天空☆faya-y的毎天☆

~faye-yの日常~ 天空疊著層層的思念。

創作に+史実@KANO

2015-01-27 23:18:29 | 映画
またまたKANOのことです。
調べれば調べるほど面白いことがでてきます。
3時間越えの長い上映時間内にふーんと聞きき流していた台詞に史実を含んでいた意味があったことを知ることは本当に面白いことです。

冒頭、戦地に向かう日本兵が台湾を電車で縦断しています。
彼は仲間に「嘉義(地名)についたら起こしてくれ」と言って眠りはじめ、同行している兵士は「あの嘉義農林の嘉義か」と返します。

注意1 【あの】と言われるほど日本では嘉義農林が有名だったのです。

調べていて分かったこと:不屈の精神で諦めない試合をした嘉義農林の野球部の故郷を戦地に向かう兵士たちは一目見て己も諦めない気持ちを奮い立たせていたそうで実際に「嘉義(地名)についたら起こしてくれ」と言われていたそうです。いかに本土で彼らが英雄であったかを知るエピソードです。

冒頭の日本兵は実は札幌商業の生徒で嘉義農林と対戦した時のピッチャーでした。彼は敗れたのち決勝戦の観客席で試合を見守ります。優勝を逃したものの諦めない野球をした彼らを彼は「天下の嘉義農林!」とたたえます。

注意2 「天下の嘉義農林」ですが、優勝した学校は別の学校。それでも「天下の」という称号が与えられたのです。

調べていて分かったこと:嘉義農林は現在、国立嘉義大学として存続していますがその構内には「天下の嘉義農林」と書かれたオブジェが建っています。3民族混成チームを日本人がたたえ、またそれを現地の人が誇りに思っていてくれていたのでしょう。

最初は差別的だった新聞記者が最後には感嘆の言葉を述べます。

実は私はこれは蛇足だぜーーーーーーー!と思っていました。そんなん言わんでも映画見ている人は分かってるって!ほんとにもぉ。と思ってました。
それは間違い。これも意図的に入れたセリフだったのです。
ここでは新聞記者ですが、実際が菊池寛が次のように寄稿しています。
「僕はすっかり嘉義びいきになった。異なる人種が同じ目的のために努力する姿はなんとなく涙ぐましい感じを起こさせる」
すまんかった。これは…入れざるを得ないよね。

映画(小説でも)の中にある言葉が史実に基づいたものだと知るとさらに物語の奥行が広がり、興味が次から次に湧くものです。
それにしても、よく調べられた脚本です。

《KANO》6分鐘預告 (香港 3月27日熱血上映)

香港公開時の予告編です。
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする