LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

映画『私はワタシ』公開

2018年12月29日 | Weblog

かねてから告知され、LGBTがテーマのインタビュー主体の映画『私はワタシ』を観てきました。

ポレポレ東中野での上映は最終回ということもあって、ほぼ満杯でした。

知る人ぞ知る長谷川博史さんをメーンに据え、他に50人もの歴代戦士から若手アクティビスト、親まで網羅してのそれぞれの語り。ある人は理念を語り、ある人は体験を述べ、また、生きづらさや自殺者の多さについて語られたり、ここ数年の変化を喜ばれたり、反動的な動きに身構えたり、50名が様々な視点でLGBTにまつわる事柄を話しています。

長谷川さんのことは、以前、AIDS文化フォーラムの講演会で知り、AIDS問題の先駆者として身を挺して活動している姿に感動を覚えましたが、今回映像の中での姿はもう、カッコイイったらなかった。その唇から語られる詩は長年の苦い思いから紡ぎ出された開き直りにも似た覚悟。うちの子どもも同じようなこと言ってたなぁって、感慨深かったです。

映像の中には親もいます。試写会を観た方の応援メッセージの中に、母親のインタビューに心打たれたとあって、同じ親として嬉しかった。この活動をしていると、当事者の子どもが自立してもはや何も問題ないのに(全くないことはないんだけど、そう思われるらしい)何故、延々とこんなことやってるの? と聞かれることがあります。だって、自分の子どもはいいとしても、社会はセクシュアル・マイノリティにとって相変わらず差別的だし、次の世代の子どもたちが自分らしく生きられる世の中になるように親だからこそ言えることもあるんですよ、って言っても、【物好きな人】という目でみられてしまう。そんな経験もしてきたので、親として関わってきて間違いはなかったという安心感というか、これからの活動の勇気づけにはなりました。

今回は1週間だけの上映でしたけれども、これからいろいろな場所で上映されていくことでしょう。人によってそれぞれの思いを抱かれる、そんな映画ですが、是非、沢山の方に見ていただきたい。誰であれ、人はそれぞれに違います。一人びとりの存在のかけがえのなさを感じ、個々それぞれの思いというものをしっかりと受け止めてほしい。同時代にいろんな人がいることを当たり前のこととして受け止められる人たちがどんどん増えていけば、社会は確実に変わるのですから。                              M・M 

                     

 


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名古屋「第3回・にじいろForty's」レポート

2018年12月19日 | Weblog

12月9日(日)「イーブルなごや」にて40代以上対象の「にじいろForty's」ミーティングを行いました。

当日の出席者は、トランスジェンダー当事者お母様2名・レズビアン当事者お母様1名・レズビアン当事者2名合計7名のご出席でした。

もしも願いが叶うとしたら?の質問に対して当事者は、親の理解、職場学校の理解、トランスジェンダーの母親は、望む性別で生んであげたかったとの事でした。

トランスジェンダーの母親は、なぜそこまで、手術したいのか、母親の理解があればそのままでいいのではと思ってしまいます。
当事者はそのままの身体では、朝起きたときから一日中頭痛がして、吐き気がする感じ、お風呂場で自分の身体を見られない。
当事者はこのまま死んでもいいと言う気持ちで手術台に上る、でも、術後は長生きしたくてサプリメントとかを利用したくなるという話もよく聞きます。
性別変更手術は、緩和的外科であると認定医師はおっしゃってました。

ただ、当事者の子どもを生んだのは母である自分。「ごめんなさい」と思ってしまう。
乗り越えるのは時間が掛かるけど「ごめんね」よりも「ありがとう」と言って欲しい。
初参加の方が、つなぐ会に来てみんなにあえてよかったと何度も言っていただきました。
これからも、ミーティングの開催を頑張りたいと思います。


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東京ミーティング(12月9日)の報告

2018年12月17日 | Weblog

師走12月は気忙しく、体調崩しやすい季節柄、今回も参加者15名のこじんまりとしたミーティングとなりました。今回から会場が変更となったのも影響しているかもしれません。初めて参加された方が半数、親子で参加された方もいらっしゃいました。 

当たり前の話ですが、親子関係は様々。ですから、セクシュアル・マイノリティの子どもと親の関係性も千差万別です。つなぐ会に来会される親御さんは受容度の高い親御さんが多いですが、その受容の在り方もそれぞれです。頭では理解できる、でも自分の子どもとなるとなかなか受け入れがたく難渋している親御さんがいたり、親の受容度100%、でも子どもがなかなか立ち上がれないケース、元来仲良し親子、でもセクシュアリティについては触れてこなかったとか。お互いに言いたい放題=信頼関係ある親子にもかかわらず、でもお互いに自分の価値観は譲れず、徐々に関係性がぎくしゃくしてくる、ということも多いようです。 

親は長年培ってきた価値観をなかなか拭い去ることができない。そんなことをしたら自分の人生を否定するようなものだから ?

