太陽光発電協会は、太陽光発電が基幹電力となる時代が到来したとしている。
原発・火力の代替エネルギーとして太陽光発電の更なる拡充が図られるのだろうが、太陽光発電協会を始めとする推進者に明確にして欲しいと思うのは、単位と用語の統一である。メガソーラーという言葉について、電力会社の電力量表記の慣習から100万㎾/hの発電量を持つプラントと思っていたが、単に大規模太陽光発電施設を表す用語であるそうである。またメガを本来の意味に使用する場合も基本単位はワットであるために前記の慣習の㎾表記に比べて1000分の1の発電量しかないこととなる。東電横浜火力発電所は45万㎡の用地で350万kW/hを発電しているが、現在国内最大の太陽光発電設備は公称148MW/day(約15万kW/day)で、東京ドーム50個分に当たる250万㎡もの用地を使用している。太陽光発電の15万kW/dayをさらに検証すれば、交流への変換効率(変換器メーカーの最大変換効率は98%、太陽光発電所のHPでは約80%)、夜間や曇天時の電力のための蓄(放)電を考慮すれば商用電力として安定的に供給できる電力量は、好意的に見ても10万kW/day以下と思われ、横浜火力発電所の供給電力を太陽光発電に置き換えるためには東京ドーム数千個分もの用地を必要とすることになるのではないだろうか。太陽光発電の設置には必ずしも平地である必要はないとも喧伝されているが、日照時間の確保やメンテナンスを考えて既存のメガソーラーの多くが過疎地域の農地転用を含む平地に設置されているのが実情である。将来的に地球規模の食糧難が到来することは明白であり、最低でも現在の食料自給率を維持しなければならない命題とも相反していると思う。計算に弱いためにこれ以上の考察はあきらめたが、食糧自給率を維持して太陽光発電を火力・原子力発電に置き換えるためには、東電管内だけでも霞ケ浦(220㎢)のすべてをソーラーセルで覆っても追いつかないほどの規模となるのではないだろうか。
メカと数字と経済・農業に強い方からの御教示を懇請するところであります。