ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

身近なところのバリアフリー度について鋭い指摘 1

2009年01月14日 00時45分00秒 | 障害者の自立
 いろいろな地域で、多様な障害者市民や高齢者市民、子どもたちが、のびのびと自由に行動できるまちづくりをめざして、バリアフリー化が主張されている。しかし、まだまだ進んでいない。できたといっても1カ所だけのバリアフリー化が多く、連続した行動線や自由意思で移動できる面の整備は、これからだ。大阪市南部を拠点に多彩な事業を行っている「大阪障害者労働センター・マツサクぐる~ぷ」が編集・発行している「大阪障害者労働センター・マツサクぐる~ぷニュース」(第136号、2005年7月7日発行)では、このグループの中心活動でもある共生・共走リレーマラソン大会の特集記事とともに、松場作治さん(公式ホームページ)が、自ら行動し、自ら書かれた「バリアフリーチェック行動 平野区加美北 1~9丁目」が掲載されている。だれもが楽しく行動でき、使いやすい街を作ろうと、ご自身たちの活動拠点がある大阪市平野区加美北の街を点検している。各種の建物や駅舎、道路などが、障害者市民の視点から(いかにも松場さんらしい表現で)描写され、鋭い指摘もあり、点数(松場さんは「主観的」といっているが、なんのなんの、客観的でもあり奇妙に納得的)でも示されている。ここに転載させていただく。以下が全文である。

■ チェックした街は、こんなところ
 街を歩かれたのが、2005年03月06日ということである。当日は晴天だったそうである。雨天や雪などの場合は、街の様子も、建物の使いやすさも、一変する。天候が重要な要素になっている。通信では、文章のほかに、写真も点いているが、ここでは、再現できなかった。直接に「通信」を読んで見て欲しい。

 大阪市平野区は大阪市の南東部に位置し、東に東大阪市と八尾市、西に東住吉区、南に松原市、北に生野区があります。平野区の中で、今回のバリアフリーチェックは加美北・1丁目~9丁目でした。平野区の中で一番北にあり、市内よりの地域てす。

 町工場と市営住宅、一般住宅が混在し、所どころに貸し農園、昔からの畑や田圃が少し残っています。大阪市の下水処理場が2・4・5丁目にまたがって大きくあり、公園も数カ所、校区には加美北、加美小学佼の2校、加美中学校1校、保育所、幼稚園が数カ所あります。

■ 住民が主に利用する移動手段
 住民の目的によっても異なりますが、1~5丁目は地下鉄の干日前線南巽駅、6~9丁目はJR大和路線平野駅、加美駅方面を多くの方が利用されます。大阪市バスが杭全~地下鉄南巽~地下鉄平野駅を往復(1時間に1本程度、6時台~22時台)、赤(ミニのノンステップ、車イス対応)バスが南巽駅~地下鉄平野駅を往復(市バスと重複する路線部分としない部分があります)(約20分に1台、9時台~19時)が主要な移動手段の地域です。

 マツサクぐる~ぷは8丁目にあり、近くに大阪市加美霊園、モダンな加美北8丁目交番があります。今回まさに自分たちの生活に密着した地域でバリア探索をしました。日曜日はチェックのねらい目である公共性の高い銀行や医院はお休みで、外からしかチェックする事が出来ませんでした。

■ 公共交通機関のバリアフリー度は0点から70点までの格差
 1.地下鉄千目前線南巽駅(70点)
 バリアフリー度70点で車イスではまあまあ現状には何も言うことは無いのだが、問題点として、乗り降りが駅の職員の手を借りなけれぱ、ならないこと。職員がスロープ式板を電車とホームの間に渡し乗車しなければならない。電車とホームの透き間や段差解消が望まれる。転落事故防止の柵が地方の新駅などで見かけるが、大阪も早く設置して欲しい。

 2.JR平野駅(30点)

 高架式駅舎JR平野駅は天王寺方面には車イス専用スロープ(扉があり、駅利用の度に駅員を呼び鍵を開けてもらう、目の前にホームがあって電車が到着するのに駅員が直ぐに来なくて乗り遅れたりする時もしぱしぱ、寒~い冬場にホームで電車を待つのは寒く身体に堪えるデ)、奈良方面はまさに100%のバリア、階段昇降機を使っていると乗るまでに早くとも20分以上の時間を要する。何とまあ気が遠くなるような話だ。気の長~い僕(松場さんのこと)だから、まだいいだろう?

