MICHAEL SCHENKER [ INTO THE ARENA ] [III] LIVE 1981. VIDEO
今回はマイケル・シェンカー全盛期について語ろうと思います。
誰が何と言おうとも、マイケル・シェンカーが最も光り輝いた時期が、1980年あたりから1984年ごろまでなんですよね。
1970年代のUFO時代、「ロック・ボトム」、「ライツ・アウト」というスリリングな名曲で、ハード・ロック少年を興奮させた彼ですが、如何せんUFOというバンドはミディアム・テンポのポップなメロディを大事にするバンドです。マイケル・シェンカーのギター・ヒーローとしての資質は抑えられていました。その潜在能力の高さについてはみんながわかっていましたが、UFOではその才能を十分に発揮できなかったというのが本当のところ。
だから、満を持して自らの名前を冠したバンド「マイケル・シェンカー・グループ」のデビュー作が1980年に出た時は多くのファンが、「ついにやったか!」という衝撃に包まれました。やってくれるだろうという期待に、まさに応えた作品だったのです。
やはり、この曲「 INTO THE ARENA 」は、最も魅力的な曲です。ハード・ロックの分野において、歌のない「インストゥルメンタル」の曲で、こんなに魅力的な曲はありません。月並みな言葉になりますが、かっこいいのです。ものすごく!! その音に、いろんな喜怒哀楽が込められているようなすごいギター・プレイです。テクニックでは、彼よりうまいギタリストは星の数ほどありますが、こんなにドラマティックな展開をする曲を作れるギタリストは外にいません。抑え気味の感情が、一挙に花開くように爆発するようなところがあります。
ちなみ、このライブではコージー・パウエルがドラムを叩いています。スタジオ盤ではあのサイモン・フィリップスが叩いているので、比較すると面白いかもしれません。
MICHAEL SCHENKER [ LOOKING FOR LOVE ] AUDIO-TRACK. VIDEO
2作目は、コージー・パウエルが正式なメンバーとなっていて、ツインバスドラムのドカドカ音が楽しめます(笑)。
この曲はメロディがいいですね。間奏のソロにおけるマイケルのギターはまるで歌を歌っているようです。起承転結がきちんとあるソロで、クセになります。センスの塊のようなプレイで、聞き惚れますね。
Assault Attack (2009 Remaster) VIDEO
3作目はヴォーカルにグラハム・ボネットが加入して、音圧がすごい!この曲はテーマ・リフが強烈。
途中の、静かになってミュートしたギターのリフにメロディアスなギターがはいり、そのあと暴力的なギターが押し寄せてくる展開といったら、凄い!ホントに天才だなって思います。やはり「神」としか言いようがない。この曲も名曲ですねー。
Captain Nemo (2009 Remaster) VIDEO
4作目からはこの曲ですね。この曲もかっこいい!モントローズの曲で似たようなリフがありますが、そんなの関係ない!こちらはインストです。全体の印象は全く違います。やはり、メロディの展開は「神」としか言いようがない。さすが、ベートーヴェンを生んだ国の人です。クラシックの素養も感じさせます。
いかがでしょうか?全盛期から名曲4曲を選びました。他にも素晴らしい曲がありますが、きりがないので4曲としました。
この後、マイケルは名曲を作れなくなります。
最近10年ほどは毎年のようにアルバム作品を発表していますが、全盛期に匹敵するような素晴らしい曲は全くありません。リフもメロディもイマイチです。
でも、ライブでは元気に過去の曲を弾いているし、スタジオ作品の新作においても、ギター・ソロで一瞬の輝きを示すことがあるので、多くのファンは彼を声援し続けます。
マイケル・シェンカー特集は、あと1回。66才になった彼の近況のプレイを取り上げたいと思います。