シソもまた、私の好物。畑にはほぼ年中シソが植えられてあり、スーパーでもシソは月に3、4回は買っている。1袋10枚入りのものを買っている。その10枚は1回で食されることがほとんど。サラダに加えたり、肉料理、魚料理にも使う。豚ばら肉のニンニク炒めなどに生の千切りを振りかけると、さっぱりとした味わいになる。
畑にはほぼ年中シソが植えられているのにスーパーでも買う、のには理由(わけ)がある。年に5、6鉢のシソの苗を買い、およそ2ヶ月に1鉢は畑に植えているのに、その苗が食えるほどに育ってくれるのはだいたい2鉢ほどしかない。残りのものは、私が食わないうちに枯れてしまう。その原因はたぶん、虫。
苗を植えた数日後には虫に食われている。どんな虫かは不明。見えないのだ。あんまり小さくて見えないのか、昼間はいなくて夜だけ活動するから見えないのかなども不明。とにかく、植えた時期の新芽をやられるので、苗は育たない。
匂いが強いものには虫も寄り付かないだろうと、素人農夫の私は考えていたのだが、虫の中にもどうやら私のように、「癖の強いもの大好き」なのがいるようである。シソが好きといっても私の場合は、シソはあくまでも脇役。肉や魚に添えてこその香りと味。シソ単独ではあまり美味しいとは思わない。シソを食っていると思われる虫もまた、私と同じように他の小動物を食いながらシソを食っているのであろうか。「いやー、肉ばかりだとどうもお腹の調子がねえ・・・」などと思ってシソを齧っているのであろうか。
シソ(紫蘇):野菜・香草
シソ科の一年生草本 原産地は中国 方言名:アカナバー
高温性の作物で、4月から9月までの間によく生育する。緑色のアオジソと濃赤紫色のアカジソがあり、香草として用いられる。アカジソは漬物(梅干など)の着色や香り付けなどによく用いられ、アオジソは生のまま、刺身のツマなどによく使われる。
葉の根元から花茎を出し、穂状に小さな白い花を多くつける。その種が飛んで、知らないうちにあちこちから顔を出す。雑草と間違えて、何度か引き抜いたことがある。雑草と間違えて引き抜いて、何でそれがシソであるか判るのかというと、引き抜いたその手にシソの匂いがするから。それほど独特で強い香り。
花
記:島乃ガジ丸 2005.8.27 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
早や4月となってしまった。2週間ほど前におでんを食って以来、私の土鍋は働いていない。働いてはいないが、まだ棚にしまわれてはいない。あと1回は、名残の鍋料理を食いたいと思っている。今日(2日)、暖かい日だが、それを予定している。
魚介類の鍋としよう。たら、ほたて、かきの魚介類と豆腐を買ってこよう。野菜は、数日前にチャンプルーに使った白菜と、昨日買った長ネギが1本、まだ残っている。それから、私の大好きな野菜、春菊は、私の畑に大きな1株がある。
春菊は、冬の間、頻繁に私の食卓にのぼる。鍋料理に使うことが多い。水炊き、寄せ鍋などには欠かせない。最近はあまり作らなくなったが、すき焼きにも春菊は欠かせない。沖縄風おでんにも欠かせない。他には、味噌汁やお浸しにしてもよく食う。
春菊が、何故春の菊なのか、正しくは知らないが、先日、近所を散歩していたら、春菊に花が咲いているのを発見した。とてもきれいな花であった。それを見て、春に花が咲くから春菊なのであろうと勝手にガッテンする。
葉野菜は概ね「薹が立つ」と葉が固くなって食べられなくなる。「薹」とは塔からイメージされているようだが、花茎のことを指す。私の畑の春菊にもそろそろ花茎が出てきそうな気配。よって、今日が春菊の収穫日となり、名残の鍋料理日となる。
シュンギク(春菊):野菜
キク科の一年生又は二年生草本 地中海地方の原産 方言名:シュンチク
名前の由来については参考にしているどの文献にも記載がなかったが、おそらく、開花期が春なので、ということなのであろう。春に花茎を伸ばし、その先に周辺部に白い縁取りのある黄色の、きれいな花が咲かせる。鑑賞花としても価値があると思われる。
原産地は地中海地方だが、中国、日本で栽培がさかん。高さは30~60センチほどになり、よく分枝して多くの葉をつける。秋に種を蒔き、冬から春にかけて収穫する。ビタミン類や鉄分が豊富で栄養価が高い。独特の香りがあり、鍋物には欠かせない野菜。