 天王寺駅方面から帰って来るときは、2駅先の久宝寺駅まで行き、エレベーターを使って反対ホームヘまわり、天王寺駅方面行きに乗り換え平野駅で下車(これも30分以上の時間を要する)。先日、最終の方の時間帯で奈艮方面行に乗る時、駅員さんの到着が遅く久宝寺駅で天王寺方面へ折り返す電車がなく、やむなく平野駅で降り階段昇降機に乗るハメになった。

 目の前に電車が来てもその電車に乗れなくて、何分も次ぎの電車を待ち、あげくに駅員が「久宝寺駅でも天王寺方面へくる電車がありませんから、平野駅で降りて平野駅には駅員が一人しかいないので、一緒に降りられる方に手伝ってもらって降りてもらえますか」だもんね。

 3.JR加美駅(0点)
 この駅なんちゅうのは、高架式で最悪な駅舎、急な階段の昇り上り0点である。「誰もが自由に利用できるか」と当事者の主観が点数。元気な人にそのような事をさせたら、さぞかし怒りの頂点に!

 4.犬阪市交通局赤バス(70点)

 朝が非常に遅~い9時台~運行、タ方19時に終了。早い目に病院へと思っても、用事で帰宅が遅くなったりしたら、当然に運行されていない運行時間帯内でもバリアフリー度でも渋辛の70点。何故っていうと、いくつかの問題が。

 運転手さんが車両のエアー抜きをしないで乗せようとしたり、降ろそうとしたり、後ろ向きに降りていて一度ひっくりかえされた事もあった。運転手の中にはエアー抜き操作に手間取っている人もいた(操作方法をマスターしていないので教えてあげた)、また、中には一見足腰の弱そうな老人が乗ろうとしても、そのまま乗せる運転手もいるのだ(優しさにかける)。でもすべての運転手さん皆が皆そうかと言えば優しい人、それこそ親切な運転手さんも色々~。少し心のバリアフリー教育が必要・・。

 こんな事もあった、地域外での事であるが、天王寺駅から平野駅方面行のリフト付きのパスに乗ろうと30分待っていたら、定刻遅れで来たパスが普通のバスだった。なんでやねんと思って運転手さんに尋ねたら「故障ですね。次ので乗ってください」と言いながら、携帯でバス中継所とやりとり。「すぐに来ますさかい」と言って発車してしまった。何分後や思うてんねん。また40分は待たなあかんやん。悲しゅうなるわ。結局JRへ回って帰りましたがな。前で報告した目的駅を通り過ぎて戻る方法で、平野駅にたどりつきますねん。

■ 地域にある金融機関は90点が最高
 1.大阪市信用金庫加美北支店(80点)
 入り口スロープ、傾斜良い。自動扉。身障専用駐車場なし。ATMはタッチバネル、液晶、音声案内あり点字なし。キャッシュコーナー入り口スロープなし。※印象が良い。

 2.大阪市商工信用金庫・加美支店(30点)
 入り口段差20cm、入り口扉、奥自動、キャッシュコーナー入り口段差5cm、駐車場はあるが、身障者専用駐車場はなし。※店の印象が閉鎖的。バリアも多い。なぜ30点かといえば、入り口ですでに車イスお断りになっている。入り口段差は最低解消すべきでは!

 3.永和信用金庫加美支店(マラソンボランティア、古紙協力の店は如何程なモノか。(90点)
 入り口スロープ、傾斜良い。音声案内あり。ATMはタッチバネル、液晶、音声案内あり。点字案内なし。キャッシュコ一ナー入り口スロープ、傾斜良い。身障専用駐車場なし、印象が良い。

 4.近畿産業銀行(0点)
 入り口スロープなし、ATMは車イスで入れない。

5.加美北郵便局(90点)
 スロープあり。入り口自動ドア。


自分たちで結婚を決めた人たちへの支援

2009年01月14日 00時36分14秒 | 障害者の自立
 東大阪市に本拠をもって活動しているクリエイティブハウス「パンジー」が発行している機関紙「パンジーだより」(第56号、2005年06月27日)では、「グループホームでの結婚生活」を特集している。以前に紹介した生田さん・中多さんのお二人に続いて、OさんとNさんの結婚について、支援する側から書いた記事もある。第1は「Oさんの結婚の話し合いに参加して」と題した記事である。筆者は(幸女)と署名がある。パンジーのスタッフであろう。以下が全文であるが、中見出しと改行を私が行った。

