花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

秋、ピンク色

2020-10-12 | 植物 花

「アキグミ」(秋茱萸)が、赤く熟れてきました。<此の記事は、再掲載>

北原白秋作詩の童謡<砂山>に詠まれている ”かえろ かえろよ ぐみはらわけて” の ”ぐみはら(茱萸原)” は

此の「アキグミ」を指すとか、砂山に生茂った茱萸の木の間を掻き分けて

家路に着く子供達の姿が目に浮かびます。

長楕円形の「ナワシログミ」(苗代茱萸)や「ナツグミ」(夏茱萸)に比べて

小さく球状で、表面を銀粉で塗した様に白い沢山の斑点が浮き出ています。

初夏に色づく他の「グミ」に対して、秋に色ずく故の命名とか

砂防の為に、海岸に多く植栽した由、童謡 ”砂山” の歌詞が頷けます。

他の茱萸同様、食べられます、子供の頃のお八つでした、甘くて少し渋い味がします、ホロ苦い味かな。

グミ科、グミ属、落葉低木、日本、東アジア原産、学名 Elaeagus umbellata、英名 Japanese Silverberry



 

”ピンク色の花” は、「コルチカム」と「ルクリア・ピンセアナ」の花です。

<「コルチカム」Colchicum Hybrids

ユリ科の「サフラン」や「クロッカス」に似た花を咲かせます。

60種位の原種が在る中から、園芸種が多く作出されているようですが

基本種は、「イヌサフラン」の名前の「コルチカム・オータムナーレ」種  Colchicum autumnale

と「コルチカム・スペシオサム」種  C.speciosum とのこと、一重が主ですが、八重咲きの花も

亦、花色は、ピンク、藤色が主ですが、白色、黄色も有ります。

春に披針形の葉を出しますが、夏には枯渇して無くなり、秋に球根から蕾を出して花を咲かせます。

花後の春に葉葉をつけるわけです、故に ’Naked Lady’ の愛称が、付いています。

似た花で同じ秋に咲く「サフラン」、春に咲く「クロッカス」との違いは

「コルチカム」は、ユリ科、「サフラン」、「クロッカス」は、アヤメ科

「コルチカム」は、花と葉が同時に着かない、「クロッカス」は、糸状の長い赤い雌蘂が目立ちます。

「コルチカム」の名前は、原産地のアルメニアの古代都市<コルキス Colchis に由来するとか

イヌサフラン(ユリ)科、イヌサフラン(コルチカム)属、耐寒性球根

ヨーロッパ、北アフリカ、地中海沿に自生、学名 Colchicum Hybrids英名 Autum crocus、Meadow saffron

別名「イヌサフラン」、「オータム・リリー」、「オータム・クロッカス」等々


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<「ルクリア・ピンセアナ」(「アッサムニオイザクラ」>

 「ルクリア・ピンセアナ」の花も今が開花期です。

香りが有り、ピンク色が「桜」のイメージで、アッサム地方原産なので、流通名が「アッサムニオイザクラ」とか

花弁は、五弁で、20輪位が球状に着けます。

園芸種も多いようで、花色は、白、ピンク、濃いピンク色が有ります。

アカネ科、ルクリア属、半耐寒性常緑低木、ヒマラヤ、中国原産、学名 Luculia pinceana

「アッサムニオイザクラ」(ルクリア)が香ります、「匂い桜」の名前の由来です。

勿論、「桜」ではないのですが、花が長く咲くので “散らない桜” の異名が付いていました。

五弁のピンクの花が、花の少ない冬の彩です。

5度位で越冬できますので、冬は、室内に取り込んで楽しみます。

アカネ科、ルクリア属、半耐寒性常緑低木、インドアッサム、ヒマラヤ地方原産、学名 Luculia pinceana

亀吉

<各画像は、クリックで拡大表示します>


此の時季の動物の名前が付いた花々(3)

2020-10-09 | 植物 花

動物の名前が付いた花々(3)には、「亀の顔」、「猫の髭」です。

最初は、「ケロネ」”亀の頭” です、総状花序に、淡い紫色、白色の肉厚で、唇形の花を咲かせます。

蕾の形が、亀の頭に似ているので、此の名前が、付いた由

「ケロネ」Chelone は、ギリシャ語で亀を著わすとか、似てると言えば似てるかも

ゴマノハグサ科、ケロネ属、多年草、北アメリカ原産、学名  Chelone lyonii英名  Shellflower

Pink turtle head、別名「ジャコウモドキ」、「チェロネ」、「スピードリオン」(早生種)