記:島乃ガジ丸 2006.4.2 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
今現在(2007年4月1日の夜)、私の部屋にある野菜はタマネギ2個、ジャガイモ4個、トマト2個、ニンニク1玉、レタス1玉、ズッキーニ1本、ホウレンソウが少々、ショウガ少々、才色兼備のM女から頂いた大根の漬物が1袋、である。今、酒の肴にホウレンソウのオリーブオイル炒めをたっぷり食べている。健康的な野菜生活である。
日常、いろいろな野菜を食べているが、その中でも常備している野菜が2、3ある。ニンニクとタマネギ、そしてジャガイモである。ニンニクは肉料理の時に必要で、疲れた時などによく使う。タマネギはいろんな料理に使えて便利なので、ジャガイモは、ご飯代わりに腹を満たしてくれるものとして置いてある。
ウチナーンチュにとってイモというと甘藷である。甘藷(カンショ)はサツマイモのことだが、琉球から薩摩に伝わったのに、何で薩摩芋なんだ!と思うので、ここではカンショという名で呼ぶ。。「イモ食うか」というと、「甘藷食うか」ということである。
大学の頃の友人に北海道出身の男がいて、ある日、「昨日、田舎からイモが送られてきたから、イモパーティーをしよう。」と言う。イモは蒸かそうが、焼こうが、酒の肴に上等のものだとは思えない。その旨を彼に伝えると、「えっ?ジャガバタとか、フライドポテトとか、酒の肴によく食うじゃないか。」と応えた。
北海道の人にとって、イモと言えばジャガイモのことなのであった。
ジャガイモ(じゃが芋):根菜
ナス科の一年生草本 原産は南米アンデス高地 方言名:なし
ジャガイモは本名をジャガタライモと言う。ジャガタラはJacatraで、ジャカルタの古称。ジャガイモは南米アンデス高地の原産だが、日本へはジャカルタから入ってきたということからこの名がついている。馬鈴薯という別称もある。馬鈴は「馬具につける鈴」(広辞苑)のことで、おそらく形が似ているのであろう。
従姉の畑には10年ほど前から毎年、アパートの1階の住人は一昨年から毎年、ジャガイモを植えているが、私はその花が咲くのを見たことが無い。「初夏に白・淡紫色の小花をつける」(〃)とのことで、3月に収穫の済む沖縄では花を見る機会を得ないのかと思ったら、『沖縄植物野外活用図鑑』の写真は1月。私が見逃していただけのこと。
食用となるのは地下にできる塊茎。澱粉が豊富で、煮ても、焼いても、揚げても、蒸かしても、蒸かしたものを潰しても、何にしても美味しい。ジャガイモの澱粉は片栗粉と呼ばれ、これもまた料理で活躍する。澱粉はまた、アルコールの原料ともなる。
世界各地で栽培され、いろんな品種がある。男爵、メークインなどが有名。
花
収穫
記:島乃ガジ丸 2007.4.1 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
職場の近くのスーパーには、首里農業協同組合の組合員である生産者から、その名前入りで野菜を販売しているコーナーがある。名前入りだからといって無農薬の安全野菜というわけでは無いが、近所の住人が作ったんだという安心感はある。なので、そのスーパーで野菜を買うときは概ねそのコーナーから私は選んでいる。
近くの生産者から仕入れているので、言うまでも無く全て地物ということになる。季節季節の野菜がそこにはあって、冬から春にかけてはキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ホウレンソウ、シュンギク、トマトなどが並んでいる。
そのコーナーには、そういった全国的に普通である野菜に混じって、沖縄独特の野菜も多くある。有名なゴーヤー、ナーベーラー(ヘチマ)の他、フーチバー(ヨモギ)、パパイア、ハンダマ(スイゼンジナ)、ンジャナ(ホソバワダン)、黄色いシマニンジン、今が旬のシマラッキョウなどなど。
沖縄独特なのかどうか不明だが、他所ではあまり見かけない野菜がある。その野菜、名前をシカクマメと言う。その独特の形から気になる野菜であったが、20センチ以上もある大きなものが5、6本で1パックとなっていて、1人で食うには多い。「天ぷらにすると美味いかもな」と思うが、「不味かったら勿体無いな」とも思い、なかなか手が伸びないでいる。1本だけを分けて売ってくれないだろうかと望むのであるが・・・。