■ 結婚式を前にして不安を訴える
 OさんとNさんが二人そろってパンジーに来て、「結婚したい」と言ったのは、去年( 2004年)の5月頃。でも具体的なイメージがわかない二人。“結婚して二人で暮らすってどういうこと?”“性について知ろう!”ということで、ハートブレイクの黒瀬さんと話し合いをしてきました。

 OさんとNさんは、(2005年)2月12日に緒婚式をし、春から一緒に暮らし始めると決めました。順調にいくように見えた二人でしたが、12月の上旬「まだ結婚は不安なんだ…」とOさんがぽつり。マリッジブルーかな?と想像しましたが、深く話を聞いていくうちにそうではないことがわかりました。

 OさんがNさんのことは大好きで、結婚したいと思っているのは確実でした。でも、もっとゆっくり二人の関係を築いていくことがOさんにとって必要なのだとわかりました。

■ 婚約式準備の楽しみと緊張感
 そこでOさんはNさんとよく話し合って2月12日は“結婚式”ではなく“婚約式”にすることにしました。そう決まると、今度は楽しい話でいっぱいです。「衣装は何にしよう?」「ウェディングドレスは結婚式に着るから、カクテルドレスがいいかな」「着物がいいよ!」着る服の話だけで楽しそうでした。「指輪、いつ買いに行こう?」「高いのをおねだりしないとダメよ」、なんて外部の声も聞こえます。指輸も買って、すてきな衣装も決まり、本番のプログラムも決まりました。

 婚約式前日、私はOさんと一緒に過ごしたのですが、ずっと落ち着かない様子で、緊張がこちらまで伝わってきました。夜は一睡もできずに本番を迎えました。しかし、婚約式は本当にすてきな式になりました。Oさんも嬉しさいっぱいのようでした。

 今、2人がどのようになっていくかは分かりません。誰もが経験する悩んだりとまどったりを繰り返しながら、ゆっくりと自分が納得する道を進んで行ってくれたらいいと思います。そして、それを支援したいと願っています。

 以上が(幸女)さんの文章である。文中にでてきた「ハートブレイク」の黒瀬清隆さんも「自分達できめる――結婚支援の中の見守り――」と題した文章を「パンジー」に掲載されている。以下が、その文章である。

■ 二人が結婚に向うための「心の支援」
 当初、「緒婚支援」という言葉からイメージしていたのは「緒婚したいと考えている二人がいかにゴールイン出来るように支援するか」と「その後の生活支援や性に関する支援」でした。しかし、実際の支援はそのような外形的なものばかりではなく、「こころの支援」が大きなウエイトを占めていたように感じています。

 「好き同士の二人」が一緒に居たいと考えるのはいずこも同じですが、それが結婚となると、二人にとって想像以上の心労をともなうものとなります。ましてや、知的しょうがいを持つ人々にとっては「二人での生活を始めること」そのものも大変ですが、それ以上に「周囲の理解を得ること」が大きな壁となって現れてきます。

 今回の支援を振り返ってみると「結婚したい二人の希望をかなえるためのプロジェクト」が開始され、「結婚とは何か」「二人の暮らしをどうするか」「結婚式をどうするか」と進み、めでたく「結婚式」を挙げ、「いっしょに暮らす」…と二人の行動と共に話し合いの会は進んでいったのですが、この間、全てがスムーズに進んだわけではけっしてないのです。

■ 自分たちで決めて実行していくことを見守る
 二人の感情のすれ違いからトラブルも発生したのですが、コミュニケーションのとり方が不得意な彼らにとって仕方ないのかもしれません。家族の説得にも「反対されるのでは?」との憶測から、アプローチそのものにも跨踏がありましたし、結婚することを知った周囲の人々からの反応に一喜一憂することもしばしばでした。

 そんなおり、私たちは何をしていたかというと、彼らの話に耳を傾けていたにすぎなかったのです。具体的な対処方を示すケースは極めて少なく、幾つかの選択肢の提示程度しかしていません。つまり「見守り」に徹していたのです。

 結果として、彼らは自分たちで考えて決め、実行していったのですが、その基礎は「自分の考えを言える場所と雰囲気があったこと」なのです。「聴く」「待つ」という「こころの支援」はとても大切であり、パンジーにはそれが存在していることを改めて確認できた結婚支援への参加であったと言えます。以上が黒瀬さんの文章である。

