1月10日(日)、第30回ミーティングを行いました。ゲストスピーカーとしてお招きした土肥いつきさんのお話のテーマは“「ありのままのわたしを生きる」ために”。参加者22名中、初参加は当事者のお子さんとそのご家族が1組(3名)、そして友人が1名でした。
京都で25年間同じ高校の先生をなさっているという土肥さんは、MTF(男性→女性)の当事者でもあり、先のブログでご紹介したようにさまざまな活動をしておられますが、紹介してくださったお母さまのお話の通り、前向きで明るくてユーモアたっぷりで、こんな先生に出会えた生徒は幸せだなあと思わずにはいられないような熱血先生でした。あっという間の3時間! 参加者全員が元気をいただいた会となりました。土肥さんのお話の全てを再現したいくらいなのですが、その中から少しだけご紹介させていただきます。
土肥さんが勤めている学校にはや在日の子どもたちがたくさん通っていて、土肥さんはそのような子どもたちが自分のことを安心して話せる学校づくりに没頭されてきたそうです。高校に来て自分の仲間を見つけ「一人じゃなくてよかった・・」という子ども、やっと自分のことをクラスの友だちに話すことができて「みんなに言ってよかったってほんとうに思う」という子ども、でも「やっぱり言えへん・・」という子どももいたと。そんなお話を伺いながら、差別や偏見の中で自分を隠して生きなければならない子どもたちがここにもいる・・と思うと、社会の理不尽さをつくづく感じます。LGBTの問題とその内容は違っていても、人間の心が作り出す差別、偏見に苦しむところに違いはなく、一緒にできることはないのだろうかと考えさせられました。
また、土肥さんは1997年にトランスジェンダーという言葉を知ってはじめて自分がその当事者だと気付き、ありのままの自分を生きようと決めたそうですが、それまでは自分を心の中の箱にしまいこんできたとのこと。明るくて前向きで、や在日の子どもたちを励まし支えている土肥先生でさえ、正しい知識がなかったために自分に向き合うことができなかったのですね。自分をしまいこんだ箱のふたが開かないように全ての情報から遠ざかっていると、自分が世界でたった一人だと思えてきて辛いときがあった・・というお話を聞き、正しい情報や正しい知識、そして仲間の存在を伝えることがいかに大切かを感じさせられました。今でもまだどこかで苦しんでいる子どもがいることでしょう(大人もいるでしょう)。何とかして伝えなければなりません・・
土肥さんがありのままの自分を生きようと決め、少しずつ実践に移していかれる中でやはり問題となるのは家族・・・。パートナーの名言「わたしの健一郎を返して!」(笑)からお子さんやお母さまとの関わりにいたるまで、いろいろと語ってくださいました。中でも印象に残ったのは、あるときパートナーから「もうわたしに許可を求めないで!」と言われたと。パートナーの奥さまにすれば、土肥さんが女性に変わるということは全く別の人間になってしまうこと・・という心配があったわけですが、毎日の生活の中で結局土肥さんの中身は何一つ変わらないのだということに気付かれたというのです。それがこのひと言につながったということでした。いいお話です・・・
最後に。こんなお話もありました。土肥さん曰く、人間はみんな氷に包まれて生きている。その氷を外から誰かが熱を加えて溶かしても、その熱が止まればまた外から凍っていく。氷の中にいる自分がその隙間で何とかしたいともがき動くことで、氷は中から少しずつ溶けていく。お互いがこうして自分の氷を溶かしていくことで他人へと近づいていくことができる。つまり自分の居心地のいい場所を自分の力で作るのだ!と。そして「暗いと不平を言うよりも、すすんで明かりをつけましょう!」という言葉を教えてくださいました。ほんとにその通りですね。文句を言ってる暇があったら、自分にできることを少しずつ!とさらに深く決意いたしました!!(笑)
他にも、職場でどのように理解を得てきたのか、また目指す女性像は・・?などなど、楽しく語ってくださり、後半の質疑応答では参加者からたくさんの共感の声が上がっていました。全てをお伝えできないのが残念です・・
「今は幸せです。仲間がいるから。その仲間とはトランスの仲間だけではない。LGBTではない人たちからも力をもらっている」また「自分は家族も仕事も捨てなかった。欲張りだと思っている、でも時間を捨ててきた。性急にトランスはしなかった。少しずつ進路を変えていけば、いつか大きく進む方向が変わる。そうすれば誰にもその進路は変えられない。自分を見つめる時間は大切・・・」とも。これからも熱血先生として子どもたちに、また受診者の会や生徒交流会の中でみなさんに、土肥さんの元気を分けてあげてくださいね! ほんとうにありがとうございました。
