自殺が大きな問題になっていますが、一生懸命にエイズを学ぶ生徒さんたちには、「いじめ」は無いと信じます。

エイズによって尊い命を奪われた多くの人たちの無念の心の叫びに耳を傾け、「命の大事さ」を学んだ生徒さんたちとの出会いを、私は誇りに思います。


                    BASE KOBE 代表  繁 内 幸 治




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第6回ミーティングを行いました。

2006年12月20日 | ミーティング
第6回ミーティングを行いました。初めての方7名を含む21名の参加でした。事務所の椅子を総動員してのミーティングでしたので、来年はそろそろどこかの公共施設を探さなければと話し合っています。少しずつですが参加者が増えてとてもうれしいです。

今回はゲイとレズビアンの素敵なカップルが二組来られていて、幸せそうなご様子にこちらもうれしくなりました。一組は会のあとパートナーを紹介するために実家に行かれるとのことで、「少々緊張気味です・・」とおっしゃっていましたが、お母様がなにやら準備をしてくださっているとかで、きっとあれからそのご家族は二人を迎えて楽しいひと時を過ごされたのだろうなと想像しています。

それからまた嬉しいご報告がありました。実は会のメンバーのお母様がお二人、神戸のコミュニティFMに出演されたのです! カミングアウトのいきさつやその後の心境など話してこられたそうで、とても楽しかったとおっしゃっていました。ブログでも皆さんに聞いていただけるようにしたいと思っています。お楽しみに!

そしてミーティングの中で尾辻かな子さんから素敵な絵本をご紹介いただきました。アメリカで学校の図書館に入れるかどうかで物議をかもしたという絵本で、『and tango makes three』というペンギンのお話です。英語の絵本ですが、会のメンバーがその場で訳しながら読んでくださいました(「つなぐ会」には素晴らしい人材がいらっしゃるのです・・)。大体のストーリーはこうです。

❤アメリカのセントラル・パークの中にある小さな動物園にとても仲良しの同性ペアのペンギンがいました。2匹は他のカップルが巣作りを始めると真似をして巣を作り、卵を温め始めるとまた真似をして石を温めていました。やがて他の巣ではかわいいヒナが誕生しましたが、石はそのまま・・?? それを見ていた飼育係が他の親から見捨てられた卵を巣の中に入れてやると、2匹はまた交代で温め始めました。やがてかわいいヒナが誕生します。その子は「タンゴ」と名づけられます。タンゴと2匹のペンギンの家族は、他の家族と同じように今も仲良くセントラル・パークの動物園で暮らしています・・❤

これは実際にセントラル・パークにいるペンギンの実話だそうで、動物の世界では同性ペアはよく見られるそうです。とてもほほえましいお話でした。こんな絵本が日本でも翻訳されるといいですね。いつか「動物奇想天外」なんかで放送されるかも・・。

最後に「つなぐ会」のリーフレットの原稿ができました。来年には配布したいと考えています。いろいろなところに置いていただけるとうれしいです。よろしくお願いします。


★第7回 ミーティングは次のように決まりました。
日時;1月13日(土)1時半~4時半
場所;大阪府堺市 尾辻かな子事務所 TEL :072-282-5588
 
  次回はみんなでドキュメンタリー・フィルム「サーティ・デイズ」を見ることにしました。モーガン・スパーロック監督の作品で、「田舎に住んでいるストレートの人がサンフランシスコのゲイのカップルの家で30日間暮らすと・・?」というとても興味深い内容です。「是非見たい!」という方、「みんなで話したい」という方、どうぞご参加下さい。お待ちしています。収容人数がちょっと心配・・なので、事前にご連絡いただけるとありがたいです。



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家族へのカミングアウト

2006年12月10日 | Weblog
今日はある方からのうれしいメールをご紹介いたします。ご家族にカミングアウトされたというご報告です。そのあとお父様にこの「つなぐ会」のブログをご紹介くださったそうで、こんな時に少しでもお役に立てるならこれほど嬉しいことはありません。

彼女のブログを読ませていただきましたが、これほど娘から思ってもらえてご両親はお幸せだなと心から感動しました。勇気をふりしぼってカミングアウトしながらも、された側の親の気持ちを気遣う彼女の言葉一つ一つに、同じ親として涙が出ました。そしてお母様の「いつもと同じ娘だとわかって嬉しかった」というお気持ちも痛いほどわかります。何も変わらない、自分が目の中に入れても痛くないほどかわいがってきた子供であることに変わりはないのです。親が見せる驚きと戸惑いは「性の多様性など何も知らなかった」結局はただそれだけのことなのです。親の願いは「わが子が幸せであること」それだけです。

