料理にはレシピがあって、他人が考えた料理をレシピをみて作れば見た目には作者の作ったのと
同じような料理ができます。
でも、同じレシピを使っても、別の人が作ると、味加減が少し違うとか、舌触りが微妙に違うとか言うことがあります。
素材が違うという事もあります。
味付けの量がたとえば「少々」と「一つまみ」では、どうしても違ってきます。
同じ楽譜をみて、同じ指揮者、同じ独唱者と一緒に演奏しても、一回一回違うのが演奏の醍醐味といえます。
生き物と表現した指揮者もいます。
微妙なさじ加減は演奏で言えば、「PPP」や「pp」に現れやすいと言えます。
でも、「f」「ff」、「fff」でも、曲によって、同じにはなりません。
荘厳な「fff」
キラキラした「fff」
あたたかい「fff」
そのさじ加減は演奏者にかかっています。
どういう「fff」なのか。
この「ppp」は何を目指すのか。
そんなことも演奏に織り込まれると、厚みのある、生き生きとした演奏になるのではないか
と思います。
演奏は、「演じて奏する」です。