台湾での最終日の11月17日に台北探索館で行われているテレサ・テンの特別展を見に行った。10月8日から1月10日まで開催されており、テレサの昔の写真や当時の新聞記事、過去に発行された彼女の記念切手、レコードジャケット等が展示されていた。館内ではテーマ曲の「何日君再来」の音楽が流れ、「時の流れに身をまかせ」の中国語版ともう1曲中国語での歌を歌うテレサの姿が繰り返しビデオでも流れていた。彼女とツー・ショット写真を撮るコーナーもあり、DVDや各種特別記念品の販売も行われていた。
また、別室では、たった4分であるが、彼女が歌う立体のホログラム映像の鑑賞会が30分おきに公開されていた。これは、今年5月23日に東京で行われた「テレサ・テンのメモリアルコンサート」で披露されたホログラム映像と同じ形式のものだが、歌っていたのは、中国語の歌で「甜蜜蜜」という曲であった。日本では馴染みが薄いが、個人的には何回も聴いたことがある曲だったので、懐かしく彼女の歌う映像を楽しむことができた。
今回の旅行で、残念ながら高雄での博物館(閉鎖)と雲林県の生家(公開中止)を見ることができなかったので、たまたまこの特別展を見ることができたのは大変ラッキーであった。また、お墓参りでは、ツアーに入らず個人で行ったので、1時間に1本というバスのスケジュールのおかげで、墓園に約1時間もいることができたのもラッキーであった。その間、テレサの歌をたっぷり聴いたり、ボランテイアのおじさんと話をしたり、テレサのブロマイド写真の位置を動かしたり、楽しいひと時であった。
今回の旅は、45年前に生まれて初めて行った外国が台湾であったので、100か国を目前にして、まさに初心に戻る旅であったといえる。テレサ・テンのことを知ったのもまさに45年も前のことであり、あの時彼女は17歳、それが今はもう亡くなってから20年も経つのだから、45年の歳月をひしと感じる。
彼女はもうこの世にいないが、今でも台湾では根強い人気があるし、お墓の前で彼女の歌声を聴いていると、イエス・キリストではないが、復活しているような錯覚に陥るほどである。また、陳佳(チェン・ジャ)のように、テレサの歌声にそっくりな可愛い若手の歌手も出現しているので、テレサ・テンの世界に浸り続けることができるのも嬉しいかぎりである。
ただ、20年という歳月も大きく、生家や博物館のクローズも心配の種であり、彼女の遺産をきちんと維持したり、情報を発信したりする人達が少なくなりつつあるのではないかと感じる今日この頃である。