頂いたメールのあとに、12月4日の彼女のブログからその一部をご紹介いたします。続きは彼女のブログで是非お読みいただければと思います。「これからカミングアウトする方々に何かの参考になれば・・・」というお気持ちで掲載を快く承諾してくださいました。ありがとうございました。

★「家族にカミングアウトしました」
こんにちは。
わたしは現在東京で彼女と一緒に住むものです。
もともとうつ病を患っているのですが、ちょっと状態がひどくなり、
彼女がわたしの実家の父に連絡したことがきっかけで、カミングアウトしました。
もともと、妹にはカミングアウトはしていたのですが。

父の方は比較的冷静に受け止めてくれたと思っています。
(それは今、メールを通じて聞いているところです)
問題は母でした。もともとカミングアウトする前から母親だけには知られたくないと
思っていました。それは、絶対にショックを受けると思ったからです。

果たしてそれは現実のものとなりました。
わたしが母に「わたしが同性愛者だと知ってショックを受けた?」とメールで聞いたら
「ショックで、あれからずっと育て方に問題があったのか自問自答している」等の
答えが返ってきました。予想していた答えだったので、わたしは特にショックでは
ありませんでしたが、母の気持ちを考えるといたたまれない気がします。
でも、時が解決してくれると思って、しばらくはこの問題には触れないことにしました。
(今は何より病気を治すことが優先ですから)

父は冷静に受け止めてくれていると判断して、ここのブログをメールで紹介しました。

また、わたしは今回のことを自分のブログに書きました。読んでいただければ幸いです。
(12月3日と4日のブログです)


http://app.blog.livedoor.jp/ron_chan_/tb.cgi/50910589


December 04, 2006
カミングアウト、その後
昨日、思わぬことでカミングアウトしてしまったわたしだが、一番気になったことは、やはり母のことだった。ショックで寝込んでいるかも知れない、と思って、わたしは昨日の夕方、思い切って、母に電話をした。

母は思ったより、というか非常に元気そうで安心した。久しぶりだったので、わたしの病状のことや、向こうの近況など話して、あっという間に1時間経った。本当のところ「わたしが同性愛者だと思ってショックを受けた?」と聞こうと思っていた。が、その前に母の携帯の電源が切れてしまって、とうとうその話はできなかった。

だから、わたしは母にメールをした。「娘が同性愛者だと知って、ショックを受けた?」って。そうしたら、やはり「ショックだった。育て方が悪かったのかとあれから自問自答している。どうしても受け入れられない。ごめんなさい」等、相当ショックを受けたと思われる返事が来た。だから、わたしは母にメールをした。それが下のメール。


「やっぱりそうだったんだ。わたしもね、お母さんだけには秘密にしておきたかったんだ。だから妹にも「お母さんだけには内緒にしといてよ」って言ってたの。あのね、育て方とか全然関係ないの。これはわたしが持って生まれたものなの。だから、お母さんのせいじゃちっともないんだよ。わたしだって気がついたの、二十歳をだいぶ過ぎてからだったしね。受け入れられないのはこっちもわかってました。でもそれが寂しいとかつらいとかは思わない。むしろ当たり前のことだと思う。今後も受け入れてくれとは言わないから。ただね、事実は知っておいて欲しかったんだ。それは本音。勝手かも知れないけど。もう一度言うね。受け入れて欲しいとか、そんなことは一切思っていません。今はただ、お母さんがどんなにショックを受けているだろうかと思うと、そっちの方が心配。だからね、今はお母さんの言うように、わたしの身体のことだけを考えて暮らしてください。こんなわたしだって分かってしまっても、普段のわたしとは変わらないからね。お願いだから、自分を責めないで。お母さんのせいじゃないんだから。」

それから、風呂に入っているときに、また考え直して追加で送ったメール。

「夜遅くてごめんね。どうしても言いたくて。あのね、お母さんは育て方が間違ってたかも知れないって思ってるかも知れないけど、わたしはわたしで、こんなに大切に育ててもらって本当に申し訳ない、って思ってるんだよ。ずっとずっと心の中で「お父さん、お母さん、こんなわたしでごめんなさい」って思ってました。自分が同性愛者であることに対してはそんなにショックじゃなかったけど、親に対してまず申し訳ないと思いました。でもね、世の中右利きと左利きの人間がいるように、異性愛者と同性愛者がいるんだよね。で、わたしはたまたま左利きの方の人間に生まれてきてしまったの。だから、お母さんはショックだと思うけど、全然自分を責める必要はないんだからね。そしてわたしもこういう人間に生まれてきてしまったことについては、悔いていません。むしろ誇りを持って生きています。そして今、○○さん(彼女の名前)と一緒にいることも。彼女はわたしの最高のパートナーです。そういう人を見つけられただけでもわたしは生まれてきた甲斐があったと思っています。おかあさんは○○さん(彼女の名前)の話は聞きたくないと思うので、もうこれ以上極力しないつもりだけど、でも、一緒に住んでいる以上、やはり話の中に出てきてしまうと思います。ホントにホントにごめんね。お父さんとお母さんには本当に申し訳なく思っています。じゃ、おやすみなさい。」

そして、朝、起きてみたら、母からメールが来ていた。「理屈では分かっているけど、どうして、どうして、と思ってしまう」と。でも昨日電話して、いつものわたしだと分かって嬉しかった、とそして、無視されていた頃に比べると今の方が格段に嬉しい、と。

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裁判の支援を!

