ふうせんのホームページ

合唱とパソコンを趣味として、つれづれなるままに、書き連ねます。

路地

2015-06-04 10:30:29 | 日記

高校生の頃、「橋のない川」という映画を見たことがある。

 

白黒の映像が、最後に映し出された太陽が赤く燃えているのに、いいようのない感動を覚えた。

エタとか、そんな言葉を何度も反芻した。

 

人には、身分があって、士農工商と言われた時代があった。

職業の差別、人の身分に差別がなくなったとされた時代にも平民、などと、称された。

 

人の心に潜む他人への差別。

これは人が作り出し、再生産される人為のもの。

生まれ育ちに、とやかく言う人。気にする人は多い。

しかし、差別の材料とする者は、なんでもネタを探し出す。

いわれのないことでも、よくそんなことをと思えるような些細なことでも、差別は、優越感への表れ。

差別は、自身への慰め。

人間の弱さへの防御。

なので、無くなることはない。

 

無くならないことが、口惜しい。

 

日本の路地を旅する

上原善広

文春文庫

The River With No Bridge Trailer 橋のない川 予告編