10月3日(日)、緊急事態宣言解除の東京大久保にて、自粛明け久しぶりのミーティングが開かれました。今回は1年ぶりに顔を表したお馴染みメンバーが半数以上、近況を語り合い、また新顔の方は、アライの学生さん、親御さん等。LGBTQ当事者も親御さんも様々なセクシュアリティの立場からの意見交換となりました。
当事者側は海外生活も経験されており、海外と日本でセクシュアルマイノリティの生活環境がどれほど違うかについて話されました。性別二元論に基づいて社会制度が成立しているのはどこの国も同じだが、欧米は人権や自由への人々の思いが強い。日本は個人の自由より同調、個人の権利より和を重んじる「出る杭は打たれる」社会性の為、多数派優位で、少数派は我慢を強いられる。カミングアウト率も低く、自分自身にも嘘をつかないと生き抜いていかれないような生活に神経が苛まれていくとのこと。戦後、経済優先で発展してきた国だが、その陰で少数派はいないものとされ自分らしく生きることなど考えられなかった。今や海外では30か国以上の国が同性婚が認められているというのに、日本ではLGBT理解促進法案すら国会に挙げられない。人間にとって、経済以上に精神的豊かさ=自分を偽らず自由に生きられる心穏やかな暮らしこそが大事なのではないかとのお話でした。
片や、中高年世代の親はLGBTQについては無知で、この数年メディアの情報で見聞きした程度という世代の為、子どものカミングアウトには動転した方が殆ど。けれども時間を経て理解を深め、良き理解者、支援者になろうとする過程にいます。
セクシュアルマイノリティは、男女に区分けされている日本社会の中で悩み、傷つき、もがきながら生きている。だから、多数派のように未来に夢を描きにくいし、伸びやかには成長できない。自身のセクシュアリティを隠して日々暮らしているので、友達との交流も難しく、引きこもりがちだったり、勉強に身が入らなかったりと欠点も多くなりがち。人としての成長も遅いかもしれない。だからこそ親は世間体の物差しを外し、子どもの特性に見合った目線で見つめ支えることが大事。親は覚悟して、子どもがありのままでいられるように環境を整え自由に呼吸をさせてほしい。そうすれば子どもはその子に即したリズムで伸びやかに成長していくだろう、と、かつて我慢を強いられ辛い少年時代を送った彼らは語ります。そう、確かに、この同調社会の中で異端者は、マイノリティストレスの為、精神を病む者も多い。そういう子どもを現に抱えている親は尚更、彼らの言葉を深くかみしめ、次の世代の子ども達の息苦しい環境を改善したい、子どものしんどさを目の当たりに見ている若い親御さんに寄り添い、一緒に子どもを支えたいと願うのです。
それは、若い支援者も同じ。友人がセクシュアリティで悩んでいるという方には、何はともあれ友達に寄り添い、心の声に耳を傾けてほしい、それだけでも心強いと伝えました。これから就職すると、会社によっては男尊女卑の気風が未だ残り、女性差別は勿論セクシュアリティハラスメントもありうる。そんな中で孤立無援になることのないように、今はSNSで繋がることができる、とエールも重ねて。
つなぐ会を来訪する親御さんは、最初は子どものセクシュアリティを受け入れ難くて葛藤しますが、交流会を重ねるたびに理解を深めAlly(支援者)となっていき、無理解な社会との懸け橋になっていきます。Allyの輪も親同士だけでなく若者まで、世代を越えての繋がりの輪が未来を変えると信じています。
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