天空☆faya-y的毎天☆

~faye-yの日常~ 天空疊著層層的思念。

重松清『卒業』

2008-02-07 23:27:45 | 
あけましておめでとうございます。今日は旧暦のお正月・春節です。南京街も賑やかでしょう。風説に負けずにがんばっていただきたいものです。ああ、大根餅が食べたい。

先月、作品を書きながらも乱読したのは重松清。短編集が多いのもその理由です。私は短編しか書けないので。
その時に読んだうちの一冊短編集『卒業』。四編から成ります。

「まゆみのマーチ」
「あおげば尊し」
「卒業」
「追伸」

だいたい通勤の往復電車の中で本を読むことが多いのですが、これは失敗。帰りの電車で涙を流して泣きました。
どれも肉親の死をテーマにした作品です。死の喪失感(もしくは、死へ向かって生きている性)を乗り越え、卒業して明日に向かってゆっくりと一歩を踏み出す、そんな感じの作品たちでした。
重松作品を読むと主人公や登場者たちはいたって普通の人間で、だからこそそこに描かれる救いに読み手である私は安心するのです。どんなに失敗してもやり直すことはできるんじゃないかと思わせてくれるのです。
上記の短編では、「まゆみのマーチ」と「追伸」がとくに印象に残っています。電車の中でマスクしながら涙。酸欠になりました。

卒業 (新潮文庫)
重松 清
新潮社

このアイテムの詳細を見る


人間関係のやり直しって、すごく難しい。友達関係以上に親子、兄弟、夫婦という間柄は案外もろく、でも簡単に切ることもできない。
たとえ家族であっても一生分かり合えない。だけど、分かるはずだと思うから軋轢があるのでしょう。違いを受け止めて、そういう付き合いを互いに見出すときにやり直しはできるのかもしれません。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする