小脳低形成の障害にくじけず、プロのバイオリン奏者を目指す東京都町田市立山崎小学校六年式町水晶(みずき)君(12)が、福祉施設や高齢者施設などで慰問演奏活動を続けている。手足の動作やバランスが取りづらいハンディを乗り越え七年。心を癒やす音色が、入所者を元気づけている。
式町君は生まれつき小脳が小さい影響で、体のバランスを取りにくく、疲れやすいため長時間の運動が難しい。失明につながりかねない緑内障も患っており、バランストレーニングの一環で四歳の時からバイオリンを始めた。
五歳の時、バイオリン奏者葉加瀬太郎さんのコンサートを見て感動し「プロになりたい」と決心。ドラマやCMでヒット曲を出しているジャズバイオリニストの中西俊博さん(52)に師事し、本格的に練習している。
ボランティア活動は当初、「人前で演奏したい」との思いからだった。だが、演奏に聞き入るお年寄りや自分と同じように障害のある人たちの笑顔を見て「僕の音楽で、みんなを元気づけることができ、逆に励まされた」。
慰問は、ほぼ毎月続けており、昨年十一月は八王子市の八王子医療刑務所を訪問。受刑者約百人を前に「いい日旅立ち」などのポップスから、自分で作曲した「ホワイトローズ」「さようならをいわないで」などのバラードまで約二十曲を披露した。普段は長時間立っていられないが、拍手に応えて約一時間にわたって熱演した。
受刑者からは「演奏のように澄み切った心で再起したい」「生きるパワーをもらった」など感謝の手紙七通が寄せられたという。
中西さんは「障害に負けない熱意と努力に、逆に勇気づけられている。つらい基礎練習にも耐えてくれると信じている。三年後のライブ実現を目標に、一緒に頑張っていきたい」と温かく見守る。
式町君は「将来は演奏をすることで、(治療に音楽を役立てる)音楽療法にも協力したい」と夢を広げている。
<小脳低形成> 小脳が完全な形ではなく、生まれつき小さい症状。小脳は運動機能をつかさどる部分で、筋肉が調和せずに手足の動きに失調が出たり、平衡感覚がなく、左右のバランスをとりにくくなったりする。眼が揺れる眼振などの症例もある。
式町君は生まれつき小脳が小さい影響で、体のバランスを取りにくく、疲れやすいため長時間の運動が難しい。失明につながりかねない緑内障も患っており、バランストレーニングの一環で四歳の時からバイオリンを始めた。
五歳の時、バイオリン奏者葉加瀬太郎さんのコンサートを見て感動し「プロになりたい」と決心。ドラマやCMでヒット曲を出しているジャズバイオリニストの中西俊博さん(52)に師事し、本格的に練習している。
ボランティア活動は当初、「人前で演奏したい」との思いからだった。だが、演奏に聞き入るお年寄りや自分と同じように障害のある人たちの笑顔を見て「僕の音楽で、みんなを元気づけることができ、逆に励まされた」。
慰問は、ほぼ毎月続けており、昨年十一月は八王子市の八王子医療刑務所を訪問。受刑者約百人を前に「いい日旅立ち」などのポップスから、自分で作曲した「ホワイトローズ」「さようならをいわないで」などのバラードまで約二十曲を披露した。普段は長時間立っていられないが、拍手に応えて約一時間にわたって熱演した。
受刑者からは「演奏のように澄み切った心で再起したい」「生きるパワーをもらった」など感謝の手紙七通が寄せられたという。
中西さんは「障害に負けない熱意と努力に、逆に勇気づけられている。つらい基礎練習にも耐えてくれると信じている。三年後のライブ実現を目標に、一緒に頑張っていきたい」と温かく見守る。
式町君は「将来は演奏をすることで、(治療に音楽を役立てる)音楽療法にも協力したい」と夢を広げている。
<小脳低形成> 小脳が完全な形ではなく、生まれつき小さい症状。小脳は運動機能をつかさどる部分で、筋肉が調和せずに手足の動きに失調が出たり、平衡感覚がなく、左右のバランスをとりにくくなったりする。眼が揺れる眼振などの症例もある。