もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

フランスの大使召還と原潜ー2

2021年09月21日 | 軍事

 フランス大使召還の次第が更に明らかとされた。

 昨日のブログ作成は、駐英フランス大使の召還が無いことを不審に思いつつも、米英豪への抗議についてフランスなりの度量衡が有るのだろうと話を進めたが、ルドリアン外相の発言で合点がいった。外相は「英国の永続的なご都合主義は知っているので大使を召還して話を聞く必要は無い。この件で英国は無用の長物である」と発言した。有体に云えば「英国のコウモリ外交・米のひっつき虫など完全無視」と云うべきもので、駐英フランス大使の召還等考えたことも無いという、将に英国ボロクソを伝達することが真意と思える。
 歴史音痴の自分でも、ドーバー海峡を挟んで一衣帯水であるべき両国がカエサルのガリア戦、ゲルマン大移動、百年戦争等の因縁、現代でも対独戦におけるブラッドリーVSドゴール両将軍の反目、EC・EU加盟と離脱時の確執は知っている。混血が進んでアングロサクソンとラテンの特質も影を潜めたのであろうが、英仏の歴史的反目・相互不信は自分の想像を超えるものであるらしい。
 原潜計画の秘匿についても、イギリスのジョンソン首相が明らかにしたところでは、オーストラリアの原潜保有要望は既に3月には英国を介して米に伝達されていた。米豪の取り組みは不明であるがイギリスは同情報の共有と折衝作業を10名に限定して秘匿したとされている。太公望の「黄石公三略」は「謀は密なるをもってよしとす」と教えているが、今回の英国の秘匿成功は、情報化社会に於ける太公望と評価すべきであろうか。また、オーストラリアの新原潜建造前には、米英原潜の貸与が検討されていることも報じられた。
 艦艇の貸与と云えば、海上自衛隊の創設に当たってアメリカから多くの艦艇の貸与を受けたことも思い出される。フリゲート艦(PF)18隻、上陸支援艇(LSSL)50隻、フレッチャー型2隻、揚陸艦3隻、あさひ型2隻、その他にもアメリカの資金で国産した「つき型」2隻、「かぜ型」3隻があり、これらはMAP艦艇と称された。自分の艦船勤務の出発点もPFであり、MAP艦艇は毎年1回米軍の検閲を受けることが義務付けられていた。現場の検閲は、主として米海軍の上級下士官が当たったが厳しいもので、船底に油分を含んだ汚水(ビルジという。)でもあろうものなら、厳しく叱責(英語を介しないので多分)され直ちに修正を求められた。所和40年代初頭には貸与が供与に変わったので、米軍の検閲もなくなりホッとした覚えがある。果たして米原潜の貸与ではどうなるのだろうか?

 一衣帯水の英仏確執は、そのまま日韓にも当てはまるようである。来る大統領選でも反日の声の大きい方が有効であるとの認識から与野党候補は口をそろえて反日を競い、不当に押収された企業資産は現金化されつつあるが、フランス外相のような秀逸な「対韓国ボロクソコメント」はないものだろうか。


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