カンタベリー・ロック特集も今回を入れて、残り2回です。
今回は、前回予告したとおり、ナショナル・ヘルスのデイヴ・スチュアートがいたエッグ。
モント・キャンベル(ベース、ヴォーカル)、デイブ・スチュアート(キーボード)、クライヴ・ブルックス(ドラム)というキーボードをメイン楽器とするロック・トリオです。もともとはユリエル(Uriel)というバンド名で、ギターにスティーブ・ヒレッジがいたようなのですが、脱退し、その後バンド名をエッグに変えたという経緯があります。
このバンドは、ロンドン出身なのですが、モントとデイヴがカンタベリー系ミュージシャンと合流したことにより、このバンドもカンタベリー・ロックの一群の中に捉えられるようになりました。
Eggは3枚のアルバムを残しています。1970年にファースト・アルバム「Egg」と「The Polite Force」を発表し、その後解散したのですが、一時的に再結成し、サードアルバム「The Civil Surface」を1974年に発表しています。
インパクトの強いのはやはりファースト・アルバムで名盤とされています。
オルガン主体のトリオのロックといいながら、かなりクセのあるサイケの香りがするプログレで、同じトリオのEL&Pとかなり印象が違いますね。
エンタティメント系でポップな方向にあるEL&Pと違い、かなり真剣に実験的に音楽を突き詰めようとしている感じで、一般の人にはとっつきにくい印象があるかもしれません。
でも、クラシカルだったり、ジャズっぽかったり、複雑な構成・リズムに挑んだりとマニアにとってはワクワクするサウンドです。のちのナショナル・ヘルスに通じるところが確かにあるような気がします。
モント・キャンベルのベースが結構存在感があり、そこも聴きどころですね。
彼のヴォーカルについては、ちょっと時代を感じてしまいますが、ベースは好きな音です。
今回はファースト・アルバムがレコードで発表されたときに、B面全部を使った大作「Symphony No 2」をご紹介します。
長い曲ながら、いろんな展開があり、聴きごたえ十分。
彼らはキース・エマーソンのナイスを参考にしていたようですが、単に参考にするだけでなく、さらに新しいロックを作ろうと挑んでいる勢いを感じます。
三人の若者の研ぎ澄まされたセンスが見事に発揮されているのではないかと思います。。
Egg - Symphony No 2
さて、次回で、カンタベリー・ロック特集は最終回とさせていただきます。
次回は「カーン」です。