浪漫飛行への誘(いざな)い

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知床観光船の事故でよぎった3つこと

2022年04月29日 08時07分37秒 | 旅行

 

3月以降ロシアによるクライナ侵攻のニュースばかりであったが、ここにきて知床観光船の遭難事故の痛ましいニュースがマスコミをにぎわしている。沈没により乗員乗客26人全員の死亡は確実であるが、まだ一部の遺体も船も見つかっていないというからまだまだ解明に時間がかかると思われる。この事故のニュースに接して、3つのことが頭をよぎった。

一つは、もう50年も前のことだが、自分で行った知床観光のこと、二つ目は、10年前の長崎の軍艦島観光のこと、三つ目は「臆病者と呼ばれる勇気を持て」という元日航社長、松尾静磨さんの言葉である。知床観光に出かけたのは、当時千歳に勤務していた時で、休日に自家用車で知床界隈までロングドライブしたものである。途中何か所に立ち寄って、2-3泊はしたと思うがどこかよく覚えていない。ウトロ、知床五胡、オシンコシン滝には行ったような気がする。当時から、今回事故を起こした観光船があったのかは確かではないが、車での移動だけであった。当時、森繁久彌の歌う「知床旅情」流行っていたので、観光ブームが起こっていたと記憶する。北海道には4年ほど住んでいたが、知床はじめほとんどすべての観光地を見て回ることができた。利尻・礼文・天売‣焼尻・奥尻という離島にも全て足を運んだ。北海道は観光地としても魅力は絶大なものがあるので、今回の知床観光に来た人の思いが十分すぎるほどよくわかる。無念の一言である。船会社の杜撰さにもあきれ返るが、二度とこのような事故を起こさないでほしいものである。

次の軍艦島観光のことであるが、前日天候がよくなく、海が荒れているとのことで、数社ある船の運航会社の内、1社だけが予定通り運航し、他社はすべて欠航となった。若干迷ったが、折角長崎まで来たのだからと思いで、1社の軍艦島ツアーに参加した。当日雨は降っていなかったが、高波で、船から島に上陸するのに苦労した記憶がある。それでも、予定通り、軍艦島内の見学は無事終えることができたが、今回の知床の事故を見るに、当時もその危険性はあったのだろうと今になってぞっとする思いである。全面欠航であれば諦めもつくが、運航か欠航かの判断が各社によって異なり、一部運航となると迷うことになる。知床の乗客も同じ思いでクルーズに参加したかと思うと胸がつまる。

最後の「臆病者と呼ばれる勇気を持て」は、「無謀な行為をすることが勇気ではない。危険だと思ったら、たとえ臆病者と言われようが行わないことこそが、本当の勇気だ。」ということで、安全運航第一と考える航空会社のパイロットに対し、当時の松尾社長が常日頃語っていた言葉である。天候が悪い時は無理して着陸することなく、引き返してもいいから、回りからどんなに臆病者と呼ばれても、安全運航に徹すべきということである。今回の船会社の社長及び船長に熨斗をつけて贈りたい言葉である。社長に運航しろと言われた時、船長には残念ながら断る勇気がなかったのであろう。残念な結末である。安全軽視のこの会社は、当然倒産となると思うが、犠牲が大きすぎる。業務上過失致死として厳しく裁かれることになろう。

 

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