4月はイレギュラーで2回の相談・交流会を実施。
先ずは、日本で最大のLGBTQ+イベント:東京レインボープライド(TRP)に合わせて
4/20(土)に渋谷で実施した相談・交流会についてご報告します。
参加者は親御さん7名、当事者2名、Ally 1名、ASTA*メンバー2名。
*行政、学校、会社組織など社会に向けてLGBTQ+に関する啓発活動を行っている団体。
LGBTQ+の子どもを抱える保護者向けのオンライン交流会【みんなで保護者会】をつなぐ会/東海と共同で実施している
先ずは参加者から簡単な自己紹介と今回の参加理由をお話しいただきました。
お子さんの年代は中学生から30才までと幅広く、セクシャリティも様々。
親御さんの状況は、カミングアウトから長いことお子さんとわだかまりが続いている、頭では理解していて子どもの困りごとに対応はしていても心が付いていかない、相談する人がいなくて孤独、など、苦しさを抱えていらっしゃり、積もり積もった思いが涙と一緒に溢れ出てしまう方も。
今回参加されて、行き場のない気持ちを吐き出すことが出来、同じ様に悩んでいる親御さん達と共感し合えたことで心の重荷が少しでも軽くなったり、当事者・経験の長い親・Allyの参加者のコメントから、何かしらのヒントやキッカケを見つけていただけていたら嬉しく思います。
当事者の子を持つ親として、私自身、今回とりわけ考えさせられたことを幾つかお伝えします。
先ずは、「世代間ギャップ」と「将来への希望」。
当事者の参加者から、「当事者である子ども世代は学校教育やネットなどから情報が豊富にインプットされているのに対し、親世代は年代にもよりますがアップデートが追いついていなくて子どもとのギャップが激しい。これでは相互理解は難しい。」とのお話があり、深く納得しました。LGBTQ+は身近に必ず存在し(約10人に1人、左利きと同じくらいの割合)、様々な生きづらさを抱えながらも活躍できる機会は広がってきています。こういった状況を知らずに昔ながらのイメージから抜け出せず、子どもの将来に希望が持てないと思い込んで足がすくんでしまうのかも?
午後、TRPで幾つかの企業ブースを巡り、各企業におけるLGBTQ+の状況についてお話を伺ってみたところ...
経営トップが当事者への差別や偏見を断固として禁止し、セクシャリティにかかわらず全員が安心して働けるよう社員に通達。人事制度や施設(トイレや更衣室など)を整備、ステッカーやストラップなどを利用して、Allyが周囲に沢山いることが目に見えるようにしている。Ally社員が考えたセクシャル・マイノリティの困難を解決するような活動に、会社として予算を付け実行している。社内にとどまらず、関連企業や団体と連携して世の中を変えていこうと行動している。
...などなど。
このようなイベントにブース出展しているので意識が高いことは前提かもしれませんが、幾つもの企業から本気度が伝わってきました。海外に比べて日本は大分遅れを取っていることは否めませんし、大企業が中心で中小企業の動きはこれからです。また、動き始めていても隅々まで浸透するには未だ未だ時間がかかるでしょう。ですが、こうした流れがこれから更に広がっていくことは間違いないと思います。
(参考:国内企業の取り組み)
LGBT-Allyプロジェクト https://www.outjapan.co.jp/service/ally_project/
work with Pride https://workwithpride.jp/
加えて、数々の支援団体がそれぞれに工夫を凝らした様々な活動を行っていることも大変心強く、ここ5年ほど急速に進んできた社会のLGBTQ+理解のスピードは、この先さらに加速していくと肌で感じることが出来たので、「将来への希望」は「ある!」とお伝えしたいです。
もう1つは「社会のメガネ」。
お子さんから「偏見あるから付き合えない」「差別の塊」などと激しい言葉を浴びせられて、傷つき、途方に暮れながらも、「心の底から『どうってことないよ!』と言えるようになりたい」と思っていらっしゃる。
これって、親御さんの心や頭が「差別の塊」であるはずもなく、「愛する我が子を受け入れて応援したいのに難しいのは、古くから世の中にはびこる差別や偏見の分厚いレンズが入ったメガネを通して社会や子どもの将来を見ているから」と、薄っすら気づいていらっしゃるのでは? メガネをかけていることをはっきり認識して試しに外してみたら、子どもの本当の幸せって何なのかが、これまでと違った形で見えてくるのではないでしょうか。
人は誰しも幾つもの「社会のメガネ」をかけていて、メガネのお陰でスムーズな社会生活が成り立っている部分も沢山あるのでしょう。でも、レンズが古くなって曇ったり歪んだりしているメガネは、もう使わない方がいいですよね。親御さん自身の温かく澄んだ眼で直接お子さんを見つめながら、少しずつでも会話を重ねていけば、気持ちはいつかきっとお子さんに届くはずだと信じています。 Y
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