いろいろな地域で、多様な障害者市民や高齢者市民、子どもたちが、のびのびと自由に行動できるまちづくりをめざして、バリアフリー化が主張されている。しかし、まだまだ進んでいない。できたといっても1カ所だけのバリアフリー化が多く、連続した行動線や自由意思で移動できる面の整備は、これからだ。大阪市南部を拠点に多彩な事業を行っている「大阪障害者労働センター・マツサクぐる~ぷ」が編集・発行している「大阪障害者労働センター・マツサクぐる~ぷニュース」(第136号、2005年7月7日発行)では、このグループの中心活動でもある共生・共走リレーマラソン大会の特集記事とともに、松場作治さん(公式ホームページ)が、自ら行動し、自ら書かれた「バリアフリーチェック行動 平野区加美北 1~9丁目」が掲載されている。だれもが楽しく行動でき、使いやすい街を作ろうと、ご自身たちの活動拠点がある大阪市平野区加美北の街を点検している。各種の建物や駅舎、道路などが、障害者市民の視点から(いかにも松場さんらしい表現で)描写され、鋭い指摘もあり、点数(松場さんは「主観的」といっているが、なんのなんの、客観的でもあり奇妙に納得的)でも示されている。ここに転載させていただく。以下が全文である。
■ チェックした街は、こんなところ
街を歩かれたのが、2005年03月06日ということである。当日は晴天だったそうである。雨天や雪などの場合は、街の様子も、建物の使いやすさも、一変する。天候が重要な要素になっている。通信では、文章のほかに、写真も点いているが、ここでは、再現できなかった。直接に「通信」を読んで見て欲しい。
大阪市平野区は大阪市の南東部に位置し、東に東大阪市と八尾市、西に東住吉区、南に松原市、北に生野区があります。平野区の中で、今回のバリアフリーチェックは加美北・1丁目~9丁目でした。平野区の中で一番北にあり、市内よりの地域てす。
町工場と市営住宅、一般住宅が混在し、所どころに貸し農園、昔からの畑や田圃が少し残っています。大阪市の下水処理場が2・4・5丁目にまたがって大きくあり、公園も数カ所、校区には加美北、加美小学佼の2校、加美中学校1校、保育所、幼稚園が数カ所あります。
■ 住民が主に利用する移動手段
住民の目的によっても異なりますが、1~5丁目は地下鉄の干日前線南巽駅、6~9丁目はJR大和路線平野駅、加美駅方面を多くの方が利用されます。大阪市バスが杭全~地下鉄南巽~地下鉄平野駅を往復(1時間に1本程度、6時台~22時台)、赤(ミニのノンステップ、車イス対応)バスが南巽駅~地下鉄平野駅を往復(市バスと重複する路線部分としない部分があります)(約20分に1台、9時台~19時)が主要な移動手段の地域です。
マツサクぐる~ぷは8丁目にあり、近くに大阪市加美霊園、モダンな加美北8丁目交番があります。今回まさに自分たちの生活に密着した地域でバリア探索をしました。日曜日はチェックのねらい目である公共性の高い銀行や医院はお休みで、外からしかチェックする事が出来ませんでした。
■ 公共交通機関のバリアフリー度は0点から70点までの格差
1.地下鉄千目前線南巽駅(70点)
バリアフリー度70点で車イスではまあまあ現状には何も言うことは無いのだが、問題点として、乗り降りが駅の職員の手を借りなけれぱ、ならないこと。職員がスロープ式板を電車とホームの間に渡し乗車しなければならない。電車とホームの透き間や段差解消が望まれる。転落事故防止の柵が地方の新駅などで見かけるが、大阪も早く設置して欲しい。
2.JR平野駅(30点)
高架式駅舎JR平野駅は天王寺方面には車イス専用スロープ(扉があり、駅利用の度に駅員を呼び鍵を開けてもらう、目の前にホームがあって電車が到着するのに駅員が直ぐに来なくて乗り遅れたりする時もしぱしぱ、寒~い冬場にホームで電車を待つのは寒く身体に堪えるデ)、奈良方面はまさに100%のバリア、階段昇降機を使っていると乗るまでに早くとも20分以上の時間を要する。何とまあ気が遠くなるような話だ。気の長~い僕(松場さんのこと)だから、まだいいだろう?
天王寺駅方面から帰って来るときは、2駅先の久宝寺駅まで行き、エレベーターを使って反対ホームヘまわり、天王寺駅方面行きに乗り換え平野駅で下車(これも30分以上の時間を要する)。先日、最終の方の時間帯で奈艮方面行に乗る時、駅員さんの到着が遅く久宝寺駅で天王寺方面へ折り返す電車がなく、やむなく平野駅で降り階段昇降機に乗るハメになった。
目の前に電車が来てもその電車に乗れなくて、何分も次ぎの電車を待ち、あげくに駅員が「久宝寺駅でも天王寺方面へくる電車がありませんから、平野駅で降りて平野駅には駅員が一人しかいないので、一緒に降りられる方に手伝ってもらって降りてもらえますか」だもんね。
3.JR加美駅(0点)
この駅なんちゅうのは、高架式で最悪な駅舎、急な階段の昇り上り0点である。「誰もが自由に利用できるか」と当事者の主観が点数。元気な人にそのような事をさせたら、さぞかし怒りの頂点に!
