南魚沼~わが故郷から~

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日本映画2作品

2010年03月06日 | Weblog
きょうは最近の2つの日本映画の話です。相変わらず劇場は当地にはなく、レンタルDVD鑑賞の感想。
もう皆さんは、どちらも見ているかもしれませんね。

ひとつめは、「ジェネラル・ルージュの凱旋」。
「チーム・バチスタの栄光」の(竹内結子扮する)不定愁訴外来・田口医師(別名窓際医師)と
厚労省官僚(切れ者役人)白鳥(阿部寛)コンビが帰ってきた。
今回は「救命救急」の話で、ミステリー仕立てのストーリー展開の中に、医療とカネの問題や医師不足、
ドクターヘリなどの現在の医療課題を織り交ぜて、現役医師作家 海堂尊の田口・白鳥シリーズの3作目
(映画化は2作目)。監督は中村義洋。

かなり面白い、途中から流れが一変、「救命救急の現場」を描きながら、ドラマは2転3転しながら、
痛快なラストに導かれる。
孤軍奮闘の肝の据わった救命救急センター長 速水晃一 を 堺雅人が好演、看護師長 花房美和を羽田美智子が
これまた良い演技をみせて、感動させてくれる。
「一人でも多くの生命を救うことが医療の使命」と言い切れない現実の医療機関の姿も合わせみせてくれる。
医療現場を描いた小説やドラマ、映画は多いが、わかりやさと面白さでは、群を抜いた秀作。
このブログでも取り上げたテレビドラマ「救命病棟24時」もお薦めです。

ふたつめは、「ハゲタカ」、「世の中はカネか、こころか」というコピーがテーマ、日本人とは本来こういうもの
だろうと共感を覚える一作。原作 真山仁、監督 大友啓史、大森南朋、玉山鉄二他出演。
日本のファンドが、中国の政府系巨大ファンドを敵に回して、日本屈指の巨大自動車メーカー「アカマ自動車」
を株買い占め、乗っ取りの危機から守りきれるかというストーリーの展開。
これが資本主義というものだろうが、企業とは何の為にあるのか、また宣伝コピーのように「何のために
働くのか」ということをシリアスに考えさせてくれる。
中国・アメリカのファンドを相手に、日本(鷲津)ファンドの頭脳戦が楽しめる。
これもラストは少し悲しいものも残るが、痛快である。
企業で最も重要なのは「人」であることを改めて教えてくれる一作。
しかし、今の金融資本主義社会、リーマン・ショックがあって、少しは静かになってるが、その本質は怖いものだ。
自分のようなお金のない者には無縁な世界だが、カネを動かす経営層が何十億もの収入を得る社会なんて
のはいいはずがない。

さて今年の日本アカデミー賞は「沈まぬ太陽」が受賞したとか。
山崎豊子の全5巻にわたる長編小説の映画化、監督 若松節郎 主演 渡辺 謙。
日本航空がモデルの巨大航空会社が舞台、労組委員長の経営層との対立や85年のジャンボジェット機
墜落事故なども描かれる。520人が犠牲となったこの事故をめぐる主人公と会社、そして遺族と
の関わりも描きながら、ストリーが展開していくものと思う。
早くDVD出ないかな・・と、5月28日を楽しみにしています。

アメリカの映画界もそうだが、こうした社会派といったらいいだろうか、優れた原作は日本にも沢山あり、
そうした作品の映画化が常に行われて、原作も映画も多くの支持が得られることは素晴らしいと思う。