川上弘美『風花』

Bにさんやmambonさんのオススメだった川上弘美『風花』を読みました。

「わたし、離婚したほうがいいのかな」
33歳の＜のゆり＞が、夫の浮気を知り、ゆっくりと自分に向き合い、夫に向き合う物語。
作品の感想じゃなくて書きたいこと。読んでいて、自分の中の＜のゆり＞を感じていました。修復できないような状況でもすがってしまう。その心理の細部が痛々しい自分自身の記憶を呼び覚ましました。
でも、痛々しさはホントは今は全く感じてないて当時は痛々しかったなあ、という回顧。先日も友人と話していて昔の話になり（当時の勤務先で仕事中に別れ話を思い出し泣いたのです！）「私って、かわいかったなあ～」。当時、支えて下さった皆様すみません。

話を戻して、主人公のゆりは風花のようにふわふわと生きているのですが、ゆっくりと自分の歩く道を探していきます。
で、状況に流されやすい私はのゆりの最後の決意が今ひとつ理解できませんでした。理解という言葉は違うかも。私ならこれを選択するんだろうか、という感覚的なところ。私が結婚してないからかな。…でも、分かるような気もしてきた。してきました。・・・なんとなく。
しかし、なんだろうこの登場者それぞれの気持ちが分かるような気がするってのは。それぞれが私の中にあるのかなあ。

風花 川上 弘美 集英社 このアイテムの詳細を見る