2006年12月06日 | Weblog
今日は裁判支援のメールをいただきましたので、ご紹介いたします。先日の神戸の講演会でもご本人自ら支援を訴えておられました。性同一性障害の方なのですが、「男のトイレは使うな」「女のトイレも使うな」とまで言われたとおっしゃっていました。これが人間が人間に対してとる態度と言えるでしょうか? このような不当な扱いを受けられたことに対しては、怒りがこみ上げてくると同時に本当に情けない思いがします。

先日のミーティングに参加してくださったある友人の方にこのことをお話しましたら、こんなふうにおっしゃっていました。「人は自分とは少し違う人間に出会ったとき、ともすればその人を排除しようとするけれど、それよりもその人を受け入れ、どうすればその人と共存できるかを考えるべきだと思う」と。このような差別の問題は大人の世界の話ではありますが、していることは子供の世界のいじめとなんら変わらないものです。結局は「仲間はずれ」ですね。子供の世界でもいじめの対象になっているのは、見た目や態度や考え方など、みんなとはどこかが違う子です。まず大人が自らの襟を正さなければなりません。

何年も前のことですがこんなことがありました。私の友人の子供さんは聴覚に障害を持っていたのですが、彼女はみんなと一緒に近くの小学校に通わせたいと思って学校長にお願いに行ったところ「きっとついていけないと思うので専門の学校に行かれたほうがいいと思います。いじめられてもいけないので・・」と言われたそうです。たとえば目の見えない人に手を貸すときは、手を引っ張ってあげるより、自分の腕を持ってもらって先に歩いたほうがいいと聞きました。一緒に過ごした経験がなければわからないことです。障害を持った人が道で困っている様子を見ても、健常者にとってはどうしたらいいのかわからないことが多々あります。学校で小さいときから一緒に学んでいれば、どうやって共生していけばいいかわかるようになると思いますし、その人たちから反対に学ぶことも多いはずです。分けてしまうのではなく、どうやったら一緒に学ぶことができるのか、学校は何よりもまずそのことに心を砕いてみるべきではないのでしょうか。

尾辻かな子さんのHPで読んだのですが、LD(学習障害)のDはDisorder(障害)のDではなくDifference(違い)のDではないかと名づける動きがあるそうです。学び方やその速度に違いがあるのであって、障害と呼ぶべきではないのかもしれません。一体どこからが障害でどこからが障害ではないのか、線を引くのも難しい話です。私も教室にくる子供たちを見ていてそう思います。みんな違っていますが学んでいきます。子供だけではありません。年老いても人間はたとえほんのわずかずつでも学んでいくのです。それが遅ければ障害、みんなと言うことが違えば障害、と名がついてしまうので、今では養護学校はどこも満員の状態だとか。様々な子供たちが一緒に学び、様々な人々が一緒に生きていけないものでしょうか。

この問題の一日も早い解決を願ってやみません。どうぞ応援をよろしくお願いいたします。



★自彊館(じきょうかん)闘争にご支援を!

<労働者の使い捨てを許さない>
<マイノリティ差別を許さない>

2004年9月から約1年半、大阪市野宿生活者巡回相談事業で働いていたKさんに、今年3月、突然の雇い止め通告。雇い止めは、Kさんの性同一性障害を差別した不当なものです。「男か女かはっきりしろ」、「野宿者から蔑視される」など差別的な言葉を浴びせかけられたあげく、仕事を取り上げられ、雇い止めにされました。

雇用主の社会福祉法人大阪自彊館側は、団体交渉の席上、雇い止めには正当な理由がないことを認めていますが、セクハラを認めず、雇い止め撤回もしません。Kさんは、泣き寝入りはしたくないと、性同一性障害に対するセクハラへの謝罪と雇い止め撤回を求める裁判闘争に立ち上がりました。

ユニオンぼちぼちも全力で闘っていきます。しかし、裁判闘争には多額の費用がかかります。ぜひ支援カンパをお寄せくださいますようお願いいたします。労働者の使い捨てを許さない、マイノリティ差別を許さないこの闘いに暖かいご支援をよろしくお願い申し上げます。

※※※※※※※※※※
裁判カンパのお願い

自彊館闘争支援カンパ 1口1,000円(何口でも)
郵便振替の場合(自彊館闘争支援と明記ください)
加入者名 ユニオンぼちぼち
振替番号 00900-8-263985

※※※※※※※※※※
裁判を広めてください!