京都で25年間同じ高校の先生をなさっているという土肥さんは、MTF(男性→女性)の当事者でもあり、先のブログでご紹介したようにさまざまな活動をしておられますが、紹介してくださったお母さまのお話の通り、前向きで明るくてユーモアたっぷりで、こんな先生に出会えた生徒は幸せだなあと思わずにはいられないような熱血先生でした。あっという間の3時間! 参加者全員が元気をいただいた会となりました。土肥さんのお話の全てを再現したいくらいなのですが、その中から少しだけご紹介させていただきます。
土肥さんが勤めている学校にはや在日の子どもたちがたくさん通っていて、土肥さんはそのような子どもたちが自分のことを安心して話せる学校づくりに没頭されてきたそうです。高校に来て自分の仲間を見つけ「一人じゃなくてよかった・・」という子ども、やっと自分のことをクラスの友だちに話すことができて「みんなに言ってよかったってほんとうに思う」という子ども、でも「やっぱり言えへん・・」という子どももいたと。そんなお話を伺いながら、差別や偏見の中で自分を隠して生きなければならない子どもたちがここにもいる・・と思うと、社会の理不尽さをつくづく感じます。LGBTの問題とその内容は違っていても、人間の心が作り出す差別、偏見に苦しむところに違いはなく、一緒にできることはないのだろうかと考えさせられました。
また、土肥さんは1997年にトランスジェンダーという言葉を知ってはじめて自分がその当事者だと気付き、ありのままの自分を生きようと決めたそうですが、それまでは自分を心の中の箱にしまいこんできたとのこと。明るくて前向きで、や在日の子どもたちを励まし支えている土肥先生でさえ、正しい知識がなかったために自分に向き合うことができなかったのですね。自分をしまいこんだ箱のふたが開かないように全ての情報から遠ざかっていると、自分が世界でたった一人だと思えてきて辛いときがあった・・というお話を聞き、正しい情報や正しい知識、そして仲間の存在を伝えることがいかに大切かを感じさせられました。今でもまだどこかで苦しんでいる子どもがいることでしょう(大人もいるでしょう)。何とかして伝えなければなりません・・
土肥さんがありのままの自分を生きようと決め、少しずつ実践に移していかれる中でやはり問題となるのは家族・・・。パートナーの名言「わたしの健一郎を返して!」(笑)からお子さんやお母さまとの関わりにいたるまで、いろいろと語ってくださいました。中でも印象に残ったのは、あるときパートナーから「もうわたしに許可を求めないで!」と言われたと。パートナーの奥さまにすれば、土肥さんが女性に変わるということは全く別の人間になってしまうこと・・という心配があったわけですが、毎日の生活の中で結局土肥さんの中身は何一つ変わらないのだということに気付かれたというのです。それがこのひと言につながったということでした。いいお話です・・・
最後に。こんなお話もありました。土肥さん曰く、人間はみんな氷に包まれて生きている。その氷を外から誰かが熱を加えて溶かしても、その熱が止まればまた外から凍っていく。氷の中にいる自分がその隙間で何とかしたいともがき動くことで、氷は中から少しずつ溶けていく。お互いがこうして自分の氷を溶かしていくことで他人へと近づいていくことができる。つまり自分の居心地のいい場所を自分の力で作るのだ!と。そして「暗いと不平を言うよりも、すすんで明かりをつけましょう!」という言葉を教えてくださいました。ほんとにその通りですね。文句を言ってる暇があったら、自分にできることを少しずつ!とさらに深く決意いたしました!!(笑)
他にも、職場でどのように理解を得てきたのか、また目指す女性像は・・?などなど、楽しく語ってくださり、後半の質疑応答では参加者からたくさんの共感の声が上がっていました。全てをお伝えできないのが残念です・・
「今は幸せです。仲間がいるから。その仲間とはトランスの仲間だけではない。LGBTではない人たちからも力をもらっている」また「自分は家族も仕事も捨てなかった。欲張りだと思っている、でも時間を捨ててきた。性急にトランスはしなかった。少しずつ進路を変えていけば、いつか大きく進む方向が変わる。そうすれば誰にもその進路は変えられない。自分を見つめる時間は大切・・・」とも。これからも熱血先生として子どもたちに、また受診者の会や生徒交流会の中でみなさんに、土肥さんの元気を分けてあげてくださいね! ほんとうにありがとうございました。