ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

キクラゲ

2019年05月01日 | 飲食:食べ物(材料)

 耳を食べる

 ミミガーという沖縄の食べ物がある。正体を言うと気味悪がられるが、美味しいので慣れていない倭人でも好む人が多いと聞いている。ミミガー、漢字で書くと「耳皮」、ウチナーンチュが「鳴き声以外は全て食う」という豚、その耳を指す。
 ミミグイという名の食べ物もある。これは「沖縄の」だけではなく、キクラゲという名で全国で食されている。キクラゲは耳と関係ないが、見た目が人間の耳に似ていることから中国語で木耳で、それが和名の漢字表記になっている。
 沖縄語のミミグイ、中国名「木耳」からきているか、あるいは、「見た目が人間の耳に似ている」のはウチナーンチュにもそう見えたと思われるので、ミミは耳で間違いなかろう。ただ、グイは不明、グイという単語が沖縄語に無い。ならば、クイの濁音化したものだろうと調べる。クイと発音する言葉には恋と杭があった。
 「これを食べると恋がしたくなる、惚れ薬の一種」という話は聞かないので、「耳の形をした枯れ木に刺さった杭のようなもの」ということなのかもしれない。

    
 キクラゲ(木耳):食用きのこ
 キクラゲ科のきのこ 世界の温帯林野に広く分布 方言名:ミミグイ
 キクラゲ類は多種あり、一般に食用として普及しているのはキクラゲ属の内アラギキクラゲという種。広葉樹などの枯れ木に発生する。乾燥すると黒くなる。
 中華料理にもよく使われるが琉球料理にもよく出てくる。沖縄は栽培に適している環境にあるらしく国内生産のほとんどを占めていると『沖縄大百科事典』にあった。ただし、同書は1983年の発行なので、現在でもそうなのかは不明。
 グルカン(コレステロール抑制)、ビタミンB2、Dなどを含み、子宮出血・痔出血・血尿・血便・心臓病に効き、コレステロール抑制、免疫力強化、整腸効果がある。
    
 野菜としてスーパーにあったキクラゲ

 記:2019.4.13 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 
 『沖縄食材図鑑』田崎聡著、有限会社楽園計画発行