ミュウのCLASSIC ROCK LOVE

70年代、80年代のロックとその周辺の音楽について気の向くままつぶやきます♪最近のロックも取り上げます。

デビュー50周年で、若さ溢れる19作目  Invincible Shield  / Judas Priest  2024年3月

2024-03-09 10:07:03 | judas priest
最近新作を発表したローリング・ストーンズのミック・ジャガーは80才(若い頃は30才になったらロックなんてやっていないなんて発言をしてました笑)。
その彼には負ける73才ですが、やっているのは、ブチ切れるハイトーン唱法のヘヴィ・メタル。まさかまさかの70代のヴォーカリスト!がロブ・ハルフォードです。
彼のメタル魂というかロック魂には敬意を表せざるを得ません。
そんな、ロブ・ハルフォードを擁するJudas Priest の最新作をご紹介します。
今作品はYouTubeでボーナス・トラックを含め全曲配信です。スマホさえあれば、別にサブスク契約がなくても、全曲聴けます。時代は変わりましたね。

このバンドは日本でデビューした1976年からずっと追っかけていますが、まさか48年後も新作を発表しているとは当時は想像もしなかったと思います。
実際、3作前の「ノストラダムス」あたりは、かなり落ち着いた作風になり、バンドも引退を迎える雰囲気がありました。
ところが、若い新メンバーを迎えて、リフレッシュ。
そして、今月発表したこの作品「 Invincible Shield 」は凄まじいほどの現役感と若々しさで満ちています。賛否両論はあるでしょうが、今まで最高傑作と言われていた1990年の「Pain Killer」を超えた最高傑作だと思います。リッチー・フォークナーとアンディ・スニープがもたらした力は大きく、古参のメンバーとの化学反応が素晴らしい音に昇華したという印象です。

最新作のポイントは、彼らの平均年齢からは考えられない若さ溢れるエネルギーと練りに練ったアレンジでしょうか?
どの曲も、一筋縄ではいかない展開があり、かつキャッチーです。ギターのフレーズなどは、完全にメロディアスに作りこまれていて、完成度が高い。ここにはこういうメロディやソロ、リフが欲しいと思ったところに、そうしたものが見事にはまっています。まさに緻密なデザインの芸術作品を見るよう。
長年のジューダス・プリースト・ファンならわかるでしょう。今回の作品はルーズなつくりはほぼありません。メロディの展開も起承転結がはっきりしてて、よくメロディアス系のメタルでありがちな、欲求不満が一切発生しません。ちゃんとサビの部分やギター・ソロで至福の満足を達成するというようなアレンジになっています笑。
まさに傑作を作ろうとして、傑作になった作品と言えるのではないでしょうか?
一番の肝は、やはりロブのヴォーカル!ブチキレの叫びが見事です。この年齢で出せるんだ!!と驚きます。若い頃に負けない凄まじさで、鬼神のよう!
そして、リッチー・フォークナーのギターの上手さにも脱帽です。たぶん、パーキンソン病のグレンは簡単なリフとかフレーズのみ担当でしょうから、激しいプレイはすべて彼がやっている可能性が高い(プロデューサーのアンディも弾いているとは思いますけど)。痒いところに手が届くような細かいプレイを見事にやりきっています。

メタリカ、アイアン・メイデンとともに、クラシックなヘヴィ・メタル&ハード・ロックのレジェンドである彼らがここまでの作品を作り上げたことで、全世界の彼らのファンはかなり満足したのではないかと推測します。
彼らがこの先、どこまでバンドを続けられるかわかりませんが、間違いなく、大きな足跡を残したと考えます。

今回は珍しく、全曲紹介をやります。

1曲目は、「Panic Attack」。
やはり、リーダー・トラックだけあって、実に完成度が高い曲です。
ドラマティックな構成は貫禄の出来栄え。この曲で、ロブは高音を披露しており、いまだに現役のシャウターであることを誇っています。過去50年の歴史に基づくサウンドでありながら、実にきらびやかでモダンに仕上がっていると感じます。まさに集大成ともいえる曲です。聴きこめば聴きこむほど味が出てきます。

Judas Priest - Panic Attack (Official Video)