 英名 ”貝殻花”、の方が、一方の ”ピンクの亀の頭” より的を射てるかも




 ”亀の頭” に似ていますか ・ ・ ・ 次の画像は、どうでしょうか ・ ・ ・  

一応、画像をクリックし、比較してお確かめ下さい。

次は、”猫” です,「ネコノヒゲ」(猫の髭)です。

雌蘂、雄蘂が、上向きに伸びて、反り返る様子が、宛ら、”猫の髭” です。

総状花序に白、淡い紫、淡いピンクの花を茎下から順次咲かせます。

初夏から晩秋へと長い期間愉しむことができます。

花色は、白、薄紫色で、茎下から順次咲き上がります。

薬草(薬効ー利尿、血圧降下)、クミスクチン茶としても知られています。

シソ科、オルトシホン属、非耐寒性多年草、インド、マレー半島原産

学名 Orthosiphon aristatus、英名 Cat's wiskers、別名「クミスクチン」、「キャッツウイスカー」

「ホワイトキャットマスターチ」、「オルトシホン」

学名 Orthosiphon は、ギリシャ語で  Ortho は、”真っ直ぐ”、siphon は、”管” の意味とか

別名の「クミスクチン」は、マレー語で、「クスミ」=髭、「クチン」=猫 の意味となっています。



下図は、猫の髭のUPです、似ています。

<各画像は、クリックで拡大表示します>


動物の名前が、付いた花達(2)

2020-10-07 | 植物 花

今回の動物は、”ネズミ” 、「クフェア・プルプレア ”タイニーマイス”」の花です。

「クフェア」Cuphea spp. の代表的な園芸種、「クフェア・プルプレア ´タイニーマイ ス`」です。

「クフェア」の中では、動物の顔<鼠>に一番似ている品種です。

筒状の先端の萼が、複雑な黒や赤色の複雑な形で、縁に赤い花弁が着きます。

此の形が、ユニークで、一見、鼠の顔に見えますが

よく観ると、ネズミより蝙蝠に似ているような気がしますが

<タイニーマイス> Tiny Mice  “小さな鼠たち” の由来です。

ミソハギ科、クフェア属、メキシコ原産/園芸種、半耐寒性常緑低木、学名 Cuphea purpurea ´Tiny Mice`

英名  Cuphea Tiny 'Mice' 、別名「タイニーマイス」

他に、「クフェア」の主なものは、「ハナヤナギ」(「クフェア ミクロペタラ」) Cuphea micropetala

「メキシコハナヤナギ」(「クフェア ヒッソピフォリア」) Cuphea hyssopifolia

「ベニチョウジ」( 「クフェア イグネア」) Cuphea ignea 等が有り

一般的には、「メキシコハナヤナギ」を「クフェア」とするとのことです。



濃い黒紫色が顔、萼が耳、白色は、歯ですか

他「クフェア」Cuphea spp. には、「クフェア・イグネア」が、有ります。

花の姿が、”火が点いたタバコ” の様に見えるので、「タナコソウ」(煙草草)の名前も付いています。

毛を生やした枝が、多数分枝します、花は、葉と葉の間に着いて咲きます。

花の筒状ものは、紅色が鮮やかな萼で、先端に濃い紫の輪と其の先端に白い輪が着きます。

ミソハギ科、クフェア(タバコソウ)属、半耐寒性常緑低木、メキシコ、グアテマラ原産

学名 Cuphea ignea 、英名 Cigar flower、Cigar plant、別名「タバコソウ」(煙草草)、「ベニチョウジ」(紅丁字)

現地では、200種以上の品種が有るとのことですが

他に、日本で見られる主なものは、「クフェア・ヒソップフォリア」C.hyssopifolia) =最後に載せます。


最後は、「メキヒコハナヤナギ」(クフェア・ヒソッピフォリア)です。

どう見ても、動物の姿とは、懸け離れていますが「クフェア」の一品種なので載せてみました。

茎には、軟毛が、生えて、緑色から茶褐色に変化して木化します。

草丈50cm位になって匍匐します、花は、6弁花で花弁に浅い皺が走ります。

ミソハギ科、ハナヤナギ属、常緑多年草(亜低木)、中央アメリカ原産

学名 Cuphea hyssopifolia 英名 Mexican heather、False heather、Elfine herb


<各画像は、クリックで拡大表示します>


動物の名前が、付いた花達(1)

