2024年つなぐ会/東京のスタートは、中国の性的少数者(LGBTQ+)当事者と家族を追った映画 ‼(所要時間約1時間)
「出櫃(カミングアウト)中国LGBTの叫び」 (房満満監督/東京ドキュメンタリー映画祭2019短編部門グランプリ)の上映会(墨田区の支援団体「あなたのSOGIE」との共催/墨田区後援)に23名ご参加いただきました。
休憩を挟んだ後、房満満監督とZoomによるトークセションを実施。
先ずは東京理事から監督に、セクシュアルマイノリティをテーマに選んだきっかけや、カミングアウトの場面を振り返りではなくリアルに撮影できた経緯など伺った後、日本人だけでなく在日の中国人参加者複数名からも、中国におけるLGBTQ+の状況、親子関係の実情や背景、カミングアウトの意味や是非、支援団体の状況など、監督へ沢山のご質問をいただき、監督が1つ1つ丁寧に回答くださって活発なクロストークとなり、あっという間に予定の1時間が過ぎました。
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親子3人で鑑賞されたご家族に感想をいただきました。
私自身はFtMの母親ですが、一人っ子政策ゆえの濃密な親子関係、親族や地域社会における体面が非常に重視される文化、「社会規範からの逸脱=幸せになれない=絶望」と考えるなど、「セクシャルマイノリティが自分を偽らずに生きること」「親が受け入れること」がこれほどまでに難しい、厳しい中国の状況に胸が潰れる思いでした。
(子ども/FtM/21才)
中国の状況を知ることが出来、とても良かった。
特に、当事者がカミングアウトする場面をリアルに映していることに驚き、感銘を受けた。
自分の周囲にいる当事者からの話で、「病院で治してくるように」と言う親は都心でさえ未だ存在するし、「ニュースを見て親が差別発言するのを聞くとカミングアウト出来ない」という声もよく聞く。
当事者で親にカミングアウトして受け入れてもらっているのは2割程度の印象。
中国ほどではなくても、親の理解は日本でもかなり難しいと感じている。
質問に対する房監督の回答が、実情をよく知ったうえで多くの視点から説明くださり、全てが納得できるものだった。また、心を込めてお話くださり、ありがたく、素晴らしかった。
(オーストラリア人パートナー/パンセクシャル/20才)
セクシャルマイノリティの子どもを受け入れられない親も、子どもを愛していることが分かって良かった。
中国の文化(メンツ/親子関係 など)を知ることができた。
想像はしていたけれど、社会規範がきつく、大人になっても親との繋がりが深い。
同性愛は受け入れられないけれど、社会に顔向けできないだけで、子どもとの繋がりは続く。
欧米では「親と子は別」との考えが強いこともあって、子どもを受け入れられなければ子どもと離れたり、縁を切るケースが多い。
子どもからしても、親が受け入れてくれなければ、親と離れればいい。
中国では親子の繋がりが強く、一生続くものだからこそ、子どもは親に理解してもらいたいのだろう。
オーストラリアではLGBTQ+の理解が進んでいるが、受け入れはするけれど偏見が残っているケースは未だある。
減ってきてはいるが、キリスト教関係者はセクシャリティを治療するよう子どもをカウンセリングに行かせることもある。
日本人で知っている当事者でカミングアウトをしている人はほとんどいない。
理解が進んで欲しい。
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日本においても地域や年齢層によっては中国と似たような状況にあり、子どもを愛するがゆえに子どものセクシャリティを受け入れられず、親子共に苦しんでいます。
当事者がありのままで幸せに生きていける社会になるためには、セクシャルマイノリティの存在や困難な実情の認知を広げて支援者を増やしていくと同時に、希望を伝えられる当事者がロールモデルとして可視化され、当事者も親も明るい未来を描けることが重要だと感じました。
カミングアウトがハードルでも何でもない世の中が1日も早く訪れますように。