2曲目 「The Serpent and the King」も、強力です。
元気いっぱいの彼らの典型的なスピード・チューン。
ロブのヴォーカルはあの「ペイン・キラー」発表時と変わらず、ブチ切れています。驚異の喉としか言いようがありません。
ワイルドな曲でありますが、キャッチーなメロディが散りばめられていて、実に耳になじみます。
ギターのリフやソロは見事に熟練の職人の技で手抜きは一切感じません。
圧倒的な力を誇る曲に仕上がっています。
Judas Priest - The Serpent and the King (Official Video)

3曲目もパワー・チューン。アルバム・タイトル・ソング「Invincible Shield」
です。3曲連続で攻撃的な曲が来るというのは予想しませんでした。キャッチーなサビのメロディと歌詞はライブで大合唱になりそうな予感がします。この曲も彼らの楽曲におけるクラシック・タイプではあるのですが、仕掛けがたっぷりあって、並みの曲と盛り上がり方が違います。ドラマティック・メタルと言いたくなりたくなります。曲の最後の方の哀愁たっぷりのメロディアスなギターのフレーズは感動を引き起こします。こういう技は昔からうまいんですよね。

Judas Priest - Invincible Shield (Official Video)

4曲目「Devil In Disguise」はちょっと落ち着いた曲です。でも、キャッチーな展開でギターもドラマティック。

5曲目 「Gates Of Hell」はちょっとしたハイライトになる曲です。
イントロのアレンジが実にキャッチーで、期待をさせる感じです。
80年代のアリーナ・ロックを思わせるスケールの大きさを感じさせる楽曲。過去の彼らのいろんな要素がいっぱい入っていて、ベテランのファンならニヤリとしまいそう。ギター・ソロはまるで、80年代のヒット曲を思わせる親しみやすさですね。

Judas Priest - Gates of Hell (Official Lyric Video)  


6曲目「Crown Of Horns」もキャッチー。ポップな曲が2曲続くというのは彼らとしては珍しい。
7曲目「As God Is My Witness」は再びスピード・ナンバー。機関銃のようなリフが心地良いです。そしてメロディアスなソロは見事。そして、ロブがメロディアスなサビを歌う時は神が如くオーラをまとう感じがします。曲が至高の高みに昇り詰める印象です。
8曲目「 Trial By Fire 」。この曲もイントロが凝っています。この曲はロブの喉に負担がないタイプの曲で、聴き手としては安心してしまいます。
9曲目「 Escape From Reality 」。ここに来て、やっとダークなリフの曲が出てきました。ややサバスのような雰囲気で、アルバム「ノストラダムス」の時に収録されていた曲はこんな感じが多かったような。こういう曲はアルバムの彩りに必要なのでしょう。
 10曲目「Sons Of Thunder」。ミディアム・テンポのパワフルなリフを持つ曲。やや地味かな?と思ってたら、ギター・ソロが実にかっこいい。短い曲。
11曲め「 Giants In The Sky 」 。正規のアルバムのラストの曲。他の曲と違った雰囲気を持つゆったりした曲。何となくリフは70年代の香りがします。。アコースティック・ギター・ソロとそのあとのバラード風の展開が印象的。

12曲目 ボーナストラック「Fight Of Your Life」。これも、70年代っぽいリフ。
ステンドクラスかキリングマシーン時代の雰囲気。昔の曲かな?と錯覚します。ボートラのせいか、アレンジがおとなしめ。でも、サビのメロディがキャッチーです。最後の方で見事に盛り上がります。
13曲目ボーナストラック「 Vicious Circl」。ノリのいいミディアム・テンポの曲。彼らの典型的な曲です。正規の収録曲にならなかったのは、今一つ個性を作れなかったからかもしれません。
14曲目ボーナストラック「The Lodger」。最後に、悲し気なメロディを持つバラードを持ってきました。この曲だけ、かなりイメージが違いますね。悪い曲ではありませんが、やはり地味さはぬぐえないところで、そういった理由から正規収録曲から漏れたのかもしれません。

それにしても、あらためて50年の歴史を持つバンドというのはすごいと思います。日本ではセカンド・アルバムから紹介されているので(ファーストアルバムは後から日本発表となりました。)、私のような最古参のファンでも48年の付き合いですね(もちろん、イギリスでデビューした時から追いかけている人はいるでしょうけど、ごく少数でしょう。)。興味ない人にとっては、全くどうでもいいことでしょうけど、私にとっては宝物の歴史です。
これを機会にすべての作品に向き合っていこうと思います。19作品はかなりのヴォリュームですね(笑)。

Judas Priest - Crown of Horns (Official Video)


 



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