急激な景気悪化のしわ寄せが、地域の障害者のよりどころである授産施設にも及んでいる。佐賀県江北町の特定非営利活動法人(NPO法人)「障がい者福祉作業所・ギャラリーちゅうりっぷのうた」では、収入の柱だった自動車部品関連の請け負い作業が、メーカーの販売不振で今年打ち切られた。作業所の本村容子理事長は「社会的弱者に突き付けられた現実の厳しさに途方に暮れてしまう」と肩を落とす。
作業所は、小学校教諭として障害児教育に取り組んだ本村理事長が退職後の2003年4月、巣立った子どもたちに働く場を提供しようと、保護者らと私費を投じて開設した。現在は20‐50代の知的障害者8人が通所する。
保護者の紹介で、開設時から同県武雄市の自動車部品関連会社から仕事が舞い込んだ。パワーウインドー用のモーター部品などを工場で検査しやすいよう、ケースに並べ直す単純作業。多いときは月60万個をさばき、約6万円を得ていた。
ところが、昨年末に会社から連絡が。「注文が激減し、仕事を頼めなくなった」と頭を下げられた。会社側も雇用調整を余儀なくされたという。
本村理事長は「通所者たちに伝えられなかった」と振り返る。通所者たちは年明けも朝から黙々と作業の準備をした。しかし、仕事がなくなったことにはすぐ気付いた。
作業所の運営費は年間約400万円。うち障害者のための町からの地域支援センター事業予算約300万円を除く約100万円を、作業の収入で賄わなければならない。現在は菓子箱の組み立てや、端切れを縫い合わせたバスマット作りでしのぐ。ただ、1枚約300円の収入となるマットは、1人が3日で1枚仕上げるのが精いっぱい。以前のような収入は望めない。
「(これまで仕事を回してくれた)会社には感謝の気持ちでいっぱい」と話す本村理事長だが、今は景気に左右されにくい農作業をさせることを考えているという。「政府や自治体は派遣労働者だけでなく、さらに弱い立場の障害者にも目を向けて」と訴える。
作業所は、小学校教諭として障害児教育に取り組んだ本村理事長が退職後の2003年4月、巣立った子どもたちに働く場を提供しようと、保護者らと私費を投じて開設した。現在は20‐50代の知的障害者8人が通所する。
保護者の紹介で、開設時から同県武雄市の自動車部品関連会社から仕事が舞い込んだ。パワーウインドー用のモーター部品などを工場で検査しやすいよう、ケースに並べ直す単純作業。多いときは月60万個をさばき、約6万円を得ていた。
ところが、昨年末に会社から連絡が。「注文が激減し、仕事を頼めなくなった」と頭を下げられた。会社側も雇用調整を余儀なくされたという。
本村理事長は「通所者たちに伝えられなかった」と振り返る。通所者たちは年明けも朝から黙々と作業の準備をした。しかし、仕事がなくなったことにはすぐ気付いた。
作業所の運営費は年間約400万円。うち障害者のための町からの地域支援センター事業予算約300万円を除く約100万円を、作業の収入で賄わなければならない。現在は菓子箱の組み立てや、端切れを縫い合わせたバスマット作りでしのぐ。ただ、1枚約300円の収入となるマットは、1人が3日で1枚仕上げるのが精いっぱい。以前のような収入は望めない。
「(これまで仕事を回してくれた)会社には感謝の気持ちでいっぱい」と話す本村理事長だが、今は景気に左右されにくい農作業をさせることを考えているという。「政府や自治体は派遣労働者だけでなく、さらに弱い立場の障害者にも目を向けて」と訴える。