LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

晴子から伝えたいこと(パート15)

2010年07月28日 | Weblog
☆晴子さんからのエッセイです。
トラック運転職からMTFの女性として介護職へと、新しい人生を歩まれている晴子さん。雇用する側にもいろいろな戸惑いがあるでしょうが、そのやり取りの中で晴子さんの生き方が少しずつ理解され、また次の方へと必ず道が開かれていくことでしょう。困難を乗り越えて歩まれる晴子さんに心からエールを送ります!



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



☆晴子から伝えたいこと(パート15)


幸いにも私は、大規模とは方針の異なる小規模の入所型(グループホーム)への就職が去る3月上旬に決まりました。また採用担当者の方から、私がMtFであることの理解を得られ、介護職未経験且つ介護系資格無でも採用されて嬉しかったです(笑)。なので、勤務当初に生じた遠距離通勤を解消すべく、仕事に慣れたら引っ越ししたいと思いながら毎日の仕事に取り組んでおりました。しかし毎日の日々を積み重ねていく間に段々と、引っ越ししてまで今の勤務先で続ける気には、どうしてもなれませんでした。

3か月の試用期間後に常勤希望で入社させていただいたのですが、その期間中に夜勤をマスターできずに失敗したのを理由に、常勤になれませんでした。それでも私は失敗にめげずに、夜勤をできるようになるまで真剣に取り組んできました。それなのに採用担当者の方から、私を直ぐに常勤にしようという対応は残念ながらなく、本当に当てにならない事業所だと思うしかなかったのです。

その一方で、入社して短期間の私に対して役職になるように圧力をかけられました。役職になれば常勤になれるとは限らないのが実態であるだけでなく、入社して短期間の私では新人を教育できるだけの余裕が心身共にないのです。これでは落ち着いた気持ちで働けないと私は思いました。結局、従業員への介護の資質や専門性を高める対応に消極的な事業所でしたので、中堅従業員の定着率はあまりよくないからだという真因があるのではないだろうかと私には思わずにはいられなかったのです。

以上のような背景から、私は介護職員としての日中勤務、遅番勤務、早番勤務、夜間勤務を一通り経験してできるようになれるように取り組んできました。そしてこれをベースにしてというか踏み台にして、他所のグループホームで介護職員として介護への資質や専門性をより高められる職場を探し求めました。昨今は、書類選考が第一関門となっている事業所が主になってきているほど就職難の中にあっても、どうにか面接に辿り着いた事業所がありました。けれども、その事業所の役職者の方によって、私がMtFであることを理由に採用するか否かで意見が分かれたため、私に1日仕事体験してもらい、職員の方々とMtFの私とが馴染めるのかどうかを試されることになりました。だが幸いにも、私を採用して下さることになりました。8月からの予定です。そのことがあってか、以前よりも少しばかりですが、私は介護をより好きになれたような気がしています。

ところで介護職は他職種に比して概ね低所得です。そのため前職はトラック運転職であったことも相まってか、雇用保険(いわゆる失業保険)を受給して介護系専門学校で職業訓練を受講していた当時よりも収入が低いのです。ですが、介護職として第一にその資質を高めることを考え、そして第二にその専門性を高めることを考えて推進していくためのスタート地点にようやく立てました。MtF女性としての私の職業人生は、まさにこれからではないのだろうかと痛感させられております。介護職の道で誇りを持ち、常に向上心を抱いて取り組んで行きたいです。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アライなレディーズは誰と誰?(パート2)

2010年07月23日 | Weblog
☆桑島さんのエッセイ「アライなレディーズは誰と誰?」(パート2)です。
前回のエリザベス・テイラーのお話には驚きました。リズはそんな人だったのですね・・いやぁ見上げた人です、ご立派!!こんな人間になりたいものです。
今回はナタリー・ポートマン。『スター・ウォーズ』先日テレビでやってました・・あのお姫様が、こちらもユダヤ系という見えないマイノリティだと・・・どうぞお読みください。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


アライなレディーズは誰と誰?(パート2)