4.犬阪市交通局赤バス(70点)
朝が非常に遅~い9時台~運行、タ方19時に終了。早い目に病院へと思っても、用事で帰宅が遅くなったりしたら、当然に運行されていない運行時間帯内でもバリアフリー度でも渋辛の70点。何故っていうと、いくつかの問題が。
運転手さんが車両のエアー抜きをしないで乗せようとしたり、降ろそうとしたり、後ろ向きに降りていて一度ひっくりかえされた事もあった。運転手の中にはエアー抜き操作に手間取っている人もいた(操作方法をマスターしていないので教えてあげた)、また、中には一見足腰の弱そうな老人が乗ろうとしても、そのまま乗せる運転手もいるのだ(優しさにかける)。でもすべての運転手さん皆が皆そうかと言えば優しい人、それこそ親切な運転手さんも色々~。少し心のバリアフリー教育が必要・・。
こんな事もあった、地域外での事であるが、天王寺駅から平野駅方面行のリフト付きのパスに乗ろうと30分待っていたら、定刻遅れで来たパスが普通のバスだった。なんでやねんと思って運転手さんに尋ねたら「故障ですね。次ので乗ってください」と言いながら、携帯でバス中継所とやりとり。「すぐに来ますさかい」と言って発車してしまった。何分後や思うてんねん。また40分は待たなあかんやん。悲しゅうなるわ。結局JRへ回って帰りましたがな。前で報告した目的駅を通り過ぎて戻る方法で、平野駅にたどりつきますねん。
■ 地域にある金融機関は90点が最高
1.大阪市信用金庫加美北支店(80点)
入り口スロープ、傾斜良い。自動扉。身障専用駐車場なし。ATMはタッチバネル、液晶、音声案内あり点字なし。キャッシュコーナー入り口スロープなし。※印象が良い。
2.大阪市商工信用金庫・加美支店(30点)
入り口段差20cm、入り口扉、奥自動、キャッシュコーナー入り口段差5cm、駐車場はあるが、身障者専用駐車場はなし。※店の印象が閉鎖的。バリアも多い。なぜ30点かといえば、入り口ですでに車イスお断りになっている。入り口段差は最低解消すべきでは!
3.永和信用金庫加美支店(マラソンボランティア、古紙協力の店は如何程なモノか。(90点)
入り口スロープ、傾斜良い。音声案内あり。ATMはタッチバネル、液晶、音声案内あり。点字案内なし。キャッシュコ一ナー入り口スロープ、傾斜良い。身障専用駐車場なし、印象が良い。
4.近畿産業銀行(0点)
入り口スロープなし、ATMは車イスで入れない。
5.加美北郵便局(90点)
スロープあり。入り口自動ドア。
■ チェックした街は、こんなところ
街を歩かれたのが、2005年03月06日ということである。当日は晴天だったそうである。雨天や雪などの場合は、街の様子も、建物の使いやすさも、一変する。天候が重要な要素になっている。通信では、文章のほかに、写真も点いているが、ここでは、再現できなかった。直接に「通信」を読んで見て欲しい。
大阪市平野区は大阪市の南東部に位置し、東に東大阪市と八尾市、西に東住吉区、南に松原市、北に生野区があります。平野区の中で、今回のバリアフリーチェックは加美北・1丁目~9丁目でした。平野区の中で一番北にあり、市内よりの地域てす。
町工場と市営住宅、一般住宅が混在し、所どころに貸し農園、昔からの畑や田圃が少し残っています。大阪市の下水処理場が2・4・5丁目にまたがって大きくあり、公園も数カ所、校区には加美北、加美小学佼の2校、加美中学校1校、保育所、幼稚園が数カ所あります。
■ 住民が主に利用する移動手段
住民の目的によっても異なりますが、1~5丁目は地下鉄の干日前線南巽駅、6~9丁目はJR大和路線平野駅、加美駅方面を多くの方が利用されます。大阪市バスが杭全~地下鉄南巽~地下鉄平野駅を往復(1時間に1本程度、6時台~22時台)、赤(ミニのノンステップ、車イス対応)バスが南巽駅~地下鉄平野駅を往復(市バスと重複する路線部分としない部分があります)(約20分に1台、9時台~19時)が主要な移動手段の地域です。
マツサクぐる~ぷは8丁目にあり、近くに大阪市加美霊園、モダンな加美北8丁目交番があります。今回まさに自分たちの生活に密着した地域でバリア探索をしました。日曜日はチェックのねらい目である公共性の高い銀行や医院はお休みで、外からしかチェックする事が出来ませんでした。
■ 公共交通機関のバリアフリー度は0点から70点までの格差
1.地下鉄千目前線南巽駅(70点)
バリアフリー度70点で車イスではまあまあ現状には何も言うことは無いのだが、問題点として、乗り降りが駅の職員の手を借りなけれぱ、ならないこと。職員がスロープ式板を電車とホームの間に渡し乗車しなければならない。電車とホームの透き間や段差解消が望まれる。転落事故防止の柵が地方の新駅などで見かけるが、大阪も早く設置して欲しい。
2.JR平野駅(30点)
高架式駅舎JR平野駅は天王寺方面には車イス専用スロープ(扉があり、駅利用の度に駅員を呼び鍵を開けてもらう、目の前にホームがあって電車が到着するのに駅員が直ぐに来なくて乗り遅れたりする時もしぱしぱ、寒~い冬場にホームで電車を待つのは寒く身体に堪えるデ)、奈良方面はまさに100%のバリア、階段昇降機を使っていると乗るまでに早くとも20分以上の時間を要する。何とまあ気が遠くなるような話だ。気の長~い僕(松場さんのこと)だから、まだいいだろう?