シカクマメ(四角豆):野菜・豆
マメ科の蔓性多年生草本 熱帯アジアに分布する 方言名:なし
莢に4枚の翼を持っていて、断面が4角形に見えることからシカクマメという名。
分布する熱帯地方では多年生だが、温帯の日本では一年生草本となる。亜熱帯の沖縄では多年生なのであるが、栽培上は一年生として扱われるとのこと。
蔓性で、ものに絡み付いて伸び、分枝が多く、大きく広がる。淡青色、または桃色の花は総状につき、形はマメ科植物に多い蝶型。秋から冬にかけて咲く。
夏に種を蒔き、秋から早春にかけて収穫できる。莢の長さは15~30センチ。中に8~17個の球形の種子を持つ。種子は蛋白質と脂肪を多く含む。
若い莢、新芽、若葉、花は野菜として、熟した種は豆として、澱粉を含む塊根は生食でき、煮物などにも利用される。また、飼料や緑肥にも利用される価値の高い作物。
花
実
記:島乃ガジ丸 2006.4.2 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
ざわわ ざわわ ざわわ 広いサトウキビ畑は ざわわ ざわわ ざわわ
という寺島尚彦作の「さとうきび畑の唄」を元にしたドラマが昨年放映された。沖縄戦の悲惨を描き、戦争の意味を問うという点ではまあまあ良くできたドラマであった。主人公役が明石家さんまであるということが観る前から気になっていたが、その通り、彼の普段のキャラが邪魔で、また、演技が上手くない(専門では無いのでしょうがないが)ため、そのキャラを隠すことができなくて、ドラマの中での彼は時々現代の明石家さんまの顔を見せていた。お陰で私は、うまく作品に浸ることができなかった。
明石家さんまが嫌いというわけでは無い。MCの彼は上手いと思うし、彼のギャグも好きで、彼がMCをしている番組は時々見ている。が、テレビドラマはほとんど観ない(「ちゅらさん」は観た)ので、俳優としての明石家さんまを観たのはこれが初めてであった。画面に現代の明石家さんまをちょくちょく出していたのは、重いテーマをいくらか軽くして、とっつきやすくしようとしたのかもしれないが、そして、それが功を奏してか視聴率も良かったらしいのだが、作品の出来としてはマイナスに働いていたと私は思った。
昨年は、サトウキビ収穫のアルバイトをする若者たちを描いた映画、「深呼吸の必要」も観た。特に取り立てての感想は無いが、期限までにキビを刈らないと畑の持ち主(仲村三郎)がすごく困った状況に陥る、というのが何故だか解らなくて気になった。後日、調べた。サトウキビは12月から3月の間、製糖工場の操業に合わせて収穫する。製糖工場は各畑にそれぞれ日程を定め、その日程通り運搬用の10トンダンプを派遣する。期日に間に合わなかったキビは工場に入れることができない。結果、そのキビの持ち主はお金を得ることができない。とのことだった。映画「深呼吸の必要」は、若者たちの努力によって間に合い、ハッピーエンド。
ウージには製糖用のサーター(砂糖)ウージと、霊前に供える菓子となるクヮシ(菓子)ウージの2種あると書かれてあるが、いかにも美味しそうなクヮシウージ、それと知って私は食べたことは無い。でも、子供の頃はウージの堅い皮を歯で齧りとって、生でよくしゃぶった。甘い汁は喉を潤し、腕白どものエネルギー源となった。
サトウキビ(砂糖黍):農業作物
イネ科の多年生草本。原産はインド、ニューギニア。方言名:ウージ
甘蔗(かんしょ、かんしゃ)、または荻(おぎ)とも言う。方言名のウージはこの荻からきているのではないかとある。茎の高さ2~3m、径2~4cm。茎に10~20%の蔗糖を含み、砂糖の原料となる。沖縄にとっては大切な基幹作物。
沖縄には13~14世紀頃に中国の福建省からもたらされたのではないかと考えられている。製糖の始まりは文献が残っているらしく、1623年、儀間真常(芋の普及にも大きな貢献をした人)が製糖法を学ばせるため福建省へ人をやったとのこと。
たくさんの品種がある。沖縄で栽培されている8割方は同じ種類とのこと。昔は穂が開く前に収穫したと聞いたことがある。8割を占める現在の種とは違っていたのだろう。
花
記:島乃ガジ丸 2005.1.16 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行