今日はその4です。では続きです。
その後ぴよたろうはすくすくと育ち、僕の腕に留まるのも痛いくらいになってきました。トサカも立派になりました。大きくなれば当然エサの問題が出てきます。次のエサを買うか買わないかの問題です。 鶏のエサは家畜用のエサです。 簡単に言えば、大きな袋(20kg?)の販売です。今でこそペットショップでインコや他の鳥用の小さな袋のエサは売っていますが、当然当時は小分けなどありません。 余談ですが、そうやって考えると、今でもペットショップで鶏のエサは見かけないですね。
そしてある日、餌を分けてくれた知り合いのおばさんと母親の会話を聞いてしまいました。
知り合い「そろそろ家がこの鶏もらえんかね?」
母「エサ代もかさむしね」
知り合い「縁日の鶏などメスでは無いから、卵も産まないだろうしね」
母「内の子もそろそろ飽きるんじゃーないかな?」
母「一度話してみるよ」
そんな会話でした。
で、母が僕に、「そろそろ、ぴよたろうをおばさんに譲らないかい? エサ代もかさむしね?」
「あんたもそろそろ勉強に身を入れてくれないと。どうだい?」
そんな感じでした。僕は「おばさんは大切に育ててくれるかな?」
母「そりゃーそうでしょ」
でもその顔に何だか嫌な雰囲気を感じました。
それから数日間、僕はぴよたろうに
「もう直ぐお別れかも知れない。お前が卵を産んでくれたら、きっとここに居られるのに。悲しいね」
いつものように体を撫でながら、話しかけました。
何日経ったのかなぁ?。そんなある日、いつものようにぴよたろうの様子を見に行くと
なんとなんと、茶色い大きな卵が鳥籠にころがっているではありませんか。そりゃーもー信じられませんでした。
当然、家族全員ビックリです。 知り合いのおばさんまでビックリ。「ぴよたろう」が卵を産んだ!
「縁日のヒヨコが卵を産んだ?」「嘘だろ!」
「誰かが小屋に卵を入れた」とか、そりゃもー大騒ぎ。
でも事実です。縁日で買ったヒヨコが卵を産んだのです。
そうぴよたろうは実はメスだったのですよ。
白い鶏なのに卵の色は白くありませんでした。茶色い卵でした。しかも、その殻は買った卵よりも殻が強く、なかなか割れなかった事を覚えています。黄身はプリプリで今でこそTVのCMでやっているような濃厚卵そっくりです。それから、少しだけぴよたろうの我が家での地位が変わりました。
1日1個卵を産んでくれる大切な鶏になったのでした。
その日から、僕は「ぴよたろう」から「ピヨコ」と呼ぶ事にしました。
このエッセイのタイトル「ぴよたろう」も「ピヨコ」も実は同じ鶏だったのです。
「ピヨコ」と呼んでも、今までと同じように僕にはとても懐く可愛い鶏でした。
僕はピヨコが卵を産むところもこの目でハッキリと見たので間違いないです。もちろん子供ながらに驚きました。
それから一月と経たないうちに事件が起こるのです。 続きはまた明日。
今日も読んでくださった方々に感謝です。