ロシア軍は、「特別軍事作戦」として、東部ドンバス地域に次いで、南部を完全なる管理下に置くため、モルドバに侵攻する可能性を示唆したというニュースが流れていた。港湾都市オデーサの掌握を狙い、そこに近いモルドバでは、「ロシア語を話す住民らが迫害されている」と主張し、軍事行動を起こす必要性を強調しているという。
ルーマニア系民族が多数を占めるモルドバではソ連崩壊後、ロシア語を母語とするロシア系住民とウクライナ系の分離独立勢力が、自称「沿ドニエストル共和国」を樹立。ロシア軍が後ろ盾として駐屯してきた。一方、モルドバでは2020年に親欧米派のサンドゥ大統領が就任。ロシアは侵攻を示唆し、モルドバのEU加盟を阻止する思惑もあるとみられるようである。
モルドバに旅行したのは、2010年9月のことで、ウクライナのキーウから、アエロスヴィット航空でモルドバの首都キシナウ(キシニョウ)に入った。ヨーロッパでは最貧国の一つされているように、キシナウでは、観光資源はほとんどなく、見て回ったのは、キシナウ大聖堂、勝利の門、シュテファン・チェル・マレ公園、青空マーケット、国立歴史博物館、国立民族歴史博物館、プーシキンの家博物館ぐらいで、丸一日あれば十分であった。観光として見るべきものはほとんどないものの首都は全く平穏であったが、今回のウクライナ問題で、ウクライナとの国境近くに沿ドニエストル共和国としてロシア軍が駐留していることを初めて知った。モルドバはウクライナからの避難民も多数受け入れているが、親EUの女性大統領をプーチンは嫌っているようなので、侵攻も予断を許さない状況にある。何とか食い止める手立てはないものであろうか。
写真は、キシナウ大聖堂