気が付けばこのエッセイ(選択タグに無いのでコラムとなってますが)も5回目です。
その事件とは、僕が学校に行っている間に起きました。
僕が学校から帰ると母の手や足に痛々しい傷が。
「どうしたの?」と尋ねると
「ぴよたろうにつつかれた」と言うんです。母はまだぴよたろうと呼んでました。
「え?なんで」
ピヨコが鳥籠の奥の方に生んだ卵を取ろうとしたら、つつかれたらしいのです。
実はその頃には、ピヨコの殻が薄くなり始めていて、病気じゃ無いかと心配していたんです。
卵の殻も透けた茶色で、ちょっと触ると、簡単に白身が飛び出してくるような、そんな卵になっていたんです。
家族も原因が良く分からず、そのニワトリを飼っている知り合いに聞いて見ると、カルシウム不足になっているのではないか?という事で、丁度その日、学校から帰ったら、貝殻をつぶしてエサに混ぜるつもりだったのでした。
今思えば、もっと早くすれば良かった。悔いが残ります。 もっともそんな事、当時では知り要が無かったですけどね。
ここからが問題で、もしもニワトリが自分の卵を餌と間違えてつついたりすると、卵の味を覚えて、凶暴なニワトリになる事があるから、早くした方が良いとまで言われていたらしいのですが、その「早くした方がいい」の部分が僕まで伝わって無かった・・・。緊急性があったんですね。
時すでに遅し。 いつもの散歩の時のように鳥小屋からピヨコを出して、掃除をするんですが、その時も、僕の事をつつこうとするんです。昨日まであんなに懐いていたピヨコが・・・。
何とか外へだして、散歩させるも、呼んでも飛んで来ないで、迎えに行くと足を思い切りつつかれました(涙)。
母曰く「畜生だね。やっぱり」
実は母はあまり動物が好きではありません。特に猫はね。90歳を超えた今でも、猫は母が一生懸命に手入れをした畑を荒らすし(どこの飼いネコか知れませんけどね)、本当に苦労してましてね。年齢もあって、去年から畑つくりも止めてしまいました。その原因が野良猫じゃ無くて、どうやらどこかの飼いネコなんですね。
母の話を聞いていると、猫好きの方には申し訳ないですが、猫は飼い主の前では愛嬌を振りまいて、外では全くの他人に迷惑をかけている。どうもそんな個体もいるらしいのです。等の猫は、自分の決めたように勝手気ままに生きているだけで、特に母の畑を荒らそうとしているわけでは無いようですが(ネットで猫の習性を調べた結果)、年老いた母は聞く耳を持たなかったです。 もしかすると、この時にピヨコにつつかれた事が動物嫌いに拍車を掛けたのかなぁとも、今振り返るとそう思ったりもします。
話戻しますが、暫くすると、貝殻の効果もあって、卵の殻は少しづつですが硬くなって来たんですね。
所がです。またも事件が起きました。
何故か僕が学校に行っている間に事件は起きるんですね。そうしたものでしょうね。
何と、ピヨコは既に卵の味を覚えてしまっていて、殻が硬くなっても、産んで直ぐに採らないと、自分でつついて卵を食べてしまう、凶暴なニワトリに変わってしまったのでした。僕が見たのは、くちばしの周りがベットリと黄色くなったピヨコの哀れな姿でした。
今思えば、鳥小屋の作りが悪かった・・・。 卵を産んだ時点で、卵が落ちるようなゲージに替えるべきだったのでしょうね。 ニワトリを放し飼い飼育している方もおられると思いますが、その場合はまた違ったニワトリの社会が形成されるようですが、普通は、ゲージで飼育されてますね。養鶏場で見かける姿です。
僕も大人になって家族を持ち、セキセイインコを飼った事があるのですが、鳥といえども順位を勝手に決めて、おまけに卵を産んだ瞬間に、きっとこれは本能でしょうね、生物的な「メス」が目覚めて、やたらと凶暴になるんですよ、どんなに自分に慣れたインコであってもそうでした。賢いインコは、ゲージから起用に抜け出して、部屋の中の一番高い場所に卵を産みます。これは本能が発露したとしか考えられませんね。飼っているインコをその高い場所(天井近くの棚の隙間)まで迎えに行くのですが、その時も指をかなり強く噛まれました。
だから、ピヨコも卵を産んだ瞬間にメスになり、どこかで本能のスイッチが入ったのでしょう。
そして、母に成れなかった(一羽ですから)事から、自ら卵を食べて、より凶暴なニワトリへと変貌したのだと推測します。
そして運命の日がやって来ます。今日はここまでです。続く・・・
最後まで読んで下さった方々に感謝。