■ 二人を支える環境の重要性
 黒瀬さんが最後に書かれているように、二人の決断と実行を、じっと見守る環境が大切である。知的障害のある市民が結婚をしたいという人もいる。しかし、自分たちが見る限り、問題が多すぎるとか、実現への道はなかなか見つからないという意見も、あるだろう。パンジーだからできたのだというのであれば、なぜ、パンジーでできたのかを検証して欲しい。

 改善のためのヒントはこれまでに紹介したパンジーの記事に見出すことはできるだろう。


(上)読み上げソフト 対応まだまだ

2009年01月14日 00時35分20秒 | 障害者の自立
 インターネットを利用して情報を得る視覚障害者が増えている。画面上の文章や数字を読み上げるソフトで聞き取るのだが、ウェブサイトを作る側の配慮が足りず、読み上げてくれない場合も多い。(安田武晴、写真も)

読めないファイル
 「重要なお知らせ。定額給付金の給付を装った詐欺や個人情報の詐取にご注意。証明書自動交付機が一時休止します……」。パソコンのスピーカーから、次々と音声が流れる。

 東京都板橋区に住む視覚障害者、佐々木宗雅さん(59)は、同区のウェブサイトから区の情報を入手する。眼球が濁る病気のため50歳で失明。画面を読むことはできず、読み上げソフトで聞き取っている。

 ほとんどの情報はソフトが読み上げてくれるが、印刷物と同じ体裁で画面表示する電子文書形式で掲載されている区報だけは、どうしても読み上げてくれない。佐々木さんは、「広報誌を音声読み上げソフト対応にしている自治体もある。区に改善を訴えているのだが」と話す。

 年齢や障害の有無にかかわらず、誰もが使いやすいウェブサイトの普及に取り組むNPO法人ハーモニー・アイ(東京都江東区)によると、全国に約31万人いる視覚障害者のうち、読み上げソフトの利用者は推計約6万人。2004年、高齢者や障害者に配慮したサイト作りに関する日本工業規格(JIS)が制定されたが、あくまで「標準」で強制力がなく、守られていないサイトも多い。

 同NPOの理事も務める佐々木さんは、「読み上げソフトの操作に不慣れな人でも、情報をスムーズに得られるよう、サイトを作る側が配慮してほしい」と訴える。

 写真や図表は、文字による説明がないと、読み上げソフトではわからない。たとえ字があっても、「2009/1/1」という表記だと、目が見える人なら「2009年1月1日」とわかるが、読み上げソフトは「にせんきゅう いち いち」と音声変換するため、何を表しているのかわかりづらい。

 同NPOが昨年、5政党のサイトの使いやすさを調べたところ、こうした文字の説明がない画像が多いことが判明。また、振り仮名がないため、「社民党」は「ヤシロミントウ」、共産党の志位委員長の名字は「ココロザシイ」と読み上げられるといった不具合があったという。

 調査結果は、同NPOが昨年11月に発売した啓発DVD「ユーザー視点のWebサイトづくり〈1〉 音声読み上げで検証するサイト構築」(税込み7500円)に収録されている。

 馬場寿実理事長は、「視覚障害者にとってインターネットは重要な情報収集の手段。高齢で目が見えづらくなる人が急増する中、ウェブサイトに配慮が欠けていれば、企業なら顧客を、政党なら支持者を失っているともいえる」と指摘している。

デザインやアイデアも
 NPO法人日本ウェブ協会(東京都港区)は、視覚障害者だけでなく、すべての人に使いやすいユニバーサルデザインのウェブサイトの普及を目指し、05年度から「アックゼロヨン(AcC04)・アワード」を実施している。企業や官公庁などのサイトを、使いやすさだけでなく、デザインやアイデアなど計六つの観点から審査し、表彰する取り組みだ。

 賞の名前は、「accessibility」(利用しやすさ)、「creativity」(独創性)の冒頭のアルファベットと、活動を開始した「04年」を組み合わせた。05年度は約40件だった応募は、07年度は約190に急増。今年度も2月に募集を開始する。

 同協会の森川真行理事長は、「視覚障害者のために画像を減らした結果、サイトがつまらないものになっては意味がない。利用しやすさと独創性が融合し、一人でも多くの人が使いやすく楽しめることが大切」と指摘している。