辺野古新基地に賛成反対かの県民投票が昨日あって、その結果が私にとってはまあまあ良い結果だった。それに関する感想はいっぱいあるが、それを我慢して今回は薬草。
既に完成し依頼主に差し上げた薬草冊子その1、友人K子が代表者の1人であるデイサービスにも「ご老人方の意見が聞ければ」と思い、1ヶ月ほど前に持っていった。
「H女(K子の姉)がこういうの好きで良く知っているから彼女に訊いてみるね」とのことで、H女に見てもらって1週間後に再訪することにし、冊子を置いていった。
で、一週間後再訪すると、冊子のあちらこちらに付箋が貼られてあった。H女の意見とのこと。できないこともあったが、概ねはもっともなことであったので意見に従うことにする。その後、依頼主からもいくつかご意見があり、それらを踏まえて修正した「薬草冊子その1」が昨日やっと完成。今日にでも依頼主に会って差し上げる予定。
付箋とは別に、「こういった内容の本は既にあるよともH女は言っていたよ」とK子。ちょうどそのころ、「こういった内容の本は既にあるよ」には気付いていた。図書館から借りた本に『おきなわ野の薬草ガイド』というのがあり、ちゃんと読んではいないがパラパラと目は通していた。著者は経験豊富なその道の専門家で、私の作った冊子など「小学生が作ったのか」と思うほど『おきなわ野の薬草ガイド』は懇切丁寧な立派な本。
ではあるが、「いいさぁ、小学生が頑張って勉強して作ったんだ、同程度の経験しかない人にとってはいくらか役に立つだろうさ」と思うことにし、懲りないオッサンは今もなお、薬草の勉強を続けており、「薬草冊子その2」の作成を始めようとしている。
このブログでも、前(2月6日)に『薬になる庭の食物2』という題で薬になる庭の果物を紹介したが、懲りないオッサンは今回もまた薬になる身近な植物の話。前回は果物だったが、今回は庭の野菜の紹介。庭の野菜とは大雑把な言い様だが、1坪2坪といった小さなスペースで、特に農業の技術がなくても簡単に育てられるものを選ぶ。それでも数が多いので、沖縄で昔から親しまれ、野菜として普通に美味しいものを選んだ。
エンサイ(ウンチェーバー)は普段食で煮物炒め物に使え、解熱・利尿・風邪に効く。
カラシナ(シマナー)は普段食で消化促進効果がある。その種子を乾燥させ粉末にしたものに湯を加え塗布すれば神経痛・リウマチに効く。
サツマイモの葉(カンダーバー)は普段食で視力回復・眼精疲労・整腸の効果がある。生の若葉を揉んでネバネバを髪に塗ると髪の毛がツヤツヤになる。
スイゼンジナ(ハンダマ)は普段食で低血圧・めまい・貧血・頭痛・不眠症に効き、葉を乾燥させ煎じて服用しても同じ効果がある。
ニシヨモギ(フーチバー)は普段食で高血圧に効く。葉を乾燥させ煎じてその液を塗布すれば鎮痛・止血・消炎・解熱・神経痛・リウマチに効く。
ニラ(チリビラ)は普段食で滋養保健・疲労回復の効果があり、茎葉を乾燥させ煎じて服用すれば健胃・整腸に効く。
ニンジン(チデークニ)は普段食で滋養保健・夜盲症予防の効果があり、茎葉を煎じてその液でうがいすれば口内炎・扁桃炎に効く。
ニンニク(ヒル)は普段食で健胃・整腸・利尿・滋養保健・がん予防になり、薬用酒(ヒル酒)にして飲めば冷え症・不眠・便秘に効く。
ネギ(ビラ)は普段食で解熱効果があり、刻んで布に包んで湿布すれば咳止め・咽喉の腫れ・不眠に効果がある。
ヘチマ(ナーベーラー)は普段食で夏バテに効果があり、ヘチマ水を作りそのままでうがいすれば痰切り・咳止めになる。ヘチマ水は美肌効果もある。
ホウレンソウ(フーリンナー)は普段食で貧血・血行不良に効果がある。
ホソバワダン(ニガナ・ンザナ)は普段食で解熱・胃痛・腹痛に効き、生葉をつついて その青汁を薄めて服用すれば腹痛・下痢に効く。
ボタンボウフウ(サクナ)は普段食で咳・喘息・百日咳・解熱の効果があり、葉を乾燥させ煎じて服用すれば高血圧・動脈硬化・神経痛・リウマチに効く。
ラッカセイ(ジーマーミ)は普段食で滋養強壮・糖尿病に効く。
ラッキョウ(ラッチョー)は普段食で疲労回復、健胃、整腸に効き、鱗茎を薬用酒にして飲用すれば冷え症・不眠症・低血圧症に効果がある。
その他、アカザカズラ、アキノワスレグサ、ウイキョウなど薬草として有名なものがあり、カブ、カボチャ、キュウリ、ゴボウなど薬効のある野菜、キンレンカ、ツワブキ、ツルムラサキ、ハマゴウなど薬効のある野草がある。が、キリが無いので省略。
記:2019.2.27 ガジ丸 →沖縄の飲食目次
参考文献
『沖縄薬草のききめ』多和田真淳著・発行
『身近な薬草活用手帖』寺林進監修、株式会社誠文堂新光社発行
『食べる野草と薬草』川原勝征著、株式会社南方新社発行
『琉球薬草誌』下地清吉著、琉球書房発行
『入門沖縄の薬草』吉川敏男著、ニライ社発行
『薬用植物大事典』田中孝治著、社団法人家の光協会発行
『薬になる植物図鑑』増田和夫監修、柏書房株式会社発行
『沖縄食材図鑑』田崎聡著、有限会社楽園計画発行
『うちなーの伝統野菜と食材』沖縄県中部農業改良普及センター発行
『おきなわ野の薬草ガイド』大滝百合子著、有限会社ボーダーインク発行