以前は、田舎といっても、怖い場所、怖い所は色々なところにあった。
思い出にあるのは、歩いて10分ほどのところの防空壕の跡地。
小学生の頃は中をのぞき見ることができた。
暗くて狭い跡地をみて、こんな怖い所に避難していたのかと子ども心に思った。
家の裏には田植えの時期になると川の水が流れてくるようになった。
そこには、ヒルがいて、遊んでいたら仲良しの子の足にヒルがたかって、血が流れたことがあった。
ざりがには、鋏を振り回すので挟まれそうで触れなかった。
大通りがすぐそばにでき、はじめの頃は散歩ができたが、2,3年もすると大型のトラックや自家用車がびゅんびゅん飛ばしてくるようになり、横断歩道からしか渡れなくなった。
家には、かまどがあり、風呂も薪だった。
くべると夏の太陽より熱くなって、顔が真っ赤になったものだった。
バスや電車に乗るときは、ホームの端からうんと離れて、歩いた。
端を歩いていると電車が近づくと吸い込まれるから、電車が来そうな時は端は歩かなかった。
バスの前や後ろは、通らないようにとバスの運転士がいつも、注意していたものだった。
こどもが出来てからは、周りの危険についてもっと気をつけるようになった。
危なそうな場所。触ると危険な物。
近寄っては怖い場所。
そういうのを察知して、また予想して、幼児の子を一人歩きはさせないようにした。
裾を持ったり、手を握ったり、危ないことをしないように注意したものだった。
今は、赤信号でも道路を横断する。
直線道路でも、横断禁止のところでも横断する。
ながらスマホやゲームをしながら歩く。
歩きながら本を読む身内には「危ないからやめなさい」と何度か注意した。
今は、横断歩道での通行、車庫に入る車の前後。
ホームでの歩行。
危険は以前より増しているが、注意する人はほとんどいない。
電車が入線しているのに、ホームの端を歩く。
自転車に乗って、歩道を飛ばす。
赤信号を渡る。
危険を恐れない人が増えた。
そして、手を貸す人も増えているように思う。