2020-10-05 | 植物 花

今日は、此の時季に咲く動物の名前が付いた花々(1)です。

最初は、<狸> の顔に似ている、「タヌキマメ」(狸豆)の花、果実です。

「タヌキマメ」(狸豆)

茎の先端の総状花序に数個の蕾を着け、蝶型で青紫色の花を咲かせます。

花は、早朝に咲き始め、午後には、萎みます、一日花です。

花後に萼が生長して、豆果を包みます、葉は、細長く笹の葉に似ています。

名前の由来は、茶色の粗い毛を生やした萼が、”狸の毛深い躯と腹の辺りを著わすから” とか

”花を真向かいから眺めると狸に似ているから”との説も有り

他には、”狸の陰・に似ているから” との説も載っていました。

マメ科、タヌキマメ属、一年(多年草)、日本、中国、朝鮮半島、熱帯アジア原産、学名 Crotalaria sessiliflora

学名の Crotalaria は、ギリシャ語の Crotalon <玩具のガラガラ>の意味で

熟した果実を振ると、鞘の中の種子がガラガラと鳴るからとか





 名前の由来の一つの説、”狸に顔” に見えますか


下図は、果実の鞘が熟して、縦に溝が入った面白い形の種子が、飛び出します。


次は、”ブルーの猫の目” 「オタカンサス」の花です。

<「オタカンサス」>

唇型の2枚の青紫色の花弁が、上下に開き、中心に細長い白い斑模様がを猫も目に見立てています。

別名「ブルーキャッツアイ」の名前が付いた由来です。

ブルーの瞳をした猫もいますから、名前も合致していますか

花径 約3cm、草丈1M位まで伸び、葉は、対生します。

花言葉が、”心変わり” 、猫の目がクルクル変化するからとか

ゴマノハグサ科、オタカンサス属、半耐寒性多年草、南アメリカ原産、学名 Otacanthus caeruleus

英名 Blue Cat's Eye、Brazilian Snap Dragon Amazon Blue



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「鶏頭」シリーズ(2)

2020-10-03 | 植物 花

秋の風物詩「鶏頭」シリーズ(2)は、「トサカケイトウ」(鶏冠鶏頭)

「クルメケイトウ」(久留米鶏頭)、「ノゲイトウ」(野鶏頭)の3種を採り上げました。

前回の「鶏頭」シリーズ(1)で採り上げたアマランサス属の「ハゲイトウウ」や

「ヒモゲイトウ」とは異なるものです。

種類には、鶏冠系の<クリスタータ グループ>、<久留米ゲイトウ グループ>

プルモーサ系の<羽毛ゲイト グループ>、<野ゲイト グループ>等々が

 

最初は、「鶏頭」の代名詞、馴染みのトサカ系の「トサカケイトウ」です。

<「トサカケイトウ」鶏冠鶏頭>

鶏の〝鶏冠” の下に小さな花を密集して咲かせます、名前の由来は、花穂が、鶏の ”鶏冠” を連想させるからとか

亦、学名の Celosia とは、ギリシャ語で、花の姿が、”燃え盛る炎” を意味するとのこと

中国から入り、万葉集にも載っている位、古い時代から栽培されていた由

花色は、黄、橙、赤、ピンク等々

ヒユ科、セロシア属、一年草、熱帯アジア、インド原産

学名 Celosia argentea var.cristata




次は、「トサカケイトウ」Celosia argentea var.cristata1品種の「クルメケイトウ」(久留米鶏頭)です。

花序が球状になるので、”鶏冠” のイメージとは多少異なります。

 

最後に「野鶏頭」、別名「セロシア」です。

花序が、”ローソクの炎” と表現されて、他の「ケイトウ」等とは、違った姿です。

カサカサした長い花序が、立ち上がります。

草丈が、1M以上にもなりますが、最近は、草丈が低い園芸種が、多く視られます。

花序高 10~15cm、草丈 80cm位迄、花色 は、赤、ピンク

ヒユ科、セロシア属、非耐寒性一年草、熱帯アジア、アフリカ、インド原産

学名 Celosia argentea Spicata Group英名 Celosia 、他の別名「カラアイ」(唐藍)


下図は、「セロシア・アルゲンテァ」の中でも長い花穂が特徴の「セロシア・カラカス」(C.caracas)

載せてみました、淡いピンクや濃い赤紫色が綺麗です。

亀吉

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