私がよく文楽に行ってるからといって文楽・浄瑠璃の知識があると思っちゃいけません。レビューを書く理由は、この程度の知識の人でも楽しめるのか?!という驚きをもって一人でも多くのみなさんに大阪がほこるエンターテイメントに興味をもって欲しいから。
意味も分からず、行っては居眠りを繰り返す私ですが、ちょっとづつ分かることが増え、また贔屓の方なんかもできたりして見方がどんどん広がるのですよ。
さて、昼の部は、
「新版歌祭文」
座摩社の段/野崎村の段
'野崎'は、あの春団治師匠の出囃子と言う方が落語クラスタにとっては馴染み。メロディアスに聞かせる三味線の場面は他の演目と比べても随一。実際、劇場でも頭を振り出した(拍子をとってる)のは、私以外に(お前もか?!)前のおじさんも!どうやら、桂吉弥さんも来ていたようなので絶対リズムを刻んでたと思う!!←決め打ち。それだけでも、落語クラスタには聞いて欲しい。
私のようなただ文楽に通うだけの門外漢でも野崎村は4回くらい当たってる人気の演目。
今回は野崎村の前の段がかかっています。前日、歌舞伎「桂川連理柵」で洟たれ丁稚が、丁稚でもお嬢さんとの恋なんていっぱいあるというのを「前髪」でも云々としてこの「野崎」をあげてましたね。あ、前髪か!と改めて注意して聞いてるとこちらでも前髪というフレーズが。それくらい若いということでしょう。お嬢さんとの結婚を望んではいけないくらいに。
乳母が気をきかせる様子に「ロミオとジュリエット」を想像してしまいましたが、まあ、この時代の日本では性的にはゆるかったので深刻に捉えてなかったのでしょうね。お嬢さん、めっちゃ大胆ですっ!!てか、その大胆さがあるのなら図太く生きていけそうよ…。
ところが、思いつめるこの二人。お金絡みの事件が起こり奉公先にいられず養父の元に戻ってくることになった丁稚どん。養父の女房の連れ子との婚姻がとんとん拍子に決まります。
このおみつがかわいい!私は何回見てももきゅんとなるわ、切なくて。。。
そこへやってくるお嬢さん。…二人のやきもちも可愛くて、ドリカムの歌にでてきそう。こんなシチュエーションじゃなかったら私達親友になったのに的な。
次に「関取千両幟」は、嶋大夫引退興行。これについては、引退興行なのになぜ切り場ではないのか?という疑問。呂勢さんの口上はいいのですが…。あまり言うまい。言うとるがな。
いいことを書いておこう。大夫さんでは芳穂大夫の声が一段と伸びやかでした!
力士猪名川をめぐる夫婦の話。もちろん大阪は池田の出身。贔屓客の馴染みの太夫(花魁)を引き出す請負をしたことから話がはじまります。
嶋大夫、三味線寛治さん、人形遣いが蓑助さんといういまの文楽最高峰が揃う最後の機会…。
で、途中で、曲弾きが入ります。これは寛治さんの孫寛太郎さん。
これはね…見て!?見て欲しい!!文楽?なにそれ高尚って感じがしてさっ、とか思ってる人に見て(聞くではない)欲しい!三味線をあんなことやこんなことして弾きます←大興奮。というのもこれは文楽はじめての人にもとっかかりがいいと思いますよ!
幕見なら1500円です!ほんと騙されたと思って!
最後が「釣女」狂言から歌舞伎、文楽に移入されたので舞台も文楽仕様、浄瑠璃も狂言っぽい。筋は説明しなくても分かります。落語クラスタには耳馴染みなフレーズもありますよ!これも幕見でも楽しめると思います。なんと500円…。
幕見は500円からありますよ!
詳細はこちら→幕見席について
黒門市場から献上されたにらみ鯛!
1/14スタートで近松のドラマしますよ!