2024/4/6 フェミニスト・アクティブドキュメンタリー・ビデオフェスタ 連連影展 @hako gallery(代々木上原)
ビデオフェスタの中の1作品 【 i am 】ソナリ・グラ‐ティ監督 2011年 71分
インド出身のレズビアン映像作家が、かつて暮らしたデリーを再訪し、同性愛が犯罪だった時代、ゲイやレズビアンの子どもを持つ親との対話を通して「家族」の真の意味を紡ぎ出しながら、「カムアウト」する前に亡くなった母との対峙と和解への道を模索するドキュメンタリー映画。
セクシャルマイノリティーを描くドキュメンタリーを見るたびに、様々な当事者と家族のそれぞれの困難に胸が潰れます。
私自身は子どもから当事者であることを告げられたその場で、親として何が出来るか、どうやって応援していこうか即座に考えましたが、同性愛が犯罪だったインドのこの時代に子どもからカミングアウトされていたら、同じように受け入れられたか全く自信はありません。
生まれ育った時代、場所、法律、宗教、価値観、子どもへの期待や役割、世間体など、多くの障害によって子どものセクシャリティをなかなか受け入れられない家族が大多数なのが現実。社会の中で苦悩している当事者である子どもを、世界で一番愛している親こそ支えていけたら・・・。そのためにも、子どもを受け入れられずに葛藤している親御さんに、この映画のような当事者のリアルが届きますように。子どもに向き合うきっかけを持てたら、対話や学びによって理解を進めることにより当事者が救われることはもとより、親御さん自身の気持ちも穏やかになるのでは。作品の中で、受け入れている母親の一人が「神様は存在してはいけないものをお造りにならない」と語っていた柔らかな表情がとりわけ印象的でした。
インドの同性愛に関する法律の歴史にも思いを馳せることが出来ました。
この映画の締めくくりに、2009年、同性愛を非合法=刑法上の犯罪とする法律がデリー高等裁判所により違憲とされ多くの当事者達が喜びに涙するシーンがありましたが、2013年には最高裁にて有効と覆され、2018年に再度の違憲判決が出るまで長い闘いがあったと、映画をきっかけに調べたことから知りました。
世界で法的に同性婚が認められている国・地域は欧米を中心に38。アジアでは台湾とネパールに、この3月タイが加わりましたが、インドも日本も未だ認められていません。
上映会の後には日米同性カップル在留資格訴訟をテーマに交流会がありました。
同性婚の二人がいずれも外国人であれば定住が認められるのに、一方が日本人だと認められないのは不公正として最高裁へ訴訟を行っている原告のお二人と弁護団の方のお話を伺い大変勉強になるとともに、お二人の揺るぎない想いと活動の継続、周囲で支えていらっしゃる皆さんの温かさに感銘を受けました。
我が子も外国籍のパートナーと結婚が出来ない状況にあるため、今後の進め方についてアドバイスをいただくことが出来、大変ありがたかったです。
誰もがありのままで安心して暮らせる、幸せな将来を思い描ける日が一日も早く来ることを願ってやみません。
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