6月5日(日)、コロナ禍で中断していた講演会を、久々に開催しました。 今回はXジェンダーがテーマ。
【男女以外の性別 Xジェンダーって何・・・? 子の葛藤、親の困惑】と題し、labelX代表藤原和希さんをお招きして、前半は1時間の講演、後半はグループに分けて交流会を開きました。
参加者は30名ほど。10代からシニア迄、親御さん、allyさん、各セクシュアリティの方々、多彩な顔ぶれとなりました。通常、ミーテイング前はメールで参加希望が随時入りますが、今回は親御さんの悩み相談兼参加希望という、かなり深刻な心情の方もおられ、これだけ巷にLGBT情報が流れていても実態は未だに難しい社会状況だ、ということが感じられました。
講演内容は、SOGIESC(sexual orientation/性指向、gender identity/社会的・文化的な性のアイデンティティ、gender expression/性表現、sexual caracteristics/身体の性的特徴)における基礎知識、labelX紹介及び藤原さんのライフヒストリー、カミングアウト、多彩なXジェンダーの様相についての説明など。
Xジェンダーと言えば、両性、無性、中性、不定性etc.と千差万別で、一般的にはかなり理解しづらいセクシュアリティと思われますが、藤原さんのライフヒストリーを交えての説明によりかなり身近に感じられたのではないかと思います。実際、つなぐ会にも近年Xジェンダーの相談が増えており、濃厚な非性同一性というよりも性別のもやもや感を訴える方が多いのです。肉体への拒否感はあるもののむしろ「男のくせに」とか「女らしく」という性別規範に対するいたたまれなさが強く、依然として男女の二分別で成り立っている社会の象徴「2択の性別欄」への反発も強い。選択せざるを得ない時には、男・女の中間の「・」に◯を付ける方もいるほどです。男女どちらにも与することができないセクシュアリティの存在を社会全体が認知し、どんな場所でも日常的に許容されればどれだけ生きやすいことでしょうか。
親世代はLGBTQ全般について、発生の原因を求めます。これについては依然研究途中。Xジェンダーについては、先天的な要因もあれば、人との出会いや経験といった後天的な要因もありうると言われています。だからと言って、他から強制されて変えることは不可能、自然発生的に変化しうると言われている不思議な現象。不定性ともなればシチュエーション毎に、あるいは年数を経るごとに変わったりするわけで、この不可思議さがXジェンダーであり、男女二元論があたりまえの社会で自分の性別を疑いもせず生きてきた親達には理解されにくいところです。親達の声として、子どもを理解したいのは山々だが、あまりにも難しいとの声が多々あったのは、男女どちらにも属せず曖昧模糊とした存在という、従来の価値観から逸脱した事態だからでしょう。
当事者の方からは、未だに周知されていないXジェンダーについて語られたことに意義があると評され、企画者としては嬉しいながら、無理解な社会に生きるXジェンダーの生きづらさをかえって強く知ることとなりました。
男だから、女だからとカテゴリーで判断するのではなく、他者をその人個人として見ることが大事なのだと思います。誰もがありのままの自分で生きられる社会を目指して、これからも語り合っていきましょう。
Be Yourself ❣ M