天王寺駅方面から帰って来るときは、2駅先の久宝寺駅まで行き、エレベーターを使って反対ホームヘまわり、天王寺駅方面行きに乗り換え平野駅で下車(これも30分以上の時間を要する)。先日、最終の方の時間帯で奈艮方面行に乗る時、駅員さんの到着が遅く久宝寺駅で天王寺方面へ折り返す電車がなく、やむなく平野駅で降り階段昇降機に乗るハメになった。
目の前に電車が来てもその電車に乗れなくて、何分も次ぎの電車を待ち、あげくに駅員が「久宝寺駅でも天王寺方面へくる電車がありませんから、平野駅で降りて平野駅には駅員が一人しかいないので、一緒に降りられる方に手伝ってもらって降りてもらえますか」だもんね。
3.JR加美駅(0点)
この駅なんちゅうのは、高架式で最悪な駅舎、急な階段の昇り上り0点である。「誰もが自由に利用できるか」と当事者の主観が点数。元気な人にそのような事をさせたら、さぞかし怒りの頂点に!
4.犬阪市交通局赤バス(70点)
朝が非常に遅~い9時台~運行、タ方19時に終了。早い目に病院へと思っても、用事で帰宅が遅くなったりしたら、当然に運行されていない運行時間帯内でもバリアフリー度でも渋辛の70点。何故っていうと、いくつかの問題が。
運転手さんが車両のエアー抜きをしないで乗せようとしたり、降ろそうとしたり、後ろ向きに降りていて一度ひっくりかえされた事もあった。運転手の中にはエアー抜き操作に手間取っている人もいた(操作方法をマスターしていないので教えてあげた)、また、中には一見足腰の弱そうな老人が乗ろうとしても、そのまま乗せる運転手もいるのだ(優しさにかける)。でもすべての運転手さん皆が皆そうかと言えば優しい人、それこそ親切な運転手さんも色々~。少し心のバリアフリー教育が必要・・。
こんな事もあった、地域外での事であるが、天王寺駅から平野駅方面行のリフト付きのパスに乗ろうと30分待っていたら、定刻遅れで来たパスが普通のバスだった。なんでやねんと思って運転手さんに尋ねたら「故障ですね。次ので乗ってください」と言いながら、携帯でバス中継所とやりとり。「すぐに来ますさかい」と言って発車してしまった。何分後や思うてんねん。また40分は待たなあかんやん。悲しゅうなるわ。結局JRへ回って帰りましたがな。前で報告した目的駅を通り過ぎて戻る方法で、平野駅にたどりつきますねん。
■ 地域にある金融機関は90点が最高
1.大阪市信用金庫加美北支店(80点)
入り口スロープ、傾斜良い。自動扉。身障専用駐車場なし。ATMはタッチバネル、液晶、音声案内あり点字なし。キャッシュコーナー入り口スロープなし。※印象が良い。
2.大阪市商工信用金庫・加美支店(30点)
入り口段差20cm、入り口扉、奥自動、キャッシュコーナー入り口段差5cm、駐車場はあるが、身障者専用駐車場はなし。※店の印象が閉鎖的。バリアも多い。なぜ30点かといえば、入り口ですでに車イスお断りになっている。入り口段差は最低解消すべきでは!
3.永和信用金庫加美支店(マラソンボランティア、古紙協力の店は如何程なモノか。(90点)
入り口スロープ、傾斜良い。音声案内あり。ATMはタッチバネル、液晶、音声案内あり。点字案内なし。キャッシュコ一ナー入り口スロープ、傾斜良い。身障専用駐車場なし、印象が良い。
4.近畿産業銀行(0点)
入り口スロープなし、ATMは車イスで入れない。
5.加美北郵便局(90点)
スロープあり。入り口自動ドア。