☆チラシを周囲の友人に渡していただければ、なお幸いです。
 裁判支援チラシは、以下から簡単にダウンロードできます。
 http://rootless.org/botiboti/jikyoukan.pdf

▼Kさんの思い

突然雇い止めを言われ、有期雇用の労働者の厳しい現実を味わっています。私は入社時に、自分が性同一性障害であることを報告して採用されました。私の仕事は、野宿生活者の巡回相談です。アルバイトとしては人並み以上に仕事をこなしてきたと思います。しかし、新しい所属長はマイノリティを理解しようとせず毛色の違う人間をいかに排除するかしか考えていないかのようで、陰に陽に仕事をさせてもらえない仕打ちを受けるようになりました。

厳しい雇用情勢下では好むと好まざるとに関わらず、多くの人が非正規雇用に甘んじざるを得ません。誰もが弱い立場に立つ危険性にさらされ社会的に排除の対象にされるかも知れないのです。団体交渉の中で自彊館幹部は「有期雇用のアルバイトは期間が来れば解雇されて当たり前」と言いました。最近、プレカリアートという言葉をよく聞くけど社会問題として非正規雇用の問題を考えないといけないと思います。私は「嫌なら辞めて他の会社へ行け」と言われたけど、そういうことを言えないような、労働者を使い捨てにできない社会を望みます。個人を尊重する社会でないと誰もが安心して暮らすことなんてできないのだと切に思います。

個人的な抗議に限界を感じ、労働組合の必要性を痛感しました。私以前にも泣き寝入りしてやめていった人もいます。職場がこのままではまた同じことの繰り返しになると思いました。泣き寝入りをしない。労働者の使い捨てを許さない。マイノリティ差別を許さない。だから裁判に訴えることにしました。どうぞ、ご支援をよろしくお願いいたします。

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ユニオンぼちぼち

毎週土曜日12時~午後6時は労働相談中!

京都市南区東九条上御霊町64-1
          アンビシャス梅垣ビル1F
電 話:075-681-6904(FAX兼)
E-mail:botiboti at rootless.org
URL:http://rootless.org/botiboti/main.htm
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「桜梅桃李」

2006年12月03日 | Weblog
みなさんは「桜梅桃李(おうばいとうり)」という言葉をご存知でしょうか? 仏典の中で説かれている言葉で、先日ある人から教えていただきました。「桜」「梅」「桃」「李(すもも)」これらの木々はそれぞれに違う花を咲かせ、違う実をつけますが、どの花にもそれぞれに固有の美しさがあり、どの実にもそれぞれに固有の味わいがある。桜が梅になる必要はなく、桃になる必要もない。人もまた同じくそれぞれに違いがあり、それぞれに他に代えがたい価値があるということを表した言葉だそうです。いい言葉だなと思いました。また仏典には他にも「仏とは本来無作の三身(ほんらいむさのさんじん)」と説かれていて、「無作」、つまり自分を作る必要など全くない。その人の短所も長所も含めて、本来の姿そのままで仏になることができるという教えだそうです。これらは人間とは別に絶対的で理想的な神の存在を説いているキリスト教やイスラム教とは全く違っていて、東洋の知恵といわれる仏教哲学の寛容さを感じました。

次は養老猛司さんが「バカの壁」の中で書いていた一部分の内容です(少なくとも私はこう理解したのですが・・)。「人は本来みな違って生まれてくる。皮膚ひとつとっても親子でさえも移植などできない。個性とは育てるものではなく、もともと備わっているものなのだ。だから教育で個性を育てるというのは間違いで、むしろそれぞれ違っているもの同士が少しでもお互いの気持ちをわかりあえるようにするのがまともな教育だ」なるほどと思います。今の教育はここが間違っているのだろうと感じます。人はみな違うのだということを教えない。そしてお互いを理解し合おうということも教えない。だから「いじめ」が起きるのでは・・と思います。

また尾辻かな子さんは講演の中で、セクシュアル・マイノリティのシンボルである「虹」についてよく話してくださいます。虹は、赤や黄色や青などの色が混ざって一色の虹になっているのではなく、それぞれの色が肩を並べながら一つの虹を作っている。人間も一人一人がそれぞれ違った個性を持ちながら同じ人間として存在しているのだと。

「人はみな違っている」「人はみな違っていいのだ」ということを、私たち大人は知らなければならないし、子供たちにも教えなければなりません。初めての講演会で「知らなかった」「知ることができてよかった」という声をいくつもいただきました。来年は何人の人に知っていただくことができるでしょうか? 「つなぐ会」は来年もさらに頑張ります。



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