コロナ長期化、増える生活困窮者 千葉市、生活保護や相談件数が急増 飲食店や観光業からSOS
2021/11/14 19:00 (JST)
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長期化する新型コロナウイルスの影響が市民生活を直撃し、生活困窮者が増えている。千葉市の集計では生活保護受給者が急増。若い世代の新規受給が目立つ。市が設置した無料相談窓口は2020年度の相談件数が前年度の1.7倍に増加。相談の半数がコロナ関係だった。コロナ感染の第6波到来も懸念される中、生活困窮者への支援充実が喫緊課題になっている。
市によると、今年4月時点の生活保護受給者は前年同月比354人増の2万1243人(1万7437世帯)。コロナ禍以前も受給者数は右肩上がりだったが、増加数は年間50~100人程度。それがコロナ禍を受け急増した。市保護課は「コロナ禍以前は退職した高齢者の受給者が多かったが、コロナ禍でまだ働ける比較的若い世代の受給者が増えている」と説明した。
市内5カ所に設置している「生活自立・仕事相談センター」が新規に受け付けた相談件数は19年度が2302件だったのに対して、20年度は3809件に増えた。新型コロナで営業自粛が続いた飲食店や打撃を受けた観光業の関係者を中心に「コロナの影響で失業した」「収入が減り、預貯金を使い果たし生活できない」などの内容が多かったという。
収入が不安定になった人の家賃を支援する「住宅確保給付金」の申請も20年度は1716件(前年度比16.2倍)に。同課は「千葉市など比較的大きな都市は飲食店が多いため、コロナ禍の影響を受け生活に困窮する人が多い傾向にありそうだ」と分析している。
同センターは生活や仕事などに関する相談を受け、各種支援策の案内を行っている。同課は、同センターの相談員を増やすほか、病院や自宅で相談に乗るアウトリーチ型の支援員の増員も検討中。担当者は「より多くの人を支援するため、困っている人の元に実際に出向いて支援策の案内を行いたい」と述べた。