さてもう一人はナタリー・ポートマンです。彼女は「つなぐ会」的には「友人」に当たる女優さんです。『スター・ウォーズ』のお姫様役と言えばご存知の虹色の皆さんも多いかもしれません。
ナタリーは積極的にセクマイに対する応援の発言を繰り返しています。「全ての人の結婚が認められない限り私も結婚はしません!」とアンジェリーナ・ジョリーと同じ発言や「私は性の半分を占める私と同じ性である女性を愛さないのは大変惜しいことだと思っています。」と〈L宣言〉?もしています。頼もしいですよね。
またオバマ大統領が誕生するかなり以前にナタリーは「アメリカの歴史と社会の中でマイノリティの烙印と苦難を背負って来たブラック(ニグロイド)の方々のお気持ちは私も分かります。」と発言して物議をかもしました。「ネットで炎上」云々ですね(泣)。
ナタリーの両親は共に医師で彼女は裕福な家庭で育ちました。子役からデビューしたナタリー自身もかなりリッチなはずです。うらやましいですね。しかもナタリーはハーバード大学を卒業しており、日本語も含めて5ヵ国語が使えるそうです。凄いですよね!才色兼備と言うかいわゆるセレブと呼ぶのにピッタリです。
ブラックにしてみれば何不自由も無く育った白人(コーケイジアン)のお嬢様が何を言っているのかと怒ったのでしょう。
ナタリーは謝罪をして自分のことを話したそうです。実は彼女もマイノリティなのです。日本人にはピンと来ない所もありますが、ナタリーは父も母もユダヤ系で父方のひいお祖父さんとひいお祖母さんは強制収容所で亡くなっています。ポートマンは母方の姓で父方ではナタリー・シュワイグル(上手く日本語表記出来ませんが)と呼ぶそうです。なぜこのシュワイグルを名乗らないかと言えばユダヤ系と分かるとやはり差別されるからだそうです。ナタリーは「見えない」マイノリティなのです。カミングアウトしなければマジョリティの振りは出来ますが、「見えない」マイノリティであるセクマイとも「見える」マイノリティであるブラックとも連帯しようとしているのでしょう。
それでは次回のオードリーのお話をご期待下さい。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アライなレディーズは誰と誰?(パート1)

2010年07月23日 | Weblog
☆桑島さんのエッセイ到着です!いよいよハリウッド女優からセクシュアル・マイノリティへとお話は続いていきます・・・2回に分けてお届けします。
桑島さんは映画に大変詳しく、お話には次々と映画スターや監督の名前が出てきます。このような有名な方々のカミングアウトやセクシュアル・マイノリティに関する発言は影響が大きいですね。今後も頑張ってもらわねば!!私も有名な女優かなんかだったら「セクマイで何が悪い!」と一喝するんだけどなあ・・(笑)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


アライなレディーズは誰と誰?(パート1)


虹色の皆さん、ご存知の様に「LGBTの家族と友人をつなぐ会」では「四ツ葉のクローバー」がセクシャルマイノリティの〈シンボル(形)〉です。
僕はアライさんの方も〈形〉で示せるものが何かないかなとずっと考えて来ました。花木や動物ももちろん良いのですが、僕はどうせなら人物にしようと決めたのです。
そこで日本での人気は未だ衰えることのないオードリー・ヘップバーンを僕はアライさんの〈形〉いいえ〈顔〉に是非とも推したいと思ったのです。
虹色の皆さん、僕が今は亡き往年の名女優オードリー・ヘップバーンを選んだ理由は何だと思いますか?実は彼女の伝記を読んで生前の言動を調べてみましたが、特にセクマイに対して何か言ったり行ったりしているわけではありません。同時代の大女優としてはリズことエリザベス・テーラーの方がアライさんとして適当かもしれません。と言うのもゲイの友人である男優のロック・ハドソンがHIVに感染した時に当時はまだ不明の原因の解明や治療法の開発にアメリカ政府は及び腰だったのですが、エリザベス・テーラーは先頭に立って基金を集めて時の政権の方針を変えさせました。偏見と差別に苦しむAIDSを発症したある男性に抱擁してキスをした映像を僕はテレビで見た記憶があります。
にもかかわらず(泣)僕はリズよりもオドリーを選びたいのです!オードリーをセクマイの〈イコン(聖画)〉にしてみたいのです。(イコンとは携帯やPCのあの絵文字=アイコンのことです。)彼女の〈顔〉を見たらセクマイの〈イコン〉だと思い出せる様にこのエッセイを書けたらなぁと思っています。
オードリー・ヘップバーンについて語る前に現役のアライなレディーズであるハリウッド女優2人を紹介してセクマイ第1回はとりあえずの閉めとしましょう。まず「つなぐ会」的には「家族」から行きます。お兄さんがゲイのアン・ハサウェイです。アンはアイルランド系でカトリックだったために小さい頃は修道女になりたかったそうです。ところがアンが15歳の時に兄がゲイであることが分かります。そしてカトリック教会がゲイである兄に手を差し延べてくれないことを知るとアンは無宗派のクリスチャンとして生きることを決めて兄の結婚式に付き添いとして出席したとある雑誌のインタビューで答えていました。ゲイの友人・知人も兄のおかげで多いそうです。アンの代表作『プラダを来た悪魔』ではファッション雑誌のカリスマだけど公私混同の鬼編集長の女性に散々いじめられる役でしたが、そんなアンを厳しく優しく教え導いてくれる上司役の男性がゲイだったのはご存知ですか?(それは彼のセリフからさりげなく分かります。)アンはもしかしたら自分のお兄さんとの関係を思い出してこの役を演じたのかもしれませんね。(つづく)



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする