黍団子のキビ
過日、友人の女料理人Iさんの店を訪ねた時、「島の外ではほとんど入手できない渡名喜島のモチキビがここで手に入るよ」と、得意そうな顔をしてチラシを見せた。
「モチキビって、マージン(沖縄語)のこと、波照間島が有名だと覚えているけど」
「そう、マージン。渡名喜でも作っていて渡名喜島産は珍しいみたいよ」
渡名喜島産が珍しいかどうかは少し疑問、モチキビそのものが、スーパーなどでほとんど見かけないので珍しいと思う。県内での生産量そのものが少ないのだと思われる。
そんな珍しいモチキビを、その沖縄名であるマージンも私は知っている。何故?かというと、実はモチキビ、植物としては既に2013年に調べを付けて、このブログにアップしている。黍団子の黍はモチキビであるということもその時に知っている。
モチキビの存在をいつ知ったのかというと、2011年9月、私は波照間島で波照間島産モチキビの製品を見ているし、2012年4月には粟国島でモチキビ畑を見ている、ちょうど穂が実っているところであった。ちなみに、波照間島で入手したモチキビ、酒の材料にしようと2013年に畑に播いたのだが、たったの1つも芽は出なかった。
波照間より8年前の2003年の1月と3月に、私は会社の出張で渡名喜島へ行っている。2度合わせて10泊くらいしている。でも、その頃の私は仕事に集中していたので、渡名喜島の名産などにはさほど関心も無かったので、モチキビなんて写真はもちろんのこと、記憶にも残っていない。その当時から渡名喜島の名産だったのかも覚えていない。
波照間に旅した頃は、既にこのブログを始めており植物、動物だけでなく、沖縄の食物にも興味を持つようになり、モチキビという食があるということも知った。翌年の粟国島の旅では「あっ、ここにもモチキビ」と気付き、モチキビかりんとうというモチキビの土産も買った。ところがどっこい、どんな味だったかちっとも覚えていない。情けない。
モチキビ(糯黍):穀物
イネ科の一年生作物 インド原産とされている 方言名:マージン
棹長は100~170センチ、基部から2~3本に分かれて茎を出し、それぞれに穂をつける。穂は夏から秋にかけて茎の先にでき、花が咲き、実がなる。旬は4~6月。
果実は穀物として食用になる他、餅菓子の材になり、酒の原料になり、また、家畜の飼料にもなるとのこと。沖縄では渡名喜島、粟国島、波照間島などが主産地。
→植物としてのモチキビ
記:2019.6.24 ガジ丸 →沖縄の飲食目次