でも、この30年ばかりの間の社会の変わりようといったら、一色の世界観から多様性へと変わってきたことを考えれば、親自身も変わらないと時代に乗り遅れてしまうかも!

 

子どものカミングアウトを受け、今は苦しいもしれません。子どもの将来に悲観的になるのも無理はない。今まで、日本の社会は画一的で堅苦しかったから。

でも時代はどんどん変わってきています。2020年に向けて社会は加速度的に多様化に向かっていくでしょう。その時代に子どもたちは生きていくのです。

親の願いは、愛する子どもに幸せになってほしい。ならば、親は子どもの応援団になりませんか? 子どもをあるがまま受け入れて、子どもの心の平安を守ってほしい。子ども自身の力で人生を切り開いていけるように。

 

今年もそろそろ終わり。新しい年もつなぐ会は、家族と当事者、友人皆さんの砦です。いつでも愚痴を言いに来てください。情報収集に来て下さい。カミングアウト直後はその現実をなかなか受け入れられないかもしれませんが、親の思いを吐き出して、かつ他の親御さん、当事者の思いを聴いてみましょう。徐々に自分の気持ちも落ち着き整理されていくはずです。当事者の方々も先輩や仲間の語る言葉を聴きながら、生き方の指針を見つけ、あるいは軌道修正をしているようです。みんなで思いを分かち合いながら、まだまだ生きづらい時代の荒波を乗り越えていきましょう。誰もが差別なく幸せに生きられる未来に向けて。

皆さん、良いお年を

                                           M


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第99回神戸ミーティングレポート

2018年12月16日 | Weblog

12月9日(日)13時30分~16時30分、兵庫勤労市民センターにて神戸ミーティングを行いました。当日の参加者は11名でした。(当事者のご家族およびご友人6名、ゲイの方1名、バイセクシュアル(パンセクシュアル)の方1名、トランスジェンダーの方1名、アライ(理解者)の方2名)
 今回初めて参加されたゲイの方より、転勤の関係で地元に戻った事もあり、これを機会に実家のご両親へのカミングアウトについても考えており、カミングアウトを受ける家族の心境について伺いたいとの質問がありました。

お子さんがゲイのお母様より、お子さんの勉強部屋を掃除している時に、ゲイ関連の雑誌が見つかった事などのエピソードを交えて、母親としては、既に薄々と自分の子供について知っていたとの事。カミングアウトを受けた時、思った気持ちが「もっと早く言ってくれた方が良かったのに」だったそうです。

また、トランスジェンダー当事者のお母様も同じく、子どもの頃からの行動から、薄々と気づいており、カミングアウトを受けた時は、大変だったが、年月とともに理解ができて行くものだとのお話でした。

また、カミングアウトの方法も直接話をするだけでなく、手紙や、SNSの利用など人により様々な方法もありますし、カミングアウトのタイミングも人それぞれです。例えどんな状況であったとしても、親と言うものは子供の幸せを願うもの。決して焦る事もないし、必要以上に不安になる事もないと言うのがお母様方の共通の認識でした。

今回、親子連れで出席されたトランスジェンダー当事者を持つお母様からは、これから小学校へ進学する時、学校へ受け入れ態勢についての話し合いの方法についてどうすれば良いか?との事でした。

これについては、学校に話をしたが、なかなか話がまとまらず市会議員の方にも入ってもらうようにした同じ立場のお母様の経験談や、子どものトランスジェンダー当事者と親御さん向けのサークルでのお話しなどの情報交換が行われました。

子どもがトランスジェンダー当事者の場合、小学校、中学校、高校と進学する度に学校の対応も異なり学校間での連携や情報共有がなかなかと取りにくいと言う現実があります。その一方で、神戸市内の病院での対応が昔と比べて非常に良くなったとの話もあり、これからも少しずつ理解が進んで行くと感じました。

今年は豪雨や台風、地震で関西も大変な1年でしたが、新年で平成時代も終わりを迎え、5月からは新しい時代が始まります。次回の神戸ミーティングも、ちょうど100回目を迎えます。希望のあるお話がいっぱい出来る1年である事をお祈りしたいと思